胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

胃底腺型癌、Dr Curry type

2010-02-26 | 胃分化型腺癌
 時々話題にしている胃底腺型癌(Dr. Curry type)です。Gastric adenocarcinoma of fundic gland typeというタイトルでDr Curry Teamの論文が米国超有名誌にアクセプトされたそうです。おめでとうございます
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Group 2

2010-02-18 | 胃癌全般
 今後、「Indefinite for neoplasia, Group 2」と判定するであろう胃生検です。Deeper sectionsも作製しましたが、よくわかりませんでした。腸上皮化生の間に違和感のある変性腺管があり、壊死物質を貯めています。これだけでpositiveとする勇気は私にはありません。内視鏡的にもぱっとしません。(私の施設でも来年度からGroup分類採用の予定です)
 以下、Group 2の説明です。

Group 2:腫瘍性(腺腫または癌)か非腫瘍性か判断の困難な病変
 このGroupには次のような症例が含まれる。このGroupに含まれる診断をする場合は、臨床医に対しては判断の困難な理由を明らかにし、付記することが望ましい。
(1) 異型細胞は存在するが、組織量が少なく細胞異型からでは腫瘍性病変としての判断が困難な病変(臨床的な再検査を行い確定診断が必要)。
(2) 異型細胞が存在するが、びらんや炎症性変化が強く腫瘍か非腫瘍かの判断が困難な病変(臨床的に消炎後再生検を行なうか十分な経過観察が望まれる)。
(3) 異型細胞が存在するが、病理組織の挫滅や傷害が強く腫瘍か非腫瘍かの判断が困難な病変(臨床的な再検査を行い確定診断が必要)。
また、このGroupの診断をつける場合、病理側としては、まずは深切り切片の作製、細胞増殖能やp53蛋白免疫染色などの追加検討を行なう。さらに同一症例の再生検にて本Group診断が続く場合には、専門家への病理コンサルテーションを行うことをすすめる。
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Trastuzumab, HER2, 胃癌, ToGA study (2)

2010-02-03 | 胃分化型腺癌
トラスツズマブの胃癌での実用化が近くなってきました。このためには病理医がhuman epidermal growth factor receptor 2 (HER2)検査を判定する必要があります。胃癌におけるHER2検査に関する集まりが旧GHQビルの近くでありました。胃癌は乳癌に比べてheterogeneityが大変強いのが大きな問題点です。

Her2 IHC Scoring Proposal –acc. Pre-ToGA Study
DakoCytomation HercepTest™ (mod. for Gastric Cancer)
0: No / membrane staining in <10% of tumour cells
1+: Faint / barely perceptible membrane staining in >10%; cells only stained in part of their membrane
2+: Weak to moderate complete or baso-lateral membrane staining detected in >10% of tumour cells
3+: Moderate to strong complete or baso-lateral membrane staining in >10% of tumour cells
Biopsy samples with cohesive either IHC 3+ and ⁄ or FISH+ clones are considered positive. Irrespective of size, i.e. <10%
(Hofmann et al. Histopathology 52:797-805, 2008)
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