おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。12月10日水曜日、今朝7時の東京・小平はくもり、気温は11℃です。
今日は、ラーメン界の有名店「中華そば青葉」を例に、飲食店における「顧客の感動」について考えます。また、そのもろさについても考えてみます。
当時の都内ラーメン店の中でも、まさに旬を迎えた最も有名な店の一つであった「中華そば青葉」は、東京・中野が本店です。味の特徴は、豚骨と魚介系ダブルスープです。ダブルスープはいまでこそ当たり前ですが、これを広めたのが「中華そば青葉」なのです。
私が外食産業にいた2000年秋、自分が関わった店の新規開店と前後して、自分の店と同じ東京・飯田橋に「中華そば青葉」2号店が開店しました。
近くに有名店の支店ができたということで、早速食べに行きました。
まず「中華そば青葉」と書かれた白いのれんをくぐる前から、魚介系香りが店外にもれており食欲を大変そそられます。のれんをくぐると、店長らしき人の目がよく利いており、対応は速く的確です。
店内には、他に2名の中国の方らしい女性従業員がおり、店長の下、接客その他を分担してこなしています。
店長の動作は、無駄が無く、チャーシューをそのたびに切り分けるなどのこだわりを守り、一回に数食づつ作るパターン化された着実で無駄のないペースで、一人でオーダーをこなしていきます。一つ一つ丁寧に商品を作るその姿勢に期待が高まります。
中華そばは、丁寧にトッピングがなされており、私はおいしい「ラーメンの顔」ができていると感じました。ダブルスープが滋味豊かであり、スープを飲むとそのうまみが五臓六腑に染みわたると感じました。これは、まさに感動であり、私にとって新しい味への目覚めの瞬間でした。
その感動をもう一度体験するために、何度も通ったものです。
さて、先日北千住にいく機会があり、丸井の入っているビル上階にある「中華そば青葉」北千住店で昼食を取りました。
変わらない白地に赤ののれん
あれ?のれんをくぐっても誰とも目が合いません。店内は、従業員の連携がとれておらず、客の順番を間違える、間違って作ってしまった商品を客前で捨てるなど、残念な状態でした。
特製中華そば:残念なラーメンの顔
「ラーメンの顔」もごらんのようにただ並べただけのものでした。食べ物屋にも関わらず、見た目を気にせず、トッピングが単なる作業になっています。
このようにおやおや、感動はどうなった?という有様でした。
スープは残してしまいました
外食産業(飲食業)に携わる皆さん
自明のことですが、同じレシピと同じ材料を使って調理しても、同じ感動は生まれません。顧客の感動は(1)飽きられること(2)伝え維持することの難しさの二つの点で「もろい」のです。
飽きられないためにすることは、目先を変えることではありません。することは、味のブラッシュアップです。飽きられない、感動を何度も体験したくなる味を目指して行くことです。
従業員や店舗を増やして行くと、感動を生むベースであるはずのこだわりや心意気などの「店舗の文化」が拡散します。これは、マニュアルで解決できる部分とマニュアルでは解決不能な部分があります。
作業手順や動作方法、やってはいけないことなど具体的なことは、まずマニュアルを作って明確に従業員に示して下さい。
その上で、なんでこの作業・動作をするのか、なんでこのやり方なのかを、顧客感動を手がかりに教えます。自店の特徴を説明し、「こうやってお客様に感動させる」というように、具体的な一つ一つの作業が、どのように顧客の感動につながるのかを丁寧に説明して下さい。
この努力により、いつまでも感動を求めて顧客が来店する店舗をつくることができます。
※上記店舗には11月29日午後14:00ぐらいに行き、その時の状況を元に今回の記事を書きました。
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