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研修技能実習制度の穴というより制度が穴だらけ(意味不明)(Jan 16, 2014)

2014-01-16 21:32:15 | 時事ネタ(国内)
何かにつけて悪名高い研修技能実習制度に関して、頭の痛い事件が起きてた。


去年2月のことになるが、稲富 浩一(Koichi INATOMI)氏が研修技能実習制度を悪用してカンボジアの人達を「実習生」として不正に入国→労働させた容疑で逮捕され、その後執行猶予付きの有罪が確定した。
しかも、この人達の給料を中抜きした容疑なんてのもあるという・・・。
・隠匿容疑:実習生の給料着服…受け入れ団体元理事長を逮捕(2014年1月16日 mainichi.jp)

改めて研修技能実習制度の存在意義を疑わざるを得ないこの話。
以下、2014年1月16日分mainichi.jp『実習生の~』の本文を(略

---- 以下引用 ----
外国人技能実習制度を悪用し、不正に再入国したカンボジア人実習生の給料を中抜きして自身が管理する口座に隠したとして、警視庁が茨城県下妻市の実習生受け入れ団体「いなほ協同組合」元理事長、稲富 浩一容疑者(64)を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)容疑で逮捕していたことが同庁への取材で分かった。

 同庁は稲富容疑者が偽造戸籍を使った旅券で再入国させ、不正に働かせて給料の一部を着服していたとみている。

逮捕容疑は、派遣先から実習生5人に支払われた約2年分の給料の一部計数百万円について、管理する口座に隠したとしている。
稲富容疑者は昨年2月、不正に再入国したカンボジア人を農家などで働かせたとして、警視庁に入管難民法違反ほう助容疑などで逮捕され、執行猶予付きの有罪判決が確定した。
【林 奈緒美】
(以下略)
---- 引用以上 ----

給料中抜きに関しては、mainichi.jp の別の記事が詳しく伝えていた。
・隠匿容疑:「仕送り」半分消える…実習制度悪用(2014年1月16日 mainichi.jp)

なんでも、福富氏が実習生を送り出す団体(2つ存在してた)の実質的な決定権を握り、そこで給料中抜きに同意する計画書を書かせてたとか。
ちうわけで、2014年1月16日分 mainichi.jp『「仕送り」~』から後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
入管難民法に基づく外国人技能実習制度は実習生の給料全額を直接本人に支払うと定めている。
だが、この2団体を通じた実習生は来日前、6万円の天引きに同意する契約書にサインさせられていた。
元代表の40代男性は「本当の代表は稲富さん。契約書の中身も彼が決めた」と語る。

毎日新聞が現地で入手した帳簿などによると、6万円は日本国内の実習先の農家や企業が「いなほ協同組合」の指定口座に振り込んでいた。

実習生は最大時で約150人。
一時は毎月約900万円をいなほの事務員がカンボジアの2団体に送金。
帳簿では、半額に当たる1人当たり3万円を「ミスター・イナトミ」分と明記。
同庁は、ここから経費などを除いた額が、稲富容疑者に還流したとみている。

いなほの実習に関しては、処遇面の問題を指摘する声もある。

 「いなほルール」と呼ばれる取り決めがあり、実習先で喫煙や夜10時以降の飲酒禁止といった規則に違反すると、仕送りの3万円から1回1万円の罰金が取られた。
不満を訴えた実習生には「カンボジアの偉い人、友達いっぱいいるぞ。お金のことを言うなら(国に)帰す」と脅したという。

法務省の担当者は「受け入れと送り出しの団体を実質同一人物が運営していること自体が制度の想定外。チェック機能がなくなり好ましくない」と指摘する。
【黒田 阿紗子、写真も】
---- 引用以上 ----

実の所、送り出しの団体で禁止されてるのは、失踪防止等の名目で保証金等を払わせることだが・・・。
・技能実習生の入国・在留管理に関する指針(平成25年12月改訂)(2014年1月16日最終アクセス moj.go.jp;.pdfファイル)

以下、moj.go.jp 『技能実習生の~』内『(4)送出し機関の役割』から『4. 保証金の徴収の禁止等』を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
4. 保証金の徴収の禁止等

失踪防止等を名目として,技能実習生本人から保証金等を徴収している送出し機関があります。
中には高額な保証金を徴収しているケースがあり,これが技能実習生の経済的負担となって,時間外労働や不法就労を助長しているとの指摘もあります。
このため,送出し機関が技能実習生本人やその家族等から保証金を徴収するなどして金銭その他の財産を管理している場合には,その送出し機関からの技能実習生の受入れは認められません(上陸基準省令「技能実習1号ロ」第6号ほか)。
また,送出し機関が技能実習生の労働契約の不履行に係る違約金を定めるなど不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結していた場合についても同様です。
なお,上記の管理,契約に係る具体例は,第4の2(6)[引用元P.34]のとおりです。
さらに,送出し機関,監理団体,実習実施機関及びあっせん機関の間で相互に,技能実習生の労働契約の不履行に係る違約金を定めるなど不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結していた場合についても同様です。
(上陸基準省令「技能実習1号ロ」第7号)

(注) 本規定は,現実に生じた損害について賠償を請求することを禁止する趣旨ではありません。
(以下略)
---- 引用以上 ----

また、受け入れ先における給料支払いに関しては、中抜きについて考慮してない感が・・・。
以下、moj.go.jp 『技能実習生の~』内『(3) 実習実施機関の役割』内『9. 賃金の支払い』を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
9. 賃金の支払

技能実習を雇用契約に基づいて実施する際は,特に賃金の支払について留意する必要があります。
技能実習生に対しては最低賃金法をはじめ労働関係法令を遵守した賃金の支払を行う必要があることは当然ですが,上陸基準省令(「技能実習1号ロ」第21号ほか)及び変更基準省令(第2条第5号ほか)では,「報酬が日本人が従事する場合の報酬と同等額以上であること」と定めています。

また,技能実習生に時間外労働や休日労働などを行わせたときは所定の割増賃金を支払う等,労働関係法令にのっとり,適正な支払を行わなければいけません。
食費や寮費等を賃金から控除する場合には,労働基準法にのっとった労使協定の締結が必要であり,控除する額は実費を超えてはなりません。

さらに,実習実施機関等が負担すべき費用を「管理費」等の名目で技能実習生の賃金から不当に控除することはあってはならないことです。

入国当初の講習終了後に,技能実習生に対して中間講習,修了講習等別途講習の受講を義務付ける場合は,当該受講時間についても労働時間に該当ることから賃金の支払が必要です。
また,内職は技能実習生の行う活動には該当しないことから,これを技能実習生に行わせることは認められません。
所定労働時間外に技能実習生が通常従事している作業と関連のある作業を行わせることは認められますが,これについては時間外・休日労働として所定の割増賃金の支払等が必要です。
(以下略)
---- 引用以上 ----

今回のケースだと、中抜きされた給料は「管理費」でもないし「保証金」を払わせたわけでもないという困った事態になってるわけで。
しかも、中抜きした給料は「仕送り」名目だから、表向きはなんの問題もないという・・・。
一体どうしてこうなった。


というか、法務省の中の人の「受け入れと送り出しの団体を実質同一人物が運営していること自体が制度の想定外」って発言は、色々間が抜けてるしか。
そもそも、研修実習制度自体大きな問題点(受け入れる側と働く側の不条理な力関係とか)を抱えてるのを踏まえると、この制度は一度中断したほうが・・・(汗)。
(研修実習制度を使わないと経営が成り立たない企業や農家のあるのでそう簡単じゃないんだろうけど)


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