去年9月のことになるが、「調査捕鯨」団の鯨肉横領疑惑に関して、窃盗容疑で逮捕→起訴された Greenpeace Japan(GPJ) のメンバー2人への有罪判決が下った。
この判決については以下参照(手抜き)
・The verdict to oppress NGOs and journalists(2010年9月6日 flagburner's blog(仮))
・The verdict to oppress NGOs and journalists(App.)(2010年9月8日 flagburner's blog(仮))
当然のことだが、GPJ は速攻で仙台高裁に控訴した。
で、控訴審の第1回目の公判日が2011年5月24日に決定したのだが・・・。
・クジラ肉裁判、仙台高裁期日は5月24日(2011年1月25日 greenpeace.org)
GPJ のメンバー2人が逮捕→裁判の第一審開始まで約2年、判決が出るまでに半年以上経過している一連の騒動。
GPJ によると、この間にメディア側の視点も少しづつ変わってきたという。
以下、2011年1月25日分 greenpeace.org『クジラ肉裁判~』から、逮捕直後の状況に触れている序盤部分を8略
---- 以下引用 ----
(中略)
さて、この公判時には、私たちが内部告発者からの情報をもとに調査捕鯨船にて行われていたクジラ肉の不正を指摘・告発(2008年5月15日)して、逆に逮捕・起訴されてしまってから3年が経過します。
この間、裁判をめぐる状況は大きく変わりました。
当時は、私たちの証拠収集方法が窃盗に当たるのか当たらないのかの議論が大半でした。
ある記者からは「私たちジャーナリストが許されないことを、あなたたちに許されるわけがない。窃盗だ。」と糾弾されたことも。
本来記者が追求すべき不正にはやさしく、私たちには厳しい記事がほとんどだったのです。
(以下略)
---- 引用以上 ----
窃盗云々、ね。
確かに、GPJ のメンバー2人が逮捕された翌日、ナベツネ機関紙は GPJ を非難する社説を書いてたけどな(本当に酷い)。
これについては以下参照(手抜き)
・Greenpeace のメンバー逮捕の社説を英語版にしないナベツネ機関紙(2008年6月23日 flagburner's blog(仮))
それ以外にも、結構酷いことをのたまっていた記者達は結構いたけど・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・★★★捕鯨報道・マスメディアランキング★★★(2008年8月23日最終更新日 カメクジラネコさんの公式サイト)
が、この約3年間で裁判に対する視点は大きく変わったという。
実際、GPJ の声明では、報道の一部を(多分本当に一部)を引用している。
その上で、視点の変化が生じた理由について意味深な指摘を・・・。
以下、2011年1月25日分 greenpeace.org『クジラ肉裁判~』から、中盤部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
海外ではウィキリークス、国内では検察の証拠改ざんを暴いた調査報道や数々の公的情報の流出など、「知る権利」や「報道の自由」が議論される機会が増えたことがクジラ肉裁判の意味を考え直す良い機会となっているのでしょう。
また、「正義」とはなにかを考える本がベストセラーになっていることも、社会がそのようなトピックを受け入れようとしている現象だと思います。
いずれにしても、不正そのものより、不正を指摘した市民をより厳しく罰するのは「本当の正義」ではありません。
(以下略)
---- 引用以上 ----
「知る権利」や「報道の自由」ね・・・。
実際は、この議論はそう簡単じゃ無い模様。
その1つとしては、WikiLeaks の意味合いだったりする(おまけ参照)
日本国内だと、どうも「知る権利」を制限したがってる人達が少なからずいるようだが・・・。
そして、GPJ の声明は、自分達の活動の意味について意味深な事を述べて終わっていた。
2011年1月25日分 greenpeace.org『クジラ肉裁判~』から、最後の〆を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
昨年末には、ようやく水産庁がクジラ肉に関連する不正を認め謝罪、さらには職員5名を懲戒処分としました。
これにより、私たちの指摘が正しかったことが証明されましたが、私たちはいまだに懲役刑という刑事罰の可能性にさらされています。
不正を指摘した人が、不正を行った人よりも厳しい罰を受けるのが、良い社会につながる構造でしょうか?
