現行教育基本法の第10条に、「教育は、不当な支配に服することなく‥‥‥」とあります。では、この条文は何が「不当な支配」と言いたいかというと、政治支配と官僚支配のことです。
こう言い切ると、びっくりされる方も多いかと思うのですが、当時の審議は、政治的支配と官僚的支配から教育をいかに守るかに集中しています。実際の立案過程で、「教育は、政治的又は官僚的支配に服することなく....」という姿であった時期もあるのです。
不当な支配にはいろいろあります。地域ボスの介入とか、政治活動をする人たちの介入も不当です。でも、それが不当であることは誰にでもわかります。ほんとうに、法律でもって教育に対する防波堤を作ってあげる必要があるのは、政権の座にある政治家の支配と、監督官庁の支配です。どちらも、教育者にとって対抗するのが困難なものです。
政治家の支配は、かならず、国のためとか、人々のためとか、未来のためとかというような美しい理想の下に行われます。でも、けっきょくは時の利害に流されているにすぎないことに、政治家たち自身も気がついていないのです。
官庁の支配は、教育の基準と規格を作らないとどんな間違いが起こるかわからない、という正義感の下に行われます。でも、けっきょくは現場を知らない人間が法律の条文を元にしているにすぎないことに、官僚たちも気がつかないのです。現実に、不登校や学級崩壊がたくさん生まれました。
教育が守らなければならないのは、一つは学問や芸術の真実性です。もう一つは、子供の人間発達のプロセスです。これはどちらも、時の利害とは関係なく、厳然と存在しているものです。
戦前の教育は、官僚の専制支配に苦しみました。戦後の教育は、お役所仕事の繁文縟礼と事大主義に苦しみました。
もし教育基本法を改正するというのであれば、「教育は、不当な支配に服することなく....」をもっと明確にして、「教育は、政治的又は官僚的支配に服することなく....」としたほうがいいです。
(転載歓迎 古山明男)
現行法では、明らかにそれが禁じられているのに、かなり無視して、すでに実態としてはそうなっています。
これ以上ということは、完全に北朝鮮と同じシステムにしたいということですね。
日本の北朝鮮化で、アメリカと一緒に世界で戦争できる国にするとはひどすぎます。