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『怪我の功名』の代償を払うのは誰なのやら

2010-03-24 20:24:23 | 捕鯨騒動
先月から始まった Greenpeace Japan のメンバー2人への裁判。
これについては↓参照(手抜き)
・逮捕から約615日目で初公判になったわけだが(2010年2月15日 flagburner's blog(仮))
・鯨肉横領疑惑ばかり注目しないで(2010年3月9日 flagburner's blog(仮))
・鯨肉横領疑惑ばかり注目しないで 2(2010年3月10日 flagburner's blog(仮))

この件に関連して、宮台 真司氏+神保 哲生氏が Greenpeace International の事務局長である Kumi Naidoo 氏とのインタビューも絡めて、日本の司法制度について議論していたのだが・・・。
・グリーンピース裁判で日本の司法が国際的関心事に(2010年3月23日 seiji.yahoo.co.jp@元ネタはビデオニュースドットコム)

元ネタとなった番組は、2010年2月19日分配信(多分)のブツ。
ビデオニュース(中略)の会員の人は今のうちに視聴を・・・(宣伝)
・グリーンピース裁判で日本の司法が国際的関心事に(2010年2月19日 ビデオニュースドットコム)

で、この映像の内容を原文のまま記載した(ことになっている)seiji.yahoo.co.jp の記事では、Greenpeace Japan のメンバー2人への逮捕→取り調べ+鯨肉横領疑惑告発の不起訴処分から、日本の司法制度に含まれてる問題点を宮台氏と神保氏が語っていたことを伝えていた。
もっとも、Naidoo 氏にしてみれば、Sea Shepherd のメンバーこと Pete Bethune 氏が逮捕された件と関連付けられたのは不本意だったかもしれんが・・・。

元ネタの映像の序盤では、Naidoo 氏が Greenpeace が以前から繰り返してきた主張を述べたインタビューを紹介した上で、宮台氏と神保氏が Naidoo 氏の発言に解説を入れていた。
その後、神保氏は、 Greenpeace Japan のメンバー2人の裁判と Bethune 氏の逮捕(映像が公開された時点では Bethune 氏は逮捕されてない)が日本の司法制度の問題点を国外に広めることを指摘していた。
以下、2010年3月23日分 seiji.yahoo.co.jp『グリーンピース裁判で~』から、その部分を(長くなるけど)引用する。

---- 以下引用 ----
(中略)
神保: 私は今回の裁判が意外な副作用を持ち始めるのではないかと思い、懸念もしています。
というのは、今回、グリーンピースという国際的に名の通ったNGOの本部の方が裁判を傍聴するために日本にやってきたため、今まで散々言われてきた日本の刑事司法制度の問題点、要するに突然朝早くに捜査員がやってきて身柄を取られて22日間勾留され、徹底的に締め上げられ、それで自白を強いられ、起訴後も必ずしも保釈されるとは限らないということが国際社会で大きな注目を浴びることになってしまっています。
今までは国内で、しかも主要メディア以外のところで問題になることはあっても、ここまで国際的な注目を集めることはなかったのではないでしょうか。
さらに、今回のグリーンピースのメンバー2人の逮捕・勾留は人権侵害であるとして、国連人権委員会の下に設置された「恣意的拘禁に関するワーキンググループ」が意見書を出しています。
 
 国際的な関心ということで言えば、捕鯨問題をさらにややこしくしているプレイヤーの一つとして反捕鯨団体シー・シェパードがいるのですが、なんでも艦長が日本の捕鯨船団の監視船に抗議活動をするために乗り込んできたので、身柄を拘束したというニュースが入ってきています。
報道によると日本に移送したうえでの刑事処分も検討されているそうで、日本で逮捕される[された]などということになった場合は、22日間の弁護士立会いのない勾留をすることになるわけで、それが世界に発信されることになります。
小沢一郎氏の土地取引問題で検察が批判を浴び、取調べ可視化の問題が出てきたわけなのですが、国内問題では済まない事態になりつつあるのではないでしょうか。
 
 とはいえ、これは却っていいことなのかもしれません。
OECD諸国で他にこのようなことをやっている国はなく、国際的にどう見たっておかしいということが必ずしも日本では認識されていないので、批判を浴びることで問題を認識することができるわけですから。
(以下略)
---- 引用以上 ----

