GAOの隠れ処「ムンダナ」

都内のアマチュアオーケストラでVnとVaを弾いているGAOの、音楽を中心とした関心事についてのあれこれ

入院中難儀したこと

2007-08-24 23:54:52 | 体質改善

一昨日退院したが、結局のところ、昨日も今日も仕事は休んだ。
検査後2週間くらいは、本当は何もしないで安静にしていて欲しい。
というのが担当医の本音だが、現実にはなかなかそのようにはいかないらしく、
「運動したり身体をひねったりしてはいけない。」と何度も注意された上で、
基本的にデスクワークなら、まあ良いだろうと、退院と出勤の許可をいただいた。
多謝!
しかし、「来週からバリバリ働いてもらうけん、今週は無理せんとゆっくり休め。」
という上司「コードネーム0024氏」からの部下思いの粋な計らいに甘えた。


ところで、入院中、腎生検後ベッドに横になって絶対安静の期間があったが、
その間、おしっこはいわゆる尿瓶(しびん)というものにしていた。
これは初めての経験だったが、かなり難儀した。

検査の前々日、看護師から唐突に「尿瓶を使われた経験はありますか」と聞かれ、
ちょっとびっくりして「入院だって初めてだし、そんな経験ないです」と答えると、
「じゃ、検査後の本番に備えて、一度練習しておいてください」と尿瓶を渡された。

検査後の本番だなんて、随分と大袈裟なことを言う。
横になったまま小便するなんて、誰だって幼児の頃に寝小便の経験くらいあるし、
練習しておかなきゃならんような大変なことかしらん?
…と思ったが、侮るなかれ、これが意外にできないのである。

尿瓶を渡されて数時間後、少し尿意を催してきたので、ベッド上に防水シートを広げ、
その上で身体の右側(腎生検では右側の腎臓組織を採取)を下にした横臥姿勢をとり、
いざ挑戦!

???

・・・出ないな。

いざ挑戦!(少し気張ってみる)

・・・う~ん出ないな


いざ、いざ!(もうちょっと頑張ってみる)

・・・あっれ~ぇ?全然でないぞ


うぉ~りゃ~あ!(用を足している状況をイメージし、かなり頑張る)

・・・全くダメだ、ひょっとして何か障害でも?・・・



きっと、まだまだ膀胱に余裕があるから出んのかもしれんな。
もう少し溜まらんといかんのや。
と気を取り直して、まだまだ様子をみることにした。

…が、ちょっと気になるので、普通にしたらでるんやろか?と思い、
ためしにトイレにいってみると、なんと普通にでる。
その量約250ml。


・・・これは・・、ひょっとすると・・・
寝床で横になって小便をするというのは結構大変なことなのかもしれない。
だからこそ、尿瓶を使う練習などということが必要なのだろう。
この調子だと、腎生検後の絶対安静時の小便は難儀しそうだ。
いやいや、膀胱がいっぱいになってくれば、自然に用は足せるはずだ・・・。

ちょっと、心配になっていたら、看護師さんが定時の検温と血圧測定にやって来た。
お決まりの作業が終わると、「尿瓶の練習はできましたか?」と聞く。
「いや~、それがなかなか出なくて・・・。練習できなかったらヤバイですか?」
「本番でちゃんとできれば大丈夫ですよ。」と何のことはなさそうに返事する。
「それにどうしても出ないようでしたらカテーテルで・・・」
「ええっ??カテーテルですか?そんな大袈裟な??」
「でも、どうしても出ない場合は腎臓に逆流して危険ですからね。
 GAOさんの年齢ではあまり例はないですが、カテーテルで出すのはよくあります。」

はぁ、カテーテルは勘弁してもらいたい・・・。
しかも、腎生検は明日の午前中だというのに、一向に出る気配がない。
そんな曇った気持ちで一晩過ごした翌朝6時、やはり尿瓶では出ない。
腎生検の前後では、毎朝一の尿検査ヘマスチェックをやらなくてはならないので、
尿瓶での挑戦はあきらめて、トイレで採尿。
なんと400mlも出るではないか!

