G-HORIKAWAの想い

日々の想いを書き連ねていきます。

国保の「世帯」再々考

2008年03月27日 | 仕事
国民健康保険の「世帯」について、改めて検討してみました。

<事例>
国保加入の世帯主が後期高齢者医療保険制度に移行し、その配偶者が75歳未満で京都市国保に残留する場合

3月16日のブログにも書きましたが、国保には『2種類』の取扱があります。
これにより、いくつかの問題が起こるのではないかと危惧しています。

①後期高齢者医療保険に移行した世帯主を「擬制世帯主」とする取扱

②残された配偶者を「国保の世帯主」とする取扱

京都市の担当者の話では、世帯主が他の医療保険に加入した場合、その世帯主は「擬制世帯主」として処理されるとのことです。今回の事例では①の取扱が原則的に適用される。

しかし、健保・共済や国保組合等市町村国保以外から加入申請があると、通常②の取扱をされるそうです。

ここで問題は、①と②では大きな違いがあるということ。
以下、具体的に記述します。


【①後期高齢者医療保険に移行した世帯主を「擬制世帯主」とする取扱】
保険料の算定:所得割は、残された配偶者の所得で計算
          均等割は、全額負担
          平等割は、5割減額・・・注記②を適用

減免基準の適用:移行前の「2人世帯」の場合なら減免を受けられる場合の特例
            ・・・注記①を適用

保険料の納付:擬制世帯主、普通徴収(納付書または口座振替)

自己負担割合(1・3割)の判定:擬制世帯主の収入・所得を含める

上限の適用区分等の判定:擬制世帯主の所得・課税(非課税)関係を含る


「擬制世帯主」を選択した場合、国保に適用される「配慮」措置(注記①②)は受けられるが、擬制世帯主の収入・所得が多いと「減免基準」や「自己負担割合」「上限適用」等で不利益を受けることがある。夫婦ともに低所得者で非課税世帯の場合は、影響はないと思われます。


注記)市町村国保から移行する場合に、国保に適用される「配慮」措置
①低所得世帯に対する軽減の「配慮」措置・・・例)夫が後期高齢者に移行、妻の国保料の減免を適用する時に「2名世帯」として所得を合算し適用する
②世帯割の保険料の軽減・・・例)夫が後期高齢者に移行、妻のみの「単身世帯」となる者については、世帯割を半額に減額する



【②残された配偶者を「国保の世帯主」とする取扱】

保険料の算定:所得割は、残された配偶者の所得で計算
          均等割は、全額負担
          平等割は、全額負担・・・注記②の適用適用はない

減免基準の適用:残された配偶者の所得で計算
            ・・・注記①の適用はない

保険料の納付:残された配偶者、特別徴収

自己負担割合(1・3割)の判定:残された配偶者の収入・所得のみ

上限の適用区分等の判定:残された配偶者の所得・課税(非課税)関係のみ


配偶者の所得・課税状況のみで算定されることから本人が低所得者で非課税の場合は、こちらの方が何かと有利になる場合がある。特に、後期高齢者医療保険に移行した方が収入・所得が大きく課税世帯であった場合は、②の取扱が有利となります。

但し、②の取扱を受ける場合は、国保の世帯主の変更届を提出しない限り、役所が善意でやってくれるということはない。また、こちらから申し出がないとそのような取扱があることも教えてくれない。




<京都市国保加入世帯⇒世帯主が後期高齢者医療保険へ移行> 
 原則「擬制世帯主」を適用する(世帯主の変更届がない場合)
 世帯主が「健康保険」に加入した場合も同様の取扱がされてきた

⇒単身世帯になった場合の「平等割の保険料の軽減(5割)」は受けられる

⇒擬制世帯主とされた方の所得が大きいときは、その所得も合算して減免基準等を判定することに なるので、国保の「世帯主」の変更届が必要
  (この場合は「平等割の保険料の軽減(5割)」は受けられない)


<健康保険加入世帯⇒世帯主が後期高齢者医療保険へ移行>
 通常「国保の世帯主」で加入手続きをする

⇒健保の被扶養者であった者の軽減措置が適用される
   所得割は、全額免除
   均等割(人数割)は、半額免除、
   平等割(世帯割)は、単身世帯になる場合は半額免除


<国保組合加入世帯⇒世帯主が後期高齢者医療保険へ移行>
 通常「国保の世帯主」で加入手続きをする
 (新規に京都市国保に加入される場合は、通常「擬制世帯主」の取扱はしない)

⇒単身世帯になった場合の「平等割の保険料の軽減(5割)」は受けられない

結果的に、国保組合の組合員・従業員の世帯の場合は、市町村国保や健康保険の世帯のような保険料の減額措置は一切ない。通常の減免基準が適用されるのみである。何故なんでしょう?

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