何もなかったことに

少し前に書いたＡ先生のことですが
今日、講師（若い女性）との雑談中に、Ａ先生の話になりました。

その講師はＡ先生のことが好きなようで
Ａ先生のことをすごく褒めていました。
以前、プライベートのことで相談にのってもらったようです。
とても信頼できる人だとのことでした。

そして、
「Ａ先生は愛妻家。絶対に浮気はしないと思う」
と、力をこめて言っていました。

なぜだろう・・・。
その言葉を聞いたとき、胸がギュッと掴まれるような思いでした。

Ａ先生は、今ではもう普通に笑顔で接してくれるし
私も、何もなかったように、普通に話はしています。

でも、本当は、強い力でねじ伏せてしまった気持ちがあるんです。
深く、深く、自分でも意識できないところまで。

Ａ先生は、表面上はおちゃらけていて、自分を隠しているけれど、
本当は人のことをよく観察している。
そして、人を思いやることのできる、優しい人。

私もすぐに分かったよ。
だから、もっと知りたいと思った。
親しくなりたいと思ったけど、避けられてしまった。

愛妻家。
とてもいいことだと思うけれど、
固く扉が閉ざされているような気持ちになってしまう。

そして、なぜか、傷付いてしまった。

長い人生、夫以外の男性に、心惹かれることもあるよね。
そのたびに、気持ちを押し殺していくことになるんだろうか。

何もなかったことに。
葬られた気持ちは、どこに積もっていくんだろう。