ブラジルの車メーカーのシェアを整理してみよう。表はブラジルの乗用車の登録台数ベースのシェア（今年の1月から10月15日までの累積）である。
くっきりと日本車の苦戦が見てとれる。米国、ヨーロッパ勢に圧倒的な差をつけられている上に韓国、中国の追い上げにあっている。この表にでていないが、国内に工場をもっていないにもかかわらず、中国車は安徽江淮汽車、奇瑞汽車、力帆集団を合わせて1.85％になるという（フィナンシャル・タイムズ／日経）。また韓国車とくに現代自動車は大量の広告出稿を続けて、トヨタとポジションを逆転させている。
トヨタはソロカバに新工場を建設中で、また日産もクリチーバ工場の拡張とリオデジャネイロ州のレゼンデでの新工場を発表したが、現代自動車もサンパウロ州内陸部のピラシカーバに建設中だ。巻き返しは簡単でないかもしれない。
中国車の動きは上記のフィナンシャル・タイムズの記事に詳しいが、フォーリャ印刷版（10月29日付）の社長のインタビューによると、安徽江淮汽車は「新中産階級」に的を絞ったマーケティングをしていて、北部、東北部での販売店設置を計画している。来年に設置予定の50軒のほとんどが同地域だとのこと。また輸入車を標的にしたIPI（工業税）アップ政策を受けてブラジル生産の開始を2013年に前倒しにするという。