１１／１９作品

～ ジャンボ・ダックワーズ　～
甥の誕生日で家内の姉宅に集まると言うことで何か作っていこうと思い、冷蔵庫に卵白がたくさん余っていたのでダックワーズを作った。通常ダックワーズは小判型でマドレーヌやフィナンシェなどと一緒に焼き菓子の詰め合わせなどに入っている程度の大きさなのだが、バースデー・ケーキっぽくロウソクが挿せるように１８ｃｍのタルトリングを使ったジャンボサイズにした。

ダックワーズは元々フランスの伝統的な焼き菓子で、小判型が定番になったのは日本が発祥らしい。メレンゲとアーモンドプードルと少量の薄力粉で作り、サクッと軽い食感が特徴である。生地作りはしっかり硬いメレンゲを立て泡を消さないようににさっくり混ぜるだけで簡単である。このお菓子の一番のポイントは表面のパリっと香ばしい薄皮と中の柔らかくしっとりした食感のコントラストである。表面の薄皮は焼成前に表面に薄く粉砂糖をまんべんなくふりかけ、焼成中に溶けてカラメライズされた砂糖が生地と混ざって焼き上がることでできる。粉砂糖をまんべんなく２、３回に分けてふりかけるのがコツ、焼成後にペルルと呼ばれる小さい突起が出来て香ばしくパリっとなれば成功である。

中のクリームはプラリネ風味のバタークリームが一般的であるが、プラリネが無かったのでコーヒー風味のバタークリームにした。室温でポマード状にした無塩バターに卵黄に熱いシロップ を加えて泡立てたパータボンブと熱湯で溶いたインスタントコーヒーを入れ、なめらかになるまで泡立て器で混ぜる。油脂が入らずあっさりしたダックワーズ地にはこってり目のバタークリームが相性が良いようだ。星型口金でクリームを絞り、ラムレーズンを散らし上側の生地を乗せて出来上がりである。

ちょっとクリームが多く大人にはこってりしすぎた感があったが、子供たちには大好評、普段あまりケーキを食べない娘も一切れぺろりと平らげてくれた。簡単で見栄え良くヴォリューム感があるので卵白が余った時には良いアイディアである。