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"GRAN TORINO"(2008)

2009-05-14 02:13:36 | Drama

 グラン・トリノ

cast >> Clint Eastwood, Bee Vang, Ahney Her, Christopher Carley, Cory Hardrict, Brian Haley, Brian Howe, Geraldine Hughes, Dreame Walker, John Carroll Lynch, Scott Reeves, Brooke Chia Thao ...
producer / director >>Clint Eastwood(117min)
music >>Kyle Eastwood, Michael Stevens


《俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。少年は知らなかった、人生の始め方を。》
クリント・イーストウッド( filmography )監督・製作・主演で、激しくも静かに "暴力の否定" を訴えかける作品。様変わりしていく世の中を嘆き・怒り、誰にも心を開かず "孤独" に生きる "レイシスト(人種差別主義者)" の偏屈老人が、隣りに越してきた "イエロー(アジア系人種への蔑称)" と思いがけず "交流" を深めていく様を、ユーモアや皮肉を織り交ぜつつ、イーストウッド流 "男の美学" で綴った作品 ーーー。イーストウッド作品に欠かせない面々、編集はジョエル・コックス、指揮・編曲はレニー・ニーハウス、音楽は息子のカイル・イーストウッド( "HONKYTONK MAN" )など。原案・脚本は本作が映画デビューのニック・シェイク。キャストに無名の新人を起用、エンディングで流れる「テーマ曲」はイーストウッド自身が手がけ、唄っている。

Gran Torino (Clint's Last Acting Role)


長年、一筋に務めた "Ford(フォード)" を退職後、妻に先立たれ、息子や孫たちも寄り付こうとしない、頑固で孤独な一人暮らしの老人ウォルト・コワルスキー(C・イーストウッド)。彼の暮らす住宅街からは昔馴染みが消え、朝鮮戦争帰還兵の彼が忌み嫌うアジア人をはじめ、外国人で溢れる通りを目にしては苦虫を噛み潰し、亡き妻に頼まれたと、しつこく "懺悔" を勧めてくる若造のヤノビッチ神父(クリストファー・カーリー  "Lions For Lambs" )にも悪態をついては追い返す始末。唯一心を許せるのは、愛犬のデイジーだけ。そして、かつてフォード社の自動車工だった彼の "宝" は、ガレージに姿を潜めた '72年型の愛車〈グラン・トリノ〉ーーー。
自宅を修繕し、庭の手入れをし、ビールを飲み、月に一度床屋へ行くという繰り返しで、"お迎え" が来るのをただじっと待つだけの退屈な余生を送っていたある日、隣りに引っ越してきたのは東洋からやって来た "モン族" の一家。その息子で気の弱い少年タオ(ビー・ヴァン)は、不良グループの従兄にけしかけられて〈グラン・トリノ〉を盗もうとしたが失敗。それが "きっかけ" でウォルトと出逢うことに。しっかり者で人懐っこいタオの姉、スー(アーニー・ハー)とも次第に親しくなり、孤独だったウォルトの生活に "潤い" が生まれ始める。学校も行かず仕事もなく、父親のいないタオ。やがて、祖父と孫ほど年齢の違う "ふたり" は心を通いあわせていく・・・・・。

ウォルトの息子ミッチをブライアン・ヘイリー、スティーヴをブライアン・ホウ( "The Pursuit Of Happyness" )、床屋の主をジョン・キャロル・リンチ( "ZODIAC" "Things We Lost In The Fire" )、スーの頼りない白人の恋人をスコット・リーヴス(← こちらもイーストウッドの息子  "Flags Of Our Fathers" )。

「イーストウッド史上 No.1の最高興収」とか、そんなコトはどうでもイイ。彼の作品が好きな人は、物語が進むうちに "ラスト" の "予測" は立ちます。それが「映画史上、最も優しい衝撃のラスト」かどうかは各々の感じ方次第でしょうが、とにかく "秀逸" な作品であることに間違いない。期待を裏切ることなく、かつ観客に媚びることもなく、本作がイーストウッドの "最後の出演作" になったとしても "悔いの残らない" 一本でしょう。「78歳」の主演作 ーーー 今後は監督業に専念するとのことですが、ぜひ生涯 "現役" を貫き通してほしいし、コレは間違いなく私のコレクションに加わる作品です。

>>  Drama - filmography(ドラマ  映画作品一覧)(A-L)

 


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