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Whales and sharks as carbon credits?

2010-03-02 19:58:55 | 捕鯨騒動
先月のことになるが、長年行われてきた捕鯨でクジラそのものから排出された CO2 の量を推測した結果が公表されたのだが・・・。
・Whaling worsens carbon release, scientists warn(2010年2月26日 news.bbc.co.uk)

元は、先月22日~26日に米国はポートランドで行われていた『2010 Ocean Sciences Meeting』という会合で、米国 Maine 大学所属 Andrew Pershing 氏が2月25日に発表したことらしい。
なんでも Pershing 氏を中心とした研究グループは、クジラがどのようにして CO2 を貯蓄→放出してきたかについて語ったとか。
まずは、2010年2月26日分 news.bbc.co.uk『Whaling worsens~』から前半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
"Whales, like any animal or plant on the planet, are made out of a lot of carbon," he said.

"And when you kill and remove a whale from the ocean, that's removing carbon from this storage system and possibly sending it into the atmosphere."

He pointed out that, particularly in the early days of whaling, the animals were a source of lamp oil, which was burned, releasing the carbon directly into the air.
(以下略)
---- 引用以上 ----

ちなみに、この直後には、クジラが自然に死んだ場合に CO2 が放出されることにも触れられている。
だからどうした、と言えばそれまでだが・・・。

しかし、Pershing 氏の論はこれで終わらなかった。
つーのも、過去100年に行われてきた捕鯨でどれだけの CO2 が放出されたかについて計算していた。
その結果は、約 13万平方キロメートルの森林を焼いた際に発生する CO2 に相当するとか。
日本国内にある森林面積(2005年時点で約25万平方キロメートル)の半分以上焼く計算だわさ。

もっとも、人間の経済活動で排出される CO2 に比べればそれほどでないのだが・・・。
この辺は以下を参照(データが古めだが)
・Global tables (Excel)(fao.org;Excelファイル)

その上で Pershing 氏は、クジラが海における CO2 の蓄積→放出で重要な役割を果たしてるとし、以下のような提案をしていた。
以下、2010年2月26日分 news.bbc.co.uk『Whaling worsens~』から中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
Simply leaving large groups of whales to grow, he said, could "sequester" the greenhouse gas, in amounts that were comparable to some of the reforestation schemes that earn and sell carbon credits.

He suggested that a similar system of carbon credits could be applied to whales in order to protect and rebuild their stocks.

"The idea would be to do a full accounting of how much carbon you could store in a fully populated stock of fish or whales, and allow countries to sell their fish quota as carbon credits," he explained.

"You could use those credits as an incentive to reduce the fishing pressure or to promote the conservation of some of these species."
(以下略)
---- 引用以上 ----

クジラを CO2 排出権取引のネタに使うか・・・。
しかし、実際に排出権取引に組み込むとなると、世界にどれだけクジラがいるかってのが問題になりそうだけどね(苦笑)

もっとも、排出権取引のネタになりそうな海洋生物はクジラだけでないみたい。
以下、2010年2月26日分 news.bbc.co.uk『Whaling worsens~』から終盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
He said that the marine carbon credit idea could be applied to other very large marine animals, including endangered bluefin tuna and white sharks.

Dr Pershing said: "These are huge and they are top predators, so unless they're fished they would be likely to take their biomass to the bottom of the ocean [when they die]."
(以下略)
---- 引用以上 ----

うはは。
マグロやサメまで対象となると、日本の漁業関係者にとって頭の痛い事態になりかねないな。
「日本でマグロが食べられないのは反日団体のせい」、なんて言説にもつながる危険もあるが・・・。


それはそうと。
地中海・大西洋産のクロマグロ輸出禁止の賛否を問うワシントン条約締約国条約会議に関して、事務局長こと Willem Wijnstekers 氏が意味深な発言をしていた模様。
・東都水産(8038)は続伸 「ワシントン条約事務局長がクロマグロ禁輸濃厚の見通し発言」報道で飼料関連へと思惑買い(2010年3月2日 毎日jp; NSJ日本証券新聞の転載モノ)

Sea Shepherd のクロマグロ密漁への抗議云々を非難する前に、ワシントン条約締約国条約国会議を「反日的」として非難する意見が出る悪寒。


2010年3月4日追記:
以下の記事に trackback を送信。
・低炭素社会のためにも捕鯨をやめよう/クジラの骨SUGEEEEEEEE(2010年2月27日 蝉コロン)
・捕鯨は森林破壊に勝る環境破壊!!/署名英語版もスタート!(2010年3月3日 クジラ・クリッピング)
・(編集中)大型クジラは炭素を貯蔵する海の森林?(2010年2月27日 フリーランス英独翻訳者を目指す化学系元ポスドクのメモ)


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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母数見ましょうね♪ (toripan1111)
2010-03-03 11:07:01
kknekoさんのブログ記事にこちらが引用されてましたもので・・・

元ネタとなってるこのBBCニュース、一見「だから捕鯨は環境に悪い」と言ってるこのハナシ、ナニがオカシイかって言うと、
今後商業捕鯨始めたとしても、その対象となる全髭鯨資源バイオマスの精々1%程度しか捕獲枠が算出されない、という視点がスッポリ抜け落ちてる事なんですよねw

しかも反捕鯨さんがよくやる手口として「減った鯨は再生産せずに減りっぱなし」という生物学的にあり得ない前提を元にしたミスリードに利用されてます(例上記kknekoさんの記事w)。
因みに今現在人為原因で排出されてるCO2は『 年 間 7 0 億 ト ン 』です(^ω^;;;;

この数字で簡単に試算してみると「捕鯨によって固定化出来なくなるCO2」は人為排出総量の「350000分の一」にしかなりませんw

ttp://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1834578&tid=a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa&sid=1834578&mid=42757

複雑なメカニズムを持つ生物ポンプの役割を考えるともっとややこしくなるとは思いますが、どっちみち影響力としては雀の涙ってのは間違いないでしょうねェ・・・
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