もう、このタイミングでは、10時からの腎生検前に尿瓶の練習はできそうにない。
「え~い、ままよ!」とぶっつけ本番にかけることにした。
あとはできるだけ大量に小便がでるよう水分を多めにとることにした。


・・・で、腎生検が終わって傷口を押さえ付けるようにキツく包帯で腹を巻き、
あとはベッドの上でひたすら絶対安静となった。
検査前後に約2ℓの点滴をしている上、水やお茶で水分を沢山取ったので、
昼食後間もなく尿意を催してきた。
さて、ぶっつけ本番で挑戦だ!
意気込みも新たに寝床での小便に挑戦するが、まだまだ出てこない。
・・・もう少し様子を見るしかないな・・・。

そこへ女房と子供たちが見舞いにやって来た。
家族に対しては、平静を装い、子供たちがこれ何?問うので、
「これは尿瓶といって、ベッドで寝たままおしっこするための男用のトイレだ。」
などと、ちょっとふざけて話したりして賑やかに過ごした。
その間、かなり膀胱も膨らんできたとみえ、尿意も強烈になってきた。
普通では、もう我慢できないのでトイレに駆け込むくらいの感覚だ。
子供たちが、話にも飽きてきたようなので、女房にももう帰るよう促し、
皆が病室を去ったあと、急いで尿瓶をセット。

意を決するがごとく、いきんでみたが、やはりでない。
こりゃあ困ったことになったぞ・・・。
これで出なければ、カテーテルものだぞ。
額に、じわ~っと汗がにじみ出てくる。

再度、いきんでみて腹を脱力してみる。
すると、何かタガがはずれたような感じがした。

・・・おっ?なんか出そう。

あっ、来る来る来る。

来たーっ!

ドゥドゥドゥ・・・と、まるで堰を切ったかのような勢いで、
出るは、出るは!

1.2ℓくらいの尿瓶では溢れるかのような勢いで出る。
…おいおい、まさか入りきらなくて溢れたりせんか?

随分長いこと出ていたが、ようやっと終わったときには本当にホッとした。
その量930ml。

ナースコールで看護師さんに蓄尿をお願いする。
「GAOさん良かったですね~!あらっ?しかもこんなに沢山!もう安心ですね。」
・・・「しかも~」は余分じゃい!・・・

というような顛末で、何はともあれベッドで用を足すことができた。


その晩、葛飾フィルの先輩が、仕事帰りにお見舞いに来てくださった。
色々と話している中で、この尿瓶体験の話題になったら、
「わかっとっても、なんや悪いことしているみたいな気持ちがいかんのや」と、
心のどこかにある理性が、その行為にブレーキをかけていると分析。
う~ん、出さねば出さねばと思っていても、寝床で小便なんて不謹慎と思ってしまう。

担当医にその話をすると、
「人間の身体って気持ちに連動しているから面白いんですよね。」と笑っていた。
「我慢できなくなっても出ないのが本当に大変なので、出てよかったですね。」
・・・出てよかったとか一安心だとか、まるで宇宙飛行士が無重力の宇宙船のトイレで
ちゃんと用を足せた時、周囲の仲間が喜んでいるようなシーンを連想する。

私は、腎生検による腎臓周辺の痛みよりも、その後の尿瓶の方が気分的に苦痛だった。
つまり、今回の入院中、もっとも心身ともに解放されて気分爽快だったのは、
絶対安静が解かれて、トイレで立ったまま小便をした時である。
ちゃんとおしっこができるということは、こんなにも幸せなことだったのだ。


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2 コメント

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役に立ちました (CINEMANEDO)
2017-01-21 12:21:30
貴重なレポートありがとうございます。
来週、肝生検で入院するのですが,前回、私も尿意との壮絶な闘いを強いられた経験がありましたでたいへん参考になりました。
「リキまず、腹の力を抜くこと」を肝に命じ辛い検査にのぞんでまいります。
感謝
Unknown (Unknown)
2020-12-21 01:17:46
いま、同じ苦労をしています。手術前にどうしても出ず、カテーテルも経験しました。取れてから3回尿瓶にできたのですが再び止まりました。
どうしたものか、、再挿管とかやだなーと思いながら読みました。
あと、細かいことですが出るわ、出るわ
接続詞のはを使うのはおかしいですよね

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