宴
2005-11-19 | 旅
ひのはらユースホステルは基本的に管理人の「おとうさん」こと木村明さんが一人で切り盛りしている。
奥さんは今日は旅行中でいないらしい。
だから、その宿にはホステラーと木村さんのあわせて13人。
食後に木村さんが一人一人呼び出して、会計をする。
宿泊費は素泊まりで2500円、夕食850円、朝食400円。
つまり、見かけ上、一泊二食で3750円である。
見かけ上は。
全然二食ではないのだ。
午後10時ごろ全員が集まって囲炉裏を囲む。
宴が始まった。
囲炉裏で熱燗にして、日本酒で乾杯。
簡単な自己紹介が始まった。
管理人の木村さん、大和市の高校の美術の先生、メガネのお姉さん、優しそうなおばさん、アニキのタダさん、中1の少年松井君と菱沼君、片方の少年のお父さんの菱沼さん、はんてんのおじさん、ユース経営希望のおじさん、岩瀬さん、そして僕。
木村さんはさらにスタッフを紹介してくれた。
「トラです」
木村さんは自分の部屋から黄色いネコを抱えてきた。
他にも猫がいるらしい。
名前はサクラ、イチロー、そしてあと一匹。(名前は忘れた)
これらの4匹のネコは野良猫なのだ。
外から宿の中に自由に行き来しているのだ。
この宿に居候しているとも言えるのかな。
トラはストーブの前であったまって眠そうにしている。
木村さんはネコに目がないのだ。
よくよく周りを見るとネコのキャラクターのグッズや写真がちりばめられている。
自己紹介が終わって、囲炉裏でホステラーが持ち寄った食べ物を焼く。
酒は何でもあるし、少しこげ気味の厚揚げはおいしい。
トンタンまで頂いてしまった。
泡盛「瑞泉」は飲みやすくておいしいなあ。
夕食で満腹だったのに、夜食でもまた満腹になってしまった。
結局泡盛は空けてしまった。
階段にギターがいっぱい釣り下がっている。
弾けないけど、練習してみたい。
おっと、ウクレレもあるではないか。
ちょっと弾きますか。歌いますか。
木村さんはこの宿でギターの合宿も開くほどのギター好きらしい。
宴の最後に木村さんのギターで皆で声をそろえて歌う。
そして、木村さんの「シャボン玉」でお開き。
深夜1時過ぎ、僕と中学生の父の菱沼さんと2人で残って話をしていた。
菱沼さんは某超巨大電力会社で働いていると言った。
僕の志望する会社のひとつである。
「安定してますよね~。大手電力会社なら一生安泰なんじゃないですか?」
「いや、そうとも限らないよ。
十数年は大丈夫だろうけど、太陽光発電のコストが劇的に下がれば危ないね。
そしたら、もう発電所はいらないでしょ」
全て自前で電力が調達できるということだろうか?
「火力発電はもう温暖化問題で減ってくでしょ。
これからは、原子力発電所がどんどん造られるんじゃないかな」
就活の話を聞いてみる。
「早稲田の人はできるって思ってるね。
俺の印象では東大よりも使える奴が多い」
お世辞だろうけど少しうれしい。
「俺は高卒だから理論的なことは全然わからないんだけどさ。
例えば、アースって何で電圧が0Vなんだろうね。
地面はでっかい岩のかたまりだから電気を通さないと思わない?」
それは僕も疑問に思っていた。
だが、いつの間にかその疑問を忘れて当たり前のように使っている。
「いろんな人に聞いてみたんだよ。
だけどみんな難しいことを言ってうやむやにするんだよな。
ところが、同僚にできる奴がいてね。そいつに聞いたんだ。
地球の断面積は無限大とみなせるから、電流はみんなそっちに流れるんだって。
なるほどって思ったよ。
本当にできる奴ってのは小難しいことを人に理解できるように説明できる人だろうね」
確かに、有効電力や無効電力、フェーザなど計算する問題はいくらでもできる。
だが、それらの概念を素人にわかりやすく説明できるような学生は果たして何人いるのだろうか。
まともに説明できる教授ですらそう多くはない。
「話しすぎたな。明日は早いから寝ようか」
これだけ深い話をして、簡単に眠れるわけがなかろう。