グリーンピースは、国際環境保護NGOですが、市民が主役になれる本当の民主的な社会をつくることも、環境をまもることにつながる重要な要素だと考えて活動しています。
これからも、ご支援をよろしくお願いします。
---- 引用以上 ----
本当の民主的な社会って何?、か。
なんか、これって、永遠に終わらない問いかけな気がする・・・。
それはそうと。
以前、この裁判に関して、(白文字で)「ひょっとしたら、某 TV 局で某有名ユニット卒業生がこの裁判の最終決着についてニュース原稿を読む時期まで長引くかも」なんて書いてたけど、今回の控訴審の期日が決まって事でそれが現実味を帯びてきた悪寒・・・。
おまけ:日本ジャーナリスト会議(JCJ)の blog で公開されていた WikiLeaks に関する分析。
・「情報流出」とウィキリークス 何が公益で何が危険か=新聞2紙の社説から(2010年12月7日 Daily JCJ)
上の記事で小鷲 順造氏は、毎日jpの『論調観測 ウィキリークス 何が公益で何が危険か(2010年12月5日付)』と TOKYO Webの『【社説】 週のはじめに考える(2010年12月5日)』という社説をネタにして、WikiLeaks が内部告発機構であると論じていた。
(WikiLeaks はメディアとの連携が不可欠であると熟知してる、という但し書きはついてるが)
その上で、WikiLeaks などが、こうした枠組みを超える存在になった後の展開について意味深なことを・・・。
以下、2010年12月7日分 Daily JCJ『「情報流出」とウィキリークス~』から、その部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
だがその枠組みを超える存在へと社会的(世界的)認知が広がったとき、あるいはそれが加速するような情報(強大な政府や企業などから「反社会的」のレッテルを貼らずにおけなくなり反撃を招くような情報)を入手・公開するなどして、情報発信媒体としての力が内部告発機構としてのバランスを上回った場合、メディアによっては、ウィキリークスのようなサイトに反感を抱いたり、警戒心を抱くよう忠告するところが出てきてもおかしくはない。
世論がそうしたサイトへの関心を高め、かつ賛否両論が浮上したとき、そのとき否定的印象や見解を軸足に、巧妙かつ迅速にそうしたサイトをつぶしにかかってみせるような権力機構こそが<優秀>であると、賞賛をあびるような社会はどこかを病んでいると考えるべきだろう。
また、病んでいるが<巧妙な>権力は、こうしたサイトについて冷静な認識を保持するためにそれを<犯罪者扱い>はせずに、間接的に手を下そうとするが、 <遅れた>あるいは<愚か>で<幼稚な>権力機構やその一部である政治家は、そうした動きに乗り遅れまいとだけ考えるため、 そうしたサイトを<犯罪者>あつかいするに違いない。
(以下略)
---- 引用以上 ----
この話、GPJ の裁判のケースで考えると・・・。
ちなみに、毎日jp の社説(2010年12月5日分)では、機密情報の管理強化を訴えていたナベツネ機関紙を Dis っていた。
どうやら、ナベツネ機関紙は、政府や企業からの内部告発が嫌いなようだ。
この判決については以下参照(手抜き)
・The verdict to oppress NGOs and journalists(2010年9月6日 flagburner's blog(仮))
・The verdict to oppress NGOs and journalists(App.)(2010年9月8日 flagburner's blog(仮))
当然のことだが、GPJ は速攻で仙台高裁に控訴した。
で、控訴審の第1回目の公判日が2011年5月24日に決定したのだが・・・。
・クジラ肉裁判、仙台高裁期日は5月24日(2011年1月25日 greenpeace.org)
GPJ のメンバー2人が逮捕→裁判の第一審開始まで約2年、判決が出るまでに半年以上経過している一連の騒動。
GPJ によると、この間にメディア側の視点も少しづつ変わってきたという。
以下、2011年1月25日分 greenpeace.org『クジラ肉裁判~』から、逮捕直後の状況に触れている序盤部分を8略
---- 以下引用 ----
(中略)
さて、この公判時には、私たちが内部告発者からの情報をもとに調査捕鯨船にて行われていたクジラ肉の不正を指摘・告発(2008年5月15日)して、逆に逮捕・起訴されてしまってから3年が経過します。
この間、裁判をめぐる状況は大きく変わりました。
当時は、私たちの証拠収集方法が窃盗に当たるのか当たらないのかの議論が大半でした。
ある記者からは「私たちジャーナリストが許されないことを、あなたたちに許されるわけがない。窃盗だ。」と糾弾されたことも。
本来記者が追求すべき不正にはやさしく、私たちには厳しい記事がほとんどだったのです。
(以下略)
---- 引用以上 ----
窃盗云々、ね。
確かに、GPJ のメンバー2人が逮捕された翌日、ナベツネ機関紙は GPJ を非難する社説を書いてたけどな(本当に酷い)。
これについては以下参照(手抜き)
・Greenpeace のメンバー逮捕の社説を英語版にしないナベツネ機関紙(2008年6月23日 flagburner's blog(仮))
それ以外にも、結構酷いことをのたまっていた記者達は結構いたけど・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・★★★捕鯨報道・マスメディアランキング★★★(2008年8月23日最終更新日 カメクジラネコさんの公式サイト)
が、この約3年間で裁判に対する視点は大きく変わったという。
実際、GPJ の声明では、報道の一部を(多分本当に一部)を引用している。
その上で、視点の変化が生じた理由について意味深な指摘を・・・。
以下、2011年1月25日分 greenpeace.org『クジラ肉裁判~』から、中盤部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
海外ではウィキリークス、国内では検察の証拠改ざんを暴いた調査報道や数々の公的情報の流出など、「知る権利」や「報道の自由」が議論される機会が増えたことがクジラ肉裁判の意味を考え直す良い機会となっているのでしょう。
また、「正義」とはなにかを考える本がベストセラーになっていることも、社会がそのようなトピックを受け入れようとしている現象だと思います。
いずれにしても、不正そのものより、不正を指摘した市民をより厳しく罰するのは「本当の正義」ではありません。
(以下略)
---- 引用以上 ----
「知る権利」や「報道の自由」ね・・・。
実際は、この議論はそう簡単じゃ無い模様。
その1つとしては、WikiLeaks の意味合いだったりする(おまけ参照)
日本国内だと、どうも「知る権利」を制限したがってる人達が少なからずいるようだが・・・。
そして、GPJ の声明は、自分達の活動の意味について意味深な事を述べて終わっていた。
2011年1月25日分 greenpeace.org『クジラ肉裁判~』から、最後の〆を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
昨年末には、ようやく水産庁がクジラ肉に関連する不正を認め謝罪、さらには職員5名を懲戒処分としました。
これにより、私たちの指摘が正しかったことが証明されましたが、私たちはいまだに懲役刑という刑事罰の可能性にさらされています。
不正を指摘した人が、不正を行った人よりも厳しい罰を受けるのが、良い社会につながる構造でしょうか?
