加東市議会議員・藤尾潔の出る杭日記

出ない杭は地面で腐食します。杭を打つ手も結構しびれているはず。
打たれないような杭では使い物になりません。

総務文教常任委員会(傍聴)

2012-04-02 08:19:11 | Weblog
30日には総務文教常任委員会があった。
①公共施設マネジメント白書について
公共施設マネジメント白書が完成した旨の説明を受けた。
本来昨年8月に完成しておくべきもので、納期に対して非常に厳しく注文をつけてきたが、それもこの白書の重要性を考えればこそのことであり、仕上がってきたものの内容については評価できると思う。コンサルに任せなかったのも良いことだと思う。

多分、市HPにも近日中にアップされると思うので、その時に細かくコメントしようと思うが、合併により存在している旧3町の施設を全部維持するのは無理だろう。
その上で、「更新時期が来たときに選別して更新する」のか、「積極的に統廃合を進める」のかは今後の加東市の大きな課題になってくるだろう。

これは公共施設に限らず全般的な行革の観点で言えることだが、財政状況がそこまで緊迫していない中での行革というのは難しいものがあると思う。


もちろん、この白書の完成はスタートなのであり、これをもとにどのように整理していくかの議論をやっていく必要がある。
議会も、理事者にの作ってきた案をあーでもない、こーでもない、と言うだけでなく、積極的に調査研究をしていく必要はあると思う。


②事業仕分けについて
・まず、事業仕分け2011のまとめの説明があった。これは予算の呈示前にするべきことだと思う。
 結果もいろいろで、話題になった木管コンクールも継続となっているが、サンサンチャレンジがリピータの有料化を図っている事については、仕分け人様の意見の方が変だとは思うが。
 私が構想日本の仕分けに対して批判的なのは、仕分けの結果に対して説明責任を負わないということだ。スパコンも成功しているようだが、その時は「我々は仕分けただけであって、予算にどう反映させるかは当局でお決めになることですのね」と逃げる一方で、「それやったらやらんでいいやろ」と言われることを予想してか、「仕分け結果と異なる措置をしたときには首長も市民に対し説明責任があります」などと言うことだ。仕分け結果に対しては説明責任を負わないが、その結果は重視されるべき、などという無責任な話が許される訳がないと思う。

 もう一点は、あまりにもムダを省く行革効果があるなどと宣伝したために、結局仕分けに乗せた時点で「我々の事業をムダやと言うわけですね」ということになってしまうため、多くの市で仕分けの担当と現場の対立を引き起こすことにもなってきた。そのため、最近では、「決して仕分けというのはムダを省くということではなしに、仕分けを通じた職員の意識改革や、説明能力の向上などを目的としています」などと取って付けたようなことを言い出している。
 では、なぜ仕分けの成果を「効果額」として測るのか。効果額を成果指標にしているということは、削減ありきでやっていますと言うことではないのか。
 意識改革や説明能力は数字では測れない・・・などと仕分け担当部に言われても困るのであって、せめて「アンケートを取って、80%の職員が仕分けを通じて意識改革が図られ、今後も是非継続して欲しいと回答しています」とかいうことにならないと事業評価上は話にならないだろう。

要するに、私なりに構想日本の事業仕分けをまとめると、ムダを削減しているように見えるイベントと言ったところだと思う。
 私が反対しているのは、行革に反対だからではなく、こういう箸にも棒にもかからないシステムに頼ることによって、改革が何も進まなくなることを心配しているからだ。そのいい例が国政であり、「仕分けの導入によりムダがどんどん省けているので、さらに仕分けを推進するべきである」などと言う意見は今となってはあまり聞かれないと思う。
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そういった意味で、変にショー化することなく、市で考えた行政評価システム(内部・外部)を構築してPDCAサイクルをまわしてほしいというのが私の思いである。

今回の委員会では、市民判定人方式の仕分けが否決されたことをうけて、今年度の改善案が示された。加東市役所としては迅速な対応だと思うし、議会での指摘事項にも一定の配慮がされていた。仕分けを実施したいという熱意は相当なものなのだろう。

①仕分け事業については、議会(委員会)で選定する
②仕分け人は構想日本から呼ぶ&公募で、昨年同様判定もする。
 無報酬の市民ボランティア(代表区長に依頼し、各小学校区2名 計18名。その他にも広く呼びかける)にも判定してもらう。
 傍聴人にも判定してもらう。
 評価結果は3通り出ることになる。
③結果を踏まえ、議会にも複数回検討状況の報告をする。予算への反映方針は2月に議会に報告すると同時に、市民ボランティアにも送る
というのが骨子だと思う。

 この内容をどうとらえるかだが、私が仕分けに反対した最大の理由は、市が23年度までで構築することとしていた行政評価システムを放り出して仕分け仕分けと言っていることなので、ここがクリアされない限りどんな方式であろうと0点をつけることになるが、一応6月議会の一般質問で副市長より「当時の企画部長の責任において、必ず9月決算時に事業の成果報告として添付いたします」という答弁があったものとして続けます。


 今年の仕分けについては、結果が反映したりしていなかったり、結局当局の恣意的な判断によるものが大きかったと思う。
 私も、木管コンクールなどでは仕分け結果のほうに否定的な意見を述べる一方で、自分が削減したほうが良いと思っている事業については、結果の忠実な反映を求めました。変に見えますが、私は今年の仕分けというものはそういうものだと思っています。(結果の正統性を裏付けることができないから。)

 しかし、今年は無報酬の市民ボランティアが判定をする。部長も「納税者の視点で見ていただいて必要かどうか判断していだく」と言っていた。
・・・そういうとらまえ方ならば、出てきた結果は相当に重いということになる。「納税者が不要」と言っているのに継続するには相当な根拠がいるだろう。

 また、今年は相当問題があったと思う結果への反映についても、予算提案前に議会に示すなど、昨年に比べれば「仕分け結果を重視し、着実に反映させる」改革案だと思う。
 普段行政になじみがないボランティアの方にそこまで責任を負わせていいのか、という議論もあるだろうが、これについては議会側で事業を選定するとのことなので、その際選定理由や論点を示しておくような方式も取れるのでないか、と思った。

 もう一点思うことは、委員会で提案されてボランティアを区長推薦のみならず広く呼びかけることとなったが、「市民の声」というからには賛同者が5人10人というのは寂しい話であり、ある意味ここでの参加人数が今回の成果指標とも言えるだろう。

 議会も条例案を否決したが、私は「内部評価の問題と、構想日本の言いなりになっていること」がいけないと思っていたし、ある方は「行革推進委員など行政に詳しい人が評価すべき」と言っていたし、「そもそも仕分けがダメ」と言う人もあり、一つの案として対案を示すのは難しい状況だと思う。そういった点から、私もすっきり納得できているわけではないけれども、この方式でやっていくしかないのかな、と思った。(注:くどい上にもくどすぎるが、内部評価システムの構築ができた上での話である。)
 また、私の意見も参考にしていただいていると思ったし、何より構想日本の言いなりでなく加東市独自の方式として考えたことは、今後いいものに化けていく可能性を秘めていると思った。


 最後に、当局が言ってもいないのに「委員報酬は凍結した」と言っていた人達が「市民の意見を取り入れるべく市民仕分け人を増員すべき」と言っているのは少し驚いた。そんなことをしたら委員報酬が発生してしまう。凍結議員に市長が相当尋常ならざる配慮をしたからこそ無報酬ボランティアにされたのだと思うのだが・
 目には見えなかったが、委員会室が解凍戦隊デンシレンジャーの襲撃を受けていたのかも知れない。 

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