いやいや、満腹感と大量の酒でいい感じに眠りに着けるのだ。
奥さんは今日は旅行中でいないらしい。
だから、その宿にはホステラーと木村さんのあわせて13人。
食後に木村さんが一人一人呼び出して、会計をする。
宿泊費は素泊まりで2500円、夕食850円、朝食400円。
つまり、見かけ上、一泊二食で3750円である。
見かけ上は。
全然二食ではないのだ。
午後10時ごろ全員が集まって囲炉裏を囲む。
宴が始まった。
囲炉裏で熱燗にして、日本酒で乾杯。
簡単な自己紹介が始まった。
管理人の木村さん、大和市の高校の美術の先生、メガネのお姉さん、優しそうなおばさん、アニキのタダさん、中1の少年松井君と菱沼君、片方の少年のお父さんの菱沼さん、はんてんのおじさん、ユース経営希望のおじさん、岩瀬さん、そして僕。
木村さんはさらにスタッフを紹介してくれた。
「トラです」
木村さんは自分の部屋から黄色いネコを抱えてきた。
他にも猫がいるらしい。
名前はサクラ、イチロー、そしてあと一匹。(名前は忘れた)
これらの4匹のネコは野良猫なのだ。
外から宿の中に自由に行き来しているのだ。
この宿に居候しているとも言えるのかな。
トラはストーブの前であったまって眠そうにしている。
木村さんはネコに目がないのだ。
よくよく周りを見るとネコのキャラクターのグッズや写真がちりばめられている。
自己紹介が終わって、囲炉裏でホステラーが持ち寄った食べ物を焼く。
酒は何でもあるし、少しこげ気味の厚揚げはおいしい。
トンタンまで頂いてしまった。
泡盛「瑞泉」は飲みやすくておいしいなあ。
夕食で満腹だったのに、夜食でもまた満腹になってしまった。
結局泡盛は空けてしまった。
階段にギターがいっぱい釣り下がっている。
弾けないけど、練習してみたい。
おっと、ウクレレもあるではないか。
ちょっと弾きますか。歌いますか。
木村さんはこの宿でギターの合宿も開くほどのギター好きらしい。
宴の最後に木村さんのギターで皆で声をそろえて歌う。
そして、木村さんの「シャボン玉」でお開き。
深夜1時過ぎ、僕と中学生の父の菱沼さんと2人で残って話をしていた。
菱沼さんは某超巨大電力会社で働いていると言った。
僕の志望する会社のひとつである。
「安定してますよね~。大手電力会社なら一生安泰なんじゃないですか?」
「いや、そうとも限らないよ。
十数年は大丈夫だろうけど、太陽光発電のコストが劇的に下がれば危ないね。
そしたら、もう発電所はいらないでしょ」
全て自前で電力が調達できるということだろうか?
「火力発電はもう温暖化問題で減ってくでしょ。
これからは、原子力発電所がどんどん造られるんじゃないかな」
就活の話を聞いてみる。
「早稲田の人はできるって思ってるね。
俺の印象では東大よりも使える奴が多い」
お世辞だろうけど少しうれしい。
「俺は高卒だから理論的なことは全然わからないんだけどさ。
例えば、アースって何で電圧が0Vなんだろうね。
地面はでっかい岩のかたまりだから電気を通さないと思わない?」
それは僕も疑問に思っていた。
だが、いつの間にかその疑問を忘れて当たり前のように使っている。
「いろんな人に聞いてみたんだよ。
だけどみんな難しいことを言ってうやむやにするんだよな。
ところが、同僚にできる奴がいてね。そいつに聞いたんだ。
地球の断面積は無限大とみなせるから、電流はみんなそっちに流れるんだって。
なるほどって思ったよ。
本当にできる奴ってのは小難しいことを人に理解できるように説明できる人だろうね」
確かに、有効電力や無効電力、フェーザなど計算する問題はいくらでもできる。
だが、それらの概念を素人にわかりやすく説明できるような学生は果たして何人いるのだろうか。
まともに説明できる教授ですらそう多くはない。
「話しすぎたな。明日は早いから寝ようか」
これだけ深い話をして、簡単に眠れるわけがなかろう。
いやいや、満腹感と大量の酒でいい感じに眠りに着けるのだ。