胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

collagenous colitis

2016-06-29 | 大腸炎症
2008年10月以来のcollagenous colitisの投稿です.
2008年当時はcollagenous colitisがブームになっていました.
その後,炎症をあまり扱わないところで働いていましたが,今の施設ではちょくちょく経験します.

その時のコピペ(一部改変)です.

いきなり、collagen bandに目を奪われることなく、バンドを見る前に、まずは慢性の「腸炎」であることを認識しましょう。
1) IBD (UC)ほどではありませんが、形質細胞浸潤が深部まで認められます。消化管粘膜では形質細胞は生理的には固有層上部にみられるのです。
2) 表層被蓋上皮が変性し、剥がれそうです。
3) 好酸球もそこそこ認められます。
4) さてcollagen bandですが、「collagen bandが肥厚する」と表現される方が多いのですが、この表現では「基底膜が肥厚する」ものだと誤解されてしまいます。肥厚するのではなく「collagen bandが形成される」のです。collagenous gastritisではしばしば、被蓋上皮直下ではなく、少し下の腺頚部あたりにバンドができることがあります。バンドの中には毛細血管がトラップされています。
2,4)の所見で、水分が吸収されず難治性下痢になるというイメージに結びつきます。
5) IBDではありませんから、陰窩上皮の直線性は保たれています。

最新知見こちらへ:胃と腸51巻4号 pp.450-462(2016年4月)


桃太郎が全速力で近所の駅を通過します.
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