●panari-1
案内されて向かった石垣港の停泊所に
「パナリエキスプレス」と掛れた大型のシーバスが停まっていた。
パナリエキスプレス。
その舟はなんだか秋刀魚のような舟だった。
っていうか観光バスがそのまんま舟になったような感じなんだけれど
波間を高速でかっとんでゆく様はまるで
この船はもしかして秋刀魚なんじゃないか?って思えるような
勇ましくがんがん船底を鳴らしながら疾走する様は
まさしく秋刀魚かもしれないと思ってた。
高速で疾走するので
柔らかな水面もまるで荒れた道路のように
がつん!がつん!と衝撃がすごいし五月蝿い!
普段海の見えない丘かっぱな僕たちは
海上交通に普段遭遇しないので
交通手段の「船」はなんだか不思議なかんじである。
どれくらい走ったんだろうか?
太陽を左から右にみたり背中に見たりして
西表島を舐めたような気はしていたが
流石に海の上では方向感覚を失ってしまった。
いつのまにか
小さな桟橋のある島に着いた。
おおっ!憧れのパナリ島だ。
向い側にも島があり
たぶん…あれが下地島だったか上地島だったか
パナリはたしかふたつの島からなり
むかしは沢山の人々が住んでいたが
いつのまにか片方にわずかに人がいるだけらしい。
年に一度か旧島民が集まってするパナリの祭りは
門外不出の謎の祭りらしい…と
前にTVで伝えてたっけ。
向いの島はたしか無人と聞いている。
僕らが上陸した島は島全体が牧場の島で
沢山の牛が放牧されている。
またパナリは人魚伝説の島としても有名らしいし
貝を材料にした陶器のパナリ焼きでも有名らしい。
●panari-2
とにかく快晴。
静かで
海も空も美しい。
遥か彼方は西表島だろうか
島並みがハーフトーンで霞んでみえてる。
絵はがきの風景が
目の前に当たり前にあるのが
なんとも不思議であり可笑しな感じだ。
船を降りた僕らは桟橋を渡って少し島にはいったところにある
バーベキューハウスにゆきここで着替えシュノーケリングのセットを借りる。
たしか此の時のツアー客は10人くらいだったと記憶してる。
最初はビーチの近くでシュノーケリングを楽しんでたが
しばらくして
魚の餌付けにいくという。
ビーチから海へ100mほど離れたところに其の場所はあって
そこまで何回かにわけてゴムボートでつれてってくれる。
ボートを離れて
焦る。
足がつかない。
ゴーグルで海の中をみると
海底は遥か下で10mはあるんじゃないかっていう深さだ。
しかも
まじりっけなく透明である。
珊瑚の畑が果てしなく続いていて
色とりどりの南の魚達が無数に泳いでる。
す…すごい…
ことばを失う…とは…まさにこのことだろう。
感動だ!
♪鯛や平目の舞踊り…
ではないが
なんだか竜宮城が実在するような気がするから不思議だ。
はじめての海外のROTA島のテテトビーチで
友達が言った言葉を思い出した。
「いや…もっと綺麗な海が日本にありますよ」って。
「え?おいおい!ここはグアムだよ!これ以上綺麗な海が日本にあるんだって?」
「ええ…ありますとも。日本のもっと南。沖縄より更に南にパナリ島があるんです。」
「パ…パナリ?」
それから僕は気になって気になって
こんど沖縄いく機会があれば
ぜったい言ってみようと思ってた。
そして
今…僕らはパナリにいる。
グアムほど強烈では無い陽射しだが
やはり南の陽射しは強烈だ。
南国の植物が溢れる島と
珊瑚の白いビーチにエメラルドグリーンの独特の海がひろがってる。
空と海が溶け合うところ……。
しかしながら
あくまで静かに…静かに
波の音だけが終わる事なく空に木霊してる。
黙ってたら沈んでしまうので
教えてもらったように海に立って
足ヒレを前後にゆっくりと動かせば沈むことはない。
いわゆる立ち泳ぎだ。
それでも
姫や女の子達は馴れない泳ぎに戸惑い
臨時用の浮き袋につかまってしまう。
僕は仰向けになり寝た状態の「浮き」で
なんとか疲労とスタミナのコントロールをした。
海と言うのは夢中になって知らず知らずに余計な運動をしてしまい
大体があとで疲労困憊になるのだ。
しばらくすると
スタッフの人がツアー客に餌をわけてゆく。
それが何だったのかは記憶に乏しいが
なんか白いパンのようなものだった気がする。
水中に身を沈め
ゆっくり立ち泳ぎで餌をかざすと
あっというまに魚達に囲まれて手が見えなくなった。
まわりの他のメンバーを見ても同じ状態だった。
面白いし
可愛いし…何度もゴーグルに突進してくる輩もいたりして
なんだかくすぐったいような不思議な感じだ。
いままで魚がこんなに可愛い!って思ったことなんてなかった。
クマノミからはじまって
僕にはとんと名前のしらない色とりどりの魚の饗宴は
手許の餌が無くなったと同時に終りをつげる^^。
●panari-3
ランチは来たとき着替えたバーベキューハウスにゆき
ステーキランチだった。食事はまあまあ。
バーベキューハウスのまわりは殆ど熱帯植物に囲まれているが
南側の庭先に咲いてたプルメリアの美しさとあま~い香りが忘れられない。
姫とふたりで食後に軽く島を散歩してみた。
バーベキューハウスの近くには普通の民家が2~3件だけあって
おじいさんが落ち葉の掃除をしてた。
「こんちわ~^^」
「こんにちわ」
「沖縄のほうでも紅葉ってあるんですね」
「え?紅葉?そんなものないよ!」
「え?だって…この落ち葉とか周りが茶色に染まってますけど?」
「あ~あ。ははは。これは3日前に颱風がきたからだよ。」
「颱風?」
「颱風の強風で海の塩水が植物に吹付けたから塩分で枯れたんだ。
一週間もすりゃあ元の緑にもどるんだよ」
「へぇ~!!そうなんですかぁ~」
とふたりで納得して茶色の景色を改めて見渡す。
このおじさんちの家はいいなあ…って思った。
こんなジャングルに囲まれたような波の音が聞こえる島の家なんてあこがれである。
…いいなあ。
牧場はことのほか広かった。
一番奥に展望台があったがそこまでいくと時間がなくなりそうなので止めた。
のんびりした牧草地に真っ黒な牛がのんびり草を食べている。
え?
