化学系エンジニアの独り言

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原子力発電をゼロのまま続けていこう

2020-04-17 | 再生可能E
連日コロナのニュースばかりです。命に係わる事象ですから仕方ないのですが、中にはどうでもいいような内容のものも多く、食傷気味です。

3/11が来るといつも思い出すのが東日本大震災の時のことと、原発事故です。今、「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を読んでいます。以前から思うのですが、原子力発電は廃炉並びに核廃棄物処理の技術が完成していないのだから、やっぱり使っちゃいけないんじゃないかと。原子力発電技術開発は続けるとして、廃炉技術が出来てから商業化するのが正しかったんじゃないかと。

福島第一原発事故以来日本の原発はほとんど稼働していません。電源構成比でいうと、原子力が最大だったのは2000年頃の34%です。当時はほぼ1/3の電気は原発で作られていた。残りは天然ガス26%、石炭18%、石油11%に水力8%です。


ところが2012年以降原子力は1%、0%、1%、2%、となり2017年度は3%でした。要は日本の原発はもう10年近くほとんど発電していません。その代わりになっているのが天然ガス40%(+14%)、石炭32%(+14%)、再生可能エネルギー8%(+7%)です。水力は-2%、石油も-2%です。石炭火力はCO2排出量が相対的に多いので、環境活動家からは目の敵にされますが、原子力が使えないのだからしょうがないでしょう。とは言えいつまでも多めに見てももらえないだろうから、石炭の32%を何かに変えていかなければ。

最有力は再生可能エネルギーですが、例えばさらに20%伸ばして合計28%にすることが可能でしょうか?
2018年のエネルギー基本計画(2030年の目標と思えばよい)では、以下のようになってます。
再生可能エネルギー:22~24%
原子力:20~22%
石炭、石油、天然ガス:56%(2017年度は82%)

化石燃料の内訳がないですね。依然として石炭は諦めないという事です。しかし石炭火力のCO2を減らすCCSの実現はいつくらいになるのでしょうか?
火力発電は発電量調整の意味からも今後とも主力になることは間違いありません。

原子力も諦めない。確かに代替手段はあるのか、と聞かれると困るのです。でも福島の二の舞はご免です。

原子力は使いたくない、石炭も減らしたいとすれば、残るは天然ガス、石油、再生可能エネルギーしかないです。再生可能エネルギーは一体どこまで伸ばすことが可能なのか、付帯設備(例えば蓄電池)を合わせてコストはどこまで下がるのかが知りたいところです。

日本の電力消費のうち、家庭部門と業務部門を合わせた民生部門は33.8%になります。もしこの部分を全て太陽光発電に変えて自分の電気で賄えるようになれば、大きく寄与できるはずです。大型マンションやビジネスビル、ショッピングモールの電気を全て自前の太陽光発電で賄うのは一見無理ですね。そこを何とか考えていけないかな。




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