「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

思考と感情のバランス (2)

2016年12月06日 21時43分32秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
 全体像を見るために、 次のガイドラインに従ってください。
 
1. 何が起きたのか? 
 
2. その結果、 どう考え、 どう感じたか?(具体的に)
 
3. その考え方と感じ方を、 支持する証拠は何か? 
 
4. その考え方と感じ方に、 相反する証拠は何か? 
 
5. 証拠すべてを考慮したとき、
 
   状況について より正確で偏りのない 考え方や感じ方とは何か? 
 
6. 状況に、 より健康的に対処するために できることは何か? 
 
 圧倒されるような気持ちになり始めたら、 まず、 何が起きたのかを自問しましょう。
 
 気分を害しているものが何なのか 見極めてください。
 
 第2に、 思考と感情を見極めます。
 
 思考は感じ方に 大きな影響を与えています。
 
 第3に、 自分の考え方や感じ方を 支持する証拠は何か、 自問してください。
 
 第4は、 難しい質問です。
 
 自分の考え方や感じ方と 相反する証拠を見極めてください。
 
 状況を より深く見ることが必要です。
 
 事実の全てを見なければなりません。
 
  「相反する証拠などない」 と言う前に、 検討する時間を 数分間持ってください。
 
 どんな話題にも 必ずそれを支持する証拠と、 それに反する証拠があります。
 
 次に、 自分自身に対して批判的にならず、 感情を 新たな方法で検討し続けながら、
 
 感情をありのままに 受け入れようとしてみてください。
 
 感情に対してマインドフルになり、 徹底的受容を用います。
 
 状況に対して、 より正確でフェアに 考えたり感じたりする方法を、 考えましょう。
 
 最後に、
 
 「状況に、 より健康的に対処するために できることは何か?」 と 尋ねましょう。
 
 注意をそらし、 リラックスし、 対処するためのスキルを 総動員します。
 
 感情を落ち着かせるための 苦悩耐性スキルや、
 
 自分を落ち着けるスキルを 用いることもできます。
 
 マインドフルな呼吸, 思考を和らげるマインドフルネス・スキル,
 
 コーピング思考も使えます。
 
 この練習が魔法のように、 すぐ感じ方を変えることにはならないでしょう。
 
 しかし、 フィルタリングしてきた事実に 気付くのに役立ち、 似た状況に対し、
 
 新たな、 より健康的な方法で 対応し始めるようになるでしょう。
 
 視点が広がり、 人生にはポジティブな経験もある ことに気付くのです。
 
(次の記事に続く)
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]