ほんとうに
ここは沖縄なの?
北海道じゃね?
なんだか不思議な感じだった。
島には先程の民家と
牧場のスタッフの宿舎しかない。
いわゆる観光客が泊まる施設はないのだ。
(※このあと簡易の宿泊施設が出来たと風の噂に聞いたが…どうだろう?)
ランチ休憩を終えた僕らは。
再びビーチに向かった。
アトラクションに
バナナボートや水上バイクがあったが
僕と姫はシュノーケリングのほうが楽しいので
そっちを専門に海を楽しんだ。
●panari-4
そっか…
グアムと基本的に違う事を思い出した。
グアムがコバルト・ブルーな海の色なのに対し
琉球の海は独特なエメラルド・グリーンなのだと。
楽しい時間はあっというまに過ぎ
帰途。
帰りの秋刀魚船…じゃなかったパナリエキスプレスは
あれほどがんがん!言ってた船底の激しい振動も
いつしか子守唄に変わって
ツアー客の殆どははしゃぎ過ぎて石垣港までぐっすりである。
案内されて向かった石垣港の停泊所に
「パナリエキスプレス」と掛れた大型のシーバスが停まっていた。
パナリエキスプレス。
その舟はなんだか秋刀魚のような舟だった。
っていうか観光バスがそのまんま舟になったような感じなんだけれど
波間を高速でかっとんでゆく様はまるで
この船はもしかして秋刀魚なんじゃないか?って思えるような
勇ましくがんがん船底を鳴らしながら疾走する様は
まさしく秋刀魚かもしれないと思ってた。
高速で疾走するので
柔らかな水面もまるで荒れた道路のように
がつん!がつん!と衝撃がすごいし五月蝿い!
普段海の見えない丘かっぱな僕たちは
海上交通に普段遭遇しないので
交通手段の「船」はなんだか不思議なかんじである。
どれくらい走ったんだろうか?
太陽を左から右にみたり背中に見たりして
西表島を舐めたような気はしていたが
流石に海の上では方向感覚を失ってしまった。
いつのまにか
小さな桟橋のある島に着いた。
おおっ!憧れのパナリ島だ。
向い側にも島があり
たぶん…あれが下地島だったか上地島だったか
パナリはたしかふたつの島からなり
むかしは沢山の人々が住んでいたが
いつのまにか片方にわずかに人がいるだけらしい。
年に一度か旧島民が集まってするパナリの祭りは
門外不出の謎の祭りらしい…と
前にTVで伝えてたっけ。
向いの島はたしか無人と聞いている。
僕らが上陸した島は島全体が牧場の島で
沢山の牛が放牧されている。
またパナリは人魚伝説の島としても有名らしいし
貝を材料にした陶器のパナリ焼きでも有名らしい。
●panari-2
とにかく快晴。
静かで
海も空も美しい。
遥か彼方は西表島だろうか
島並みがハーフトーンで霞んでみえてる。
絵はがきの風景が
目の前に当たり前にあるのが
なんとも不思議であり可笑しな感じだ。
船を降りた僕らは桟橋を渡って少し島にはいったところにある
バーベキューハウスにゆきここで着替えシュノーケリングのセットを借りる。
たしか此の時のツアー客は10人くらいだったと記憶してる。
最初はビーチの近くでシュノーケリングを楽しんでたが
しばらくして
魚の餌付けにいくという。
ビーチから海へ100mほど離れたところに其の場所はあって
そこまで何回かにわけてゴムボートでつれてってくれる。
ボートを離れて
焦る。
足がつかない。
ゴーグルで海の中をみると
海底は遥か下で10mはあるんじゃないかっていう深さだ。
しかも
まじりっけなく透明である。
珊瑚の畑が果てしなく続いていて
色とりどりの南の魚達が無数に泳いでる。
す…すごい…
ことばを失う…とは…まさにこのことだろう。
感動だ!
