恐怖のメロディ
cast >> Clint Eastwood, Jessica Walter, Donna Milles, John Larch, Don Siegel, Jack Ging, Irene Hervey, James McEachin, Claris Taylor, Duke Everts, Marvin W. Frates, Tim Frawley ...
director >> Clint Eastwood(102min)
【Misty(ミスティ)】… 1954年、エロール・ガーナー(← ジャズ・ピアニスト)のバラード曲
クリント・イーストウッドの記念すべき "初"監督作品にして、処女作とは思えない手腕と完成度をみせたサスペンス ーーー。
まだ "ストーカー" という言葉さえ存在しなかった当時、"異常な嫉妬深さ" や "常軌を逸した行動" で追い詰められ、静かに "恐怖" が張り詰めていく様子をシンプルな演出で描いた "先見の明" を感じずにはいられない作品。ジョー・ヘイムズの原作をディーン・リーズナー( "Dirty Harry" ← 脚本)とヘイムズ自身が脚色。イーストウッドの "師" であり、同年に "Dirty Harry" を世に送り出したドン・シーゲル監督が、彼の処女作を記念して "バーテンダー役" で友情出演している。
カリフォルニア、モントレー半島の地方局KRMLラジオで、"詩と音楽" で綴る番組のDJを務めるデイヴ・ガーランド(C・イーストウッド filmography )は、地元の有名人で女に困らないモテ男。彼にはトビー(ドナ・ミルズ)という恋人がいるが、ある日デイヴの前から姿を消した ーーー。
時を同じくして、毎晩決まった時間に "Play Misty for me.(ミスティをかけて)" と同じ曲をリクエストしてくる謎の女性が現れる。やがて事務所代わりに出入りしているバーでデイヴを待ち伏せていた女、イヴリン(ジェシカ・ウォルター)がリクエストの主だと知り、彼女に誘われるまま一夜を共にする。しかし面倒のない "一夜限りの関係" で了解済みだったハズのイヴリンは、その晩以来、勝手に彼の部屋に押しかけて来るようになり、"異常な嫉妬深さ" と "常軌を逸した行動" を目の当たりにしたデイヴは、彼女を振り払ったものの、その日からイヴリンの執拗で血の凍るような "報復" が始まった・・・・・。
マッカラム巡査部長をジョン・ラーチ( "Dirty Harry" ← 署長役でイーストウッドと共演)、デイヴに新しい企画を持ち込むサンフランシスコ放送会社の女社長マッジをアイリーン・ハーヴェイ( "Cuctus Flower" )、KRMLラジオのDJでデイヴの相棒アルをジェームズ・マクイーチン( "Every Which Way But Loose" ← イーストウッドと共演 "2010" )、デイヴの家政婦バーディをクラリス・テイラー。
ちなみに劇中、デイヴとトビーのラヴ・シーンで流れるのは、ロバータ・フラックの "The First Time Ever I Saw Your Face(愛は面影の中に)" ーーー。
このイヴリンという女の、とんでもない "思い込み" や "しつこさ" といったら、観ているだけでもストレスが溜まって精神的にヤラれます(吐)。イヴリンに嫌悪せずにはいられないほど、J・ウォルターの演技は見事(秀逸)。同じく狂気の "ストーカー" をテーマに16年後に製作されたのが、"Fatal Attraction(危険な情事)"。こちらの方が知名度はあるでしょうが、私はいかにも危険な断崖絶壁の土地柄や、'70年代のファブリック(← インテリア+ファッション)が楽しめる点、そしてなんといってもイーストウッド処女作ということで、こちらがお気に入りです。
ところで、今日『5月31日』はイーストウッドの "80th Birthday"(← 私と同じ "双子座"・笑)ーーー「80歳」ですよ!(驚)
"死ぬまで現役" で好きなことを続けられる以上に幸せなコトはナイですから、彼にはまだまだ元気で活躍してほしいですし、自分も少しでもそういう人生に近づきたいと願うばかり・・・(祈)。
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