グリーンピースは、国際環境保護NGOですが、市民が主役になれる本当の民主的な社会をつくることも、環境をまもることにつながる重要な要素だと考えて活動しています。
これからも、ご支援をよろしくお願いします。
---- 引用以上 ----
本当の民主的な社会って何?、か。
なんか、これって、永遠に終わらない問いかけな気がする・・・。
それはそうと。
以前、この裁判に関して、(白文字で)「ひょっとしたら、某 TV 局で某有名ユニット卒業生がこの裁判の最終決着についてニュース原稿を読む時期まで長引くかも」なんて書いてたけど、今回の控訴審の期日が決まって事でそれが現実味を帯びてきた悪寒・・・。
おまけ:日本ジャーナリスト会議(JCJ)の blog で公開されていた WikiLeaks に関する分析。
・「情報流出」とウィキリークス 何が公益で何が危険か=新聞2紙の社説から(2010年12月7日 Daily JCJ)
上の記事で小鷲 順造氏は、毎日jpの『論調観測 ウィキリークス 何が公益で何が危険か(2010年12月5日付)』と TOKYO Webの『【社説】 週のはじめに考える(2010年12月5日)』という社説をネタにして、WikiLeaks が内部告発機構であると論じていた。
(WikiLeaks はメディアとの連携が不可欠であると熟知してる、という但し書きはついてるが)
その上で、WikiLeaks などが、こうした枠組みを超える存在になった後の展開について意味深なことを・・・。
以下、2010年12月7日分 Daily JCJ『「情報流出」とウィキリークス~』から、その部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
だがその枠組みを超える存在へと社会的(世界的)認知が広がったとき、あるいはそれが加速するような情報(強大な政府や企業などから「反社会的」のレッテルを貼らずにおけなくなり反撃を招くような情報)を入手・公開するなどして、情報発信媒体としての力が内部告発機構としてのバランスを上回った場合、メディアによっては、ウィキリークスのようなサイトに反感を抱いたり、警戒心を抱くよう忠告するところが出てきてもおかしくはない。
世論がそうしたサイトへの関心を高め、かつ賛否両論が浮上したとき、そのとき否定的印象や見解を軸足に、巧妙かつ迅速にそうしたサイトをつぶしにかかってみせるような権力機構こそが<優秀>であると、賞賛をあびるような社会はどこかを病んでいると考えるべきだろう。
また、病んでいるが<巧妙な>権力は、こうしたサイトについて冷静な認識を保持するためにそれを<犯罪者扱い>はせずに、間接的に手を下そうとするが、 <遅れた>あるいは<愚か>で<幼稚な>権力機構やその一部である政治家は、そうした動きに乗り遅れまいとだけ考えるため、 そうしたサイトを<犯罪者>あつかいするに違いない。
(以下略)
---- 引用以上 ----
この話、GPJ の裁判のケースで考えると・・・。
ちなみに、毎日jp の社説(2010年12月5日分)では、機密情報の管理強化を訴えていたナベツネ機関紙を Dis っていた。
どうやら、ナベツネ機関紙は、政府や企業からの内部告発が嫌いなようだ。
執行猶予以上の譲歩はできないんじゃないでしょうか。
それと、シー・シェパードがグリーンピースに応援要請してるみたいですが、無視してるんでしょうかね?
http://www.seashepherd.org/news-and-media/news-110111-2.html
>執行猶予以上の譲歩はできないんじゃないでしょうか
内心 Greenpeace Japan 側もそれを狙ってるかもしれませんね。
とはいえ、検察は執行猶予じゃなくて実刑を望んでそうですが・・・。
>シー・シェパードがグリーンピースに応援要請してるみたいですが
無視してる、に1000ペセタ(謎)
というか、Greenpeace Japan のメンバー2人の裁判が完全に終わってない(多分今年中には終わらない)以上、「調査捕鯨」団や裁判官の心証を損ねるようなことはできないと思いますが。