♪鯛や平目の舞踊り…
ではないが
なんだか竜宮城が実在するような気がするから不思議だ。
はじめての海外のROTA島のテテトビーチで
友達が言った言葉を思い出した。
「いや…もっと綺麗な海が日本にありますよ」って。
「え?おいおい!ここはグアムだよ!これ以上綺麗な海が日本にあるんだって?」
「ええ…ありますとも。日本のもっと南。沖縄より更に南にパナリ島があるんです。」
「パ…パナリ?」
それから僕は気になって気になって
こんど沖縄いく機会があれば
ぜったい言ってみようと思ってた。
そして
今…僕らはパナリにいる。
グアムほど強烈では無い陽射しだが
やはり南の陽射しは強烈だ。
南国の植物が溢れる島と
珊瑚の白いビーチにエメラルドグリーンの独特の海がひろがってる。
空と海が溶け合うところ……。
しかしながら
あくまで静かに…静かに
波の音だけが終わる事なく空に木霊してる。
黙ってたら沈んでしまうので
教えてもらったように海に立って
足ヒレを前後にゆっくりと動かせば沈むことはない。
いわゆる立ち泳ぎだ。
それでも
姫や女の子達は馴れない泳ぎに戸惑い
臨時用の浮き袋につかまってしまう。
僕は仰向けになり寝た状態の「浮き」で
なんとか疲労とスタミナのコントロールをした。
海と言うのは夢中になって知らず知らずに余計な運動をしてしまい
大体があとで疲労困憊になるのだ。
しばらくすると
スタッフの人がツアー客に餌をわけてゆく。
それが何だったのかは記憶に乏しいが
なんか白いパンのようなものだった気がする。
水中に身を沈め
ゆっくり立ち泳ぎで餌をかざすと
あっというまに魚達に囲まれて手が見えなくなった。
まわりの他のメンバーを見ても同じ状態だった。
面白いし
可愛いし…何度もゴーグルに突進してくる輩もいたりして
なんだかくすぐったいような不思議な感じだ。
いままで魚がこんなに可愛い!って思ったことなんてなかった。
クマノミからはじまって
僕にはとんと名前のしらない色とりどりの魚の饗宴は
手許の餌が無くなったと同時に終りをつげる^^。
●panari-3
ランチは来たとき着替えたバーベキューハウスにゆき
ステーキランチだった。食事はまあまあ。
バーベキューハウスのまわりは殆ど熱帯植物に囲まれているが
南側の庭先に咲いてたプルメリアの美しさとあま~い香りが忘れられない。
姫とふたりで食後に軽く島を散歩してみた。
バーベキューハウスの近くには普通の民家が2~3件だけあって
おじいさんが落ち葉の掃除をしてた。
「こんちわ~^^」
「こんにちわ」
「沖縄のほうでも紅葉ってあるんですね」
「え?紅葉?そんなものないよ!」
「え?だって…この落ち葉とか周りが茶色に染まってますけど?」
「あ~あ。ははは。これは3日前に颱風がきたからだよ。」
「颱風?」
「颱風の強風で海の塩水が植物に吹付けたから塩分で枯れたんだ。
一週間もすりゃあ元の緑にもどるんだよ」
「へぇ~!!そうなんですかぁ~」
とふたりで納得して茶色の景色を改めて見渡す。
このおじさんちの家はいいなあ…って思った。
こんなジャングルに囲まれたような波の音が聞こえる島の家なんてあこがれである。
…いいなあ。
牧場はことのほか広かった。
一番奥に展望台があったがそこまでいくと時間がなくなりそうなので止めた。
のんびりした牧草地に真っ黒な牛がのんびり草を食べている。
え?
ほんとうに
ここは沖縄なの?
北海道じゃね?
なんだか不思議な感じだった。
島には先程の民家と
牧場のスタッフの宿舎しかない。
いわゆる観光客が泊まる施設はないのだ。
(※このあと簡易の宿泊施設が出来たと風の噂に聞いたが…どうだろう?)
ランチ休憩を終えた僕らは。
再びビーチに向かった。
アトラクションに
バナナボートや水上バイクがあったが
僕と姫はシュノーケリングのほうが楽しいので
そっちを専門に海を楽しんだ。
●panari-4
そっか…
グアムと基本的に違う事を思い出した。
グアムがコバルト・ブルーな海の色なのに対し
琉球の海は独特なエメラルド・グリーンなのだと。
楽しい時間はあっというまに過ぎ
帰途。
帰りの秋刀魚船…じゃなかったパナリエキスプレスは
あれほどがんがん!言ってた船底の激しい振動も
いつしか子守唄に変わって
ツアー客の殆どははしゃぎ過ぎて石垣港までぐっすりである。