日立製作所中央研究所の庭園開放(一般公開)にいってきました。
国分寺駅にほど近い日立中央研究所は、東京ドーム5個分の広さを誇り、敷地内は武蔵野の雑木林が広がっています。
国分寺崖線と呼ばれる多摩川の河岸段丘の谷戸が所内に広がっており、崖下から豊かな湧き水が湧きだし、一級河川野川の源流となっています。この地域から流れ出た野川は、世田谷の等々力渓谷までの約20?をこの崖沿いに流れ、やがて多摩川に注ぎます。
この緑豊かな研究所が、年に二回だけ一般公開されています。
当日は、小雨がちらついていたにも関わらず、多くの方が来場されておりました。私も特徴的な地形や湧き水、八重桜、珍しい御衣黄(ぎょいこう)などを堪能しました。
この研究所は、周辺住民から見ると羨ましい自然空間であり、日立の合理的株主からは駅に近いまとまった土地は、売却して株主に還元出来るという意味でおそらく「現金」に見えることでしょう。そのため、この施設を維持するにあたり近隣への配慮と株主への説明が必要となるのです。
近隣への配慮の一貫として、今回のような一般公開が行われていると考えられます。
また上記リンクによると「日立中央研究所は昭和17年の設立以来、構内の自然環境の保全に取り組んでいます」とあり、日立はCSR(企業の社会的責任)や環境方針とからめて、この土地を維持することについて株主への説明を果たし、今後も維持・保存していこうという姿勢のようです。
一つの企業が、維持・発展する事によって、武蔵野の姿が守られる。これは、その企業の価値の一つであり、顧客・従業員・経営者・株主の社会貢献への喜びに直接間接につながることです。
こうした社会貢献はべつに大企業だけの話ではありません。中小企業においても、経営に活かして行くべき考え方です。日立のように大きな資産をどうこうする話だけが社会貢献ではありません。小さい企業がコストを掛けずにする社会貢献もあるのです。
たとえば、ある小規模製造業企業では企業の目的として
「社員、お客様、取引先、そして地域が当社の仕事を通して幸せになる」
とうたい、経営者がそれを社員に伝え、また自らが範を示して実践してきました。
するとやがて社員の営業活動、製造活動が顧客本位の考え方に変化し、社員が個人としても消防団などの地域活動を積極的に行うようになった、という事例があります。
本来企業とは「企業価値を高めながら永続すること」が存在する目的です。 しかし、それだけでは、顧客・従業員・経営者・株主・といったステークホルダの満足を得る事ができません。「商品を買うかいがある」「働きがいがある」「経営のしがいがある」「投資しがいがある」ことの中身には、自分の行為が社会貢献につながるという「喜び」が含まれているのです。
これは、大企業でも中小企業でも同じです。別にコストを掛ける話とは限りません。
また、経営者の方の考え方一つで、企業の内部環境を変える事が出来る機会でもあります。ぜひ、「社会貢献」に取り組んでみてはいかがでしょう。
私がお手伝いします。具体的提案については、お気軽にご相談下さい。
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