国連の人権委員会が出した勧告については↓


幸か不幸か、Bethune 氏の勾留中の様子についてはほとんど伝えられてないけど。
しかも、取り調べ可視化については、小沢氏が不起訴処分となった後で政府がすっかりやる気を無くしたみたいだし。
この辺は以下を参照↓
・取り調べ全面可視化、法案提出は2012年以降(2010年3月17日 asahi.com)

取り調べ可視化の問題について、今後日本国内で問題にならない悪寒・・・。


話を戻す。
先程引用した神保氏の発言に続いて、宮台氏もこの裁判に関連して、日本の司法制度の問題点を指摘していたのだが・・・。
以下、2010年3月23日分 seiji.yahoo.co.jp『グリーンピース裁判で~』から、その部分を(略

---- 引用以上 ----
(中略)
宮台: そうですね。
また、搦め手から言いますと、鯨肉の横流しについては不起訴処分になったことで、告発を受けてそれを公に検証する機会が失われてしまい、検察の持つ起訴便宜主義の限界が明らかになったと言えます。
簡単に言うと、検察の起訴を受けて裁判所が起訴事実の有無を審理するという司法プロセスに載せずに、検察という一省庁が独断で鯨肉の横流しについてはおとがめなしということにしたことで、政治色の強い案件でもある鯨肉の横領があったのか無かったのかということが公正に審理される機会を失ってしまい、検察の不起訴処分という判断が正しかったのか、そうでないのかも検証できなくなっているのです。
(以下略)
---- 引用以上 ----

『起訴便宜主義』ってのは、刑事訴訟法第247条+第248条に書かれてる条文から導かれる考え方っぺぇ。
・刑事訴訟法(昭和二十三年七月十日法律第百三十一号)(law.e-gov.go.jp)

以下、law.e-gov.go.jp『刑事訴訟法~』から、第247条+第248条を引用す。

---- 以下引用 ----
(中略)
第二百四十七条  公訴は、検察官がこれを行う。

第二百四十八条  犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。
(以下略)
---- 引用以上 ----

起訴するか否かってのを検察官の判断に任せてるってことか。
つーことは、検察官の心証を損ねないような状況であれば不起訴に・・・。
日頃から検察官に貸しを作っとくか。

ちなみに、さっき引用した部分の後で、宮台氏は『調書絶対主義』ってのも批判してたが・・・。
面倒なのでパス。

---- 以下引用 ----
(中略)
神保: こういうことを言うと、犯罪には検察は粛々と対処していくだけですと言われるかもしれませんが、会見まで開いて告発の意図を明らかにし、検察へ盗んだ鯨肉を証拠として提出しているにもかかわらず、500ドル分の鯨肉を盗んだといって、70人近くの捜査員がやってきていきなり逮捕して22日間勾留しているのはやはりおかしいのではないでしょうか。
やはりそこはさっき言った捕鯨問題で吹き上がるポピュリズムをあてにした行為としか思えません。
 
宮台: 検察、警察両方ともにそういう面はあると思いますが、何よりこの問題が国際的な活動を展開しているNGOを巻き込んでおり、国際的な問題になったときに、弁解するのが大変なことになるぞというようなリスクマネージメントを考えていないことが明らかになりましたね。
検察や警察が国内問題の枠の中でしか自分たちの捜査や処分の正当性について考えていないということが露になったのではないでしょうか。
 
神保: 捕鯨の問題については、国内の世論と海外の世論でものすごく乖離があり、かつ国際的関心が高いということや、グリーンピースという組織が日本では小さい団体に見えるかもしれないけれど、資金力もあるとても大きな組織であるというようなことを考えずにいつものようにやってしまったということでしょう。
 
宮台: 逮捕・起訴されたグリーンピースのメンバー本人にとっては、たまらない問題ではありますが、私達にとっては、まさに怪我の功名ですね。
問題が大きくなって私達が目からウロコ的に認識を変えるいいチャンスです。
---- 引用以上 ----

怪我の功名って・・・。
それだったら、もう少し早い時期にこのことをネタにして欲しかったのだが(謎笑)。
たとえば、Greenpeace Japan のメンバー2人が逮捕→起訴されたタイミングとかでさ・・・。


それにしても。
この話で少し取り上げたけど、Pete Bethune 氏に対してはどのような取り調べが行われてるのやら。
起訴する時期はそろそろだと思うのだが・・・。


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