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Segway PTそしてTesla Roadstar

トヨタも一人用移動手段開発に注目
 2008年8月トヨタ自動車が一人用移動手段wingletの試作品を公表した。その機能をみると先行するsegwayに劣る点が多いようだ。つまりSegway PT(personal transporter)がそれなりに大変な発明であることがわかる。

 Segway PTは2001年に試作品が公表され2002年にアメリカで発売が始まった。現在では日本でも販売されているが、1台100万円前後(アメリカ国内なら5000ドルから6000ドル程度)。電動で最高時速が20km/h。本体重量が50k弱。最大積載可能重量は100k程である。日本では道交法の関係で公道を走れないが私有地内では走れる。2007年にハウステンボスで、また2008年には洞爺湖サミットの警備に登場した。
 Segwayは一人用移動手段として優れているが、歩道の上を走られると視覚障害者など弱者には危険な乗り物と見えるようだ。つまり健常者によって狭い歩道で使われると弱者にとっては危険きわまりないという点が問題であるようだ。歩行者との共存を考えると、もっと小型にしてさらに最高速度を抑える必要があるだろう。
 Segwayがアメリカで登場したことは、アメリカ人の発明精神が枯渇していないことを示す点で興味深いことだった。toyotaの追随は一人用移動手段の開発が焦点になっていることを示している。
segway commercial
Toyota winglet
HONDA walking assist device

アメリカのモノづくりの健在を示すTesla Roadstar
 ところでSegway PTとともにアメリカのモノづくりで感心したもうひとつが2006年に登場したTesla Motor社のTesla Roadstar。これは電動のスポーツカーでなぜか格好いいのだ。販売価格は1台10万ドル強ほど。1回の充電で250マイル近く(400キロ近く)走るほか、加速がやたらと早いようだ。そして現在は2010年の発売開始に向けて家族用のプラグイン方式のセダンを開発中とされる。こちらの販売価格予定は6万ドル程度。
なおテスラについては、Googleの創業者であるラリー・ペイジなどが出資した会社であること。社名のテスラがニコラス・テスラ(1856-1943)に由来することもしばしば指摘される。テスラはトーマス・エジソン(1847-1931)と並ぶ電気に関する発明家。エジソンは白熱電球の実用化、円筒式蓄音機の発明などで知られるが、テスラは交流送電、無線電信、蛍光灯などで知られる。送電をめぐり直流送電を主張したエジソンと対立した。テスラは、才能は知られながら生涯経済的に恵まれなかっ薄幸の発明家でもある。

Tesla Roadstar

プラグイン方式電気自動車を日本の大手メーカーはなぜ推進しないのか
 ところで日本の自動車メーカーで少し僕らを苛立たせるのはプラグイン方式の電気自動車の開発で欧米の小さなメーカーほど熱心でないように見えることだ。
プラグイン方式では家庭用コンセントから充電が可能になる。ガソリンスタンドによらないで済むことは革命的で排ガスもでないとすれば誰もが買いたいはずだ。あっという間に現在のガソリン車はなくなりガソリンスタンドもなくなり、空はきれいになり、車の騒音から人々は解放されるはずだ。ところが日本のメーカーはじつにゆっくりとプラグイン方式の開発をしている。数年前から開発してまだ1台も公道上に出てこない。
 現在の報道では、トヨタがプラグインハイブリッド車の2009年末発売開始に向けて準備中(2009年6月富士重工業ガプラグイン式ハイブリッドカーの発売を発表した。)。三菱自動車も2009年夏の電気自動車発売開始後、プラグインハイブリッド車の開発を急ぐ方針。ホンダもプラグインハイブリッド車の開発を米国向けに進めている。日本のメーカーが、ハイブリッド型にこだわるのは電気自動車の走行距離に不安を感じているため。電池が切れた後、ガソリンエンジンで駆動するものと、ガソリンエンジンで発電するものと、2つの考え方がある。
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