皆様、おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。3月2日月曜日、今朝0時の東京・小平はくもり、気温は5℃です。今日から北海道に行きます。
今日のブログでは、今回の旅行では最終日に観る予定がある旭川市旭山動物園の成功物語を、私なりに整理しておきます。
いまや大人気の旭山動物園は、最北の動物園にして冬期の入場者も多く、北海道の新名所になりつつあります。
旭山の成功物語の特徴は、その成功の鍵である「行動展示」のアイデアが、ボトムアップで生み出されたことです。
20年前の旭山動物園は、動物の繁殖では実績を残してはいましたが、運営母体の旭川市からは予算を削られ、市民や市役所幹部から期待されていない組織でした。入園者も減り続けていて、廃園も囁かれることがありました。
この動物園には勉強会の伝統があって、勉強会で飼育係達が知恵を出し合って、廃園の危機に際して予算がなくてもできることをいろいろと始めます。
当時飼育係長だった小菅現園長が中心となり飼育係全員を説得して、それぞれが担当の動物のミニガイドを行うようになったことが一つのターニングポイントとなります。
飼育係は、担当動物のミニガイドをすることになって、はじめて直接来園者と触れ合い、来園者が何に興味を持ち何に興味を持たないかを理解することになりました。
こうした顧客とのふれあいの中から、動物園の職員達は旭山動物園の展示についてアイデアを温めるようになっていったのです。
その後の勉強会での話し合いでは、動物園の存在意義の確認から始めて、最後は自分たちの「理想の動物園」「世界一の動物園」を自由に語り合いました。
「ペンギンが空を飛ぶ」などの飼育係達の自由な発想の動物展示アイデアをスケッチに起こしたものが有名な「十四枚のスケッチ」です。
理想の動物園を描いた「十四枚のスケッチ」は、小菅園長の時代になって、市長が代わり市の政策転換によって予算が回ってくることになったときに、役立つことになります。
小菅園長は、この「十四枚のスケッチ」をもとに、旭川市に動物園改革の提案をし、それが少しずつ実現されて、今日の旭山動物園の成功につながっています。
つまり、顧客とのふれあいのな中で飼育係達が得た「顧客に関する知識」と、彼ら飼育係達の「専門家としての知見」が「行動展示」の具体的なアイデアを生み出し、そしてそのアイデアは、園長によってボトムアップされ、具体的な施策として活かされてきたのです。
だから、旭山動物園の成功物語は、市長や市の政策、園長の方針のトップダウンで始まったわけではなく、時間をかけて考えられた飼育係達のアイデアのボトムアップから始まったと言えるのです。そして、このアイデアは動物園成功の鍵でもあったのです。
今回旭山動物園に行く際には、こうした経緯に思いをはせながら、存分に楽しみたいと思っています。
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