呑兵衛風来堂

tannaru Nondakure-jan

誰よりもつよく抱きしめて

2008-11-22 08:56:00 | Weblog

「誰よりもつよく抱きしめて」
新堂冬樹・光文社文庫


父から受け継いだ児童書専門の書店「夢の扉」を経営する店主の水島月菜。
そして家には店で知り合った絵本作家で夫の良城がいる。
結婚して7年。二人暮らしで子供はいない。
三十路の坂を登りはじめていた。

この間夫婦の営みをしなくなっていた。
つまりセックスレスになってしまったのだ。
あることを境に夫が不潔潔癖性になってしまい、それは日々エスカレートして。
そしてついには妻に触れることさえできなくなっていた。
それでも夫は妻に優しく、月菜も夫を愛していた。
しかし、どこか寂しい思いに成る自分に気づく月菜。

そんなある日若い客が夫の書いた童話に感激し買って帰るが
店に携帯を忘れてしまう。しばらくすると携帯が鳴る。
悩んだあげく持ち主の青年かもしれないと月菜は電話に出る。
しかし相手は女性で、無言でいる月菜に別れの言葉らしいことを告げる。
携帯に出たことを後悔した月菜だが、やがて持ち主の青年から電話があり
そして書店に携帯を引き取りにきた青年は「克麻」と名乗り
お礼に近くでワインでも…と月菜を誘う。
迷ったが少しだけ…という約束で月菜は彼についてゆく。

小さな誤解から誤解が生まれ夫婦関係がぎくしゃくしてくる
不潔潔癖性の夫、と三十路の坂を上り始めた妻に若い男。
夫のカウンセリング仲間の若い女性…新しい出会いと離婚?
夫が書いた童話絵本「空を知らないモジャ」が物語の随所に絡んで
最後は大切なキーワードになってゆく。

〈読み終えて〉
前川酒はまだ届かない……
しかも場つなぎに買った「TENGU」もまもなく新宿というところで
そのTENGUも読み終わってしまった
家に帰ったらAmazonに注文した前川酒が届いてるかな?
たしか納品はもうちょい先だった気がした。
……うう!乱読中毒の症状!
我慢とうとうできなくなって
帰りがけ新宿駅構内の小さな本屋に速攻IN!
買ったのが本書である。
しかも今回も衝動&表紙買いなんである。
ハーフダークピンクの表紙イラストはモノクロ4色のようで
どこか渋い色気と初々しさも感じる。
著者:新堂冬樹氏の写真はたしか夕刊でみた記憶がある。

そうだ!
日刊ゲンダイに新連載する前のインタビューが載ってたんだった。
頭を茶髪にして、どこか年配のホストみたいにみえて
僕はあんまり好きになれなかった。
読み始めは、そんなイメージがあったせいか
なんだか男が女のふり、つまりネカマが書いた小説のような気がして
いまいちだったが…いつのまにか物語に引き込まれてしまってた。
最初はハイテンポで雑な進行だと思ったが
途中からいいかんじのペースになっていた気がする。
でも…どうしても映画を見てるような感じではなく、
どうしてもTVドラマを見てる感はゆがめなかった。

読み始めて夫の○○は劇団ひとりの顔になり最後まで彼のイメージだった。
妻は微妙で菅野美穂の顔が浮かんだ。
そして若い男は成宮になって離れない。
セックスレス…というところはどきん!とするくらい
我が家を映す鏡かな?と
酒で言えば
甘酒を飲んでたのに
いつのまにか濁り酒になり、やがてどぶろくにかわり
そして心地よい韓国のマッコリになり、最後はやっぱり
ふたりで2杯目の甘酒を飲み始めた…って感じかな。
うむ。
なかなかおいしい酒でしたね。

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