浅草のサンバカーニバル。
始ってから30年近くも続いていて、東京の夏の風物詩とも言われているらしい。
以前から、一度は観てみたいと思っていた都内のお祭りの一つだ。
先週、ヴィラ=ロボスの没後50年記念『ブラジル風バッハ』全曲演奏会を聴いて、
ブラジルがささやかなマイブームになってしまい、ブラジル関連の本を数冊読んだ。
そのうちの一冊に、賑やかで熱気溢れる“リオのカーニバル”の写真を見つけて、
そういえば、浅草のサンバカーニバルは8月の終わりじゃなかったかしらん?
と思っていた矢先、東京メトロ東西線の早稲田駅ホームの広告で今日の開催を知った。
娘が週末はヒマだというので、「浅草のサンバカーニバル観に行くか?」と聞くと、
「なんのお祭りなの?」と聞き返す。
PC画面に公式HPを映し「こんな感じで、皆が踊ってパレードするんじゃ。」と説明。
「面白そう。行く行く!」と即決。
息子は地域のジュニア・リーダー活動があるため、「今回はパスね。」とのこと。
父と娘の二人で出かけることになった。
雷門前の様子(父の肩にまたがった娘の撮影)
雷門通りのパレードコースに着いた時は、既にパレード開始から1時間が経っており、
パレードの沿道は、厚く高い人の壁が視界を阻んでいた。
それでも、私は観客の肩越しに少し爪先立てば十分にパレードを見ることができる。
が、娘にとってはどうしたって人の壁の向こう側を見ることはできない。
ここは、久しぶりに肩車でもしてやるか。
小学5年生の娘には、4,5年くらい前までは、よく肩車してやっていたが、
最近では、滅多にそういう機会はない。
低くしゃがんでやって「ホレ、乗れ!」「はいよっ!」・・・重っ。
子の成長振りは、こういう時にかなりのリアリティをもって実感するのだ。
踊る羽飾りの女性(父の撮影)
サンバカーニバルといえば、羽飾りの女性ダンサーだ。
彼女からは、かなりのオーラがでていて、とってもカッコよかった。
この写真は、今日撮った写真の中でも我ながら上出来だと思っているものだ。
羽飾りのダンサーがやってくると、男性観客達が一斉にシャッターを切り始める。
かなり上等のカメラでプロのカメラマンと思しき輩も大勢いる。
それ以外にも、必死にシャッターを切るオヤジの数もこれまた半端ではない。
この情景には、中年オヤジ達のややスケベ根性丸出しといった感を禁じ得ない。
・・・私も、その中の1人であることに間違いはないが・・・
ディズニーのパレードみたい(父の肩にまたがった娘の撮影)
父に肩車してもらっている娘は、見晴らしもよく、パレード見物にはご満悦だ。
時折、スゴイとかキレイとか歓声をあげては、父からデジカメを奪う。
気に入った被写体を見つけたら、自らシャッターを切る。
ただし、関心の向きは、やや父とは異なっているようである。
バイキングをイメージした女性達の踊り(父の撮影)
パレードに参加しているチームは、それぞれに一つのテーマで衣装や踊りを披露する。
このチームは、北欧の海賊“バイキング”をテーマにしているようである。
パレードは、実は出場チーム毎に採点をするコンテストにもなっていて、その意味で、
単に踊りを楽しむだけでなく、各チームとも上位に入賞するという一つの目標もある。
テーマの選定、衣装デザインや踊りの振り付け等々、全てが評価の対象なので、
ハレの日の今日を迎えるまでの練習にも相当熱が入っているそうだ。
観客に歌いかける女性ダンサー(父の撮影)
パレードは、単に出場チームが自己満足的に歌い踊っているだけではない。
多くのダンサー達が、観客に歌いかけ、声をかけ、一緒に楽しもうと誘いかける。
リオのカーニバルは、勿論、パレードに出演する側とそれを見物する側がいるが、
映像や写真では、一緒に歌い踊り、共に楽しんでいる様子が伝えられる。
今日の観客は、それに較べるとずいぶんと大人しいが、まあ、それが日本なのだろう。
私も、娘と一緒に見物している手前、あまり馬鹿なことはできないのだが、
できることなら、ビールでのどを潤しながら一緒に踊り渡り歩きたい気分だ。
一糸乱れぬサンバのリズム(父の肩にまたがった娘の撮影)
どこの出場チームにも、サンバのリズムを連打するパーカッション隊がいる。
みな大声で歌いながら、ノリのよいリズムでこのカーニバルを盛り上げている。
小学校で和太鼓クラブに所属する娘は、このパーカッション隊が気に入ったようだ。
小さな子供達も頑張って参加(父の肩にまたがった娘の撮影)
出場チームには、多くの子供達も参加している。
小さな子供の中には、途中でつかれて大人におんぶされたり眠ってしまう子もいる。
彼らが、将来、このパレードを引き継いでいく大人に成長するのだろうか。
微笑ましい姿だ。
アマゾンのジャングルをイメージした山車(父の肩にまたがった娘の撮影)
大がかりな山車も我々の目を楽しませてくれた。
様々な山車の中で、私と娘が一番印象に残ったと意見が一致したのがこれ。
さて、パレードは途中から見物し、最後まで観ることなく途中で帰ることにしたが、
ずっと娘を肩車して4時間。
出場チームが途切れた際に、途中、何度か降ろしては一休みしたが、
さすがに小学5年生ともなると、それなりの体重なので決して楽ではない。
今はちょっと肩が疲れて、やや凝った感じがする程度だが、明日、明後日になると、
これがかなり痛んでくるのではないか。
・・・今晩は、サロンパスを貼って寝よう・・・
娘は、「来年も観に来よう。」と楽しそうに言うが、
それならば、来年はのんびり座って見物できるよう、早くから我が家を出発し、
パレード開始前の早い時間に場所も確保しておかんとな。
最前列でこのパレードを見物できたら、その熱気も直に伝わってくるやもしれん。
初めての浅草サンバカーニバル。
肩車の疲れはあったが、ノリの良い元気なパレードは、とても楽しかった。
本場リオのカーニバルも、現地で観てみたいものだと思った。
でも、私は、どちらかというと自分も一緒に踊りたいほうだな。
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