今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

人工呼吸器の取り外しについて

2007-10-20 13:22:15 | 医療倫理
前回も書きましたが、日本救急医学会が、人工呼吸器の取り外しを選択肢の1つとする延命治療中止基準を明記した指針を決定したそうです。

やっと・・・という感です

ただ、明日自分が患者さんの呼吸器を外すような場面に出会って,それをできるかというと、まだ???です


先週ミシガンでちょうどレジデントへのティーチングでその話題がでていました。

アメリカでは人工呼吸器を外す事に全く問題はありません。

この2,30年ほどの間に実際にあった訴訟に基づき,法が整備されてきました。

人工呼吸器を外してよい基準として、アメリカではこれ以上の生命の維持の見込みが無いだけでなく、植物状態になり意思疎通ができるような回復の見込みが無い場合もみとめられています

植物人間は、コミュニケーションがとれないので、もはや人間らしい生活を送れているとは言えないという判断だそうです

日本でこういう主張をすると、たたかれそうです

思っていてもオブラートに包まれている領域では無いでしょうか?

また拡大解釈されないか、ちょっと不安な気もします


そしてこれは、本人の事前の意思の表明か、代理人が「本人なら何を望むか?」という観点に基づいて判断します

代理人は法に基づいて設定しておく必要があります

そして代理人をしっかり定めておけば「本人が何を望むか」を生前に本人が語った具体的な言葉に基いて、代理人が推定してOKとなっています

つまり文書は必要ないのです

「本人がある内容を具体的に語った」ということを証明するのは無理です

そういう意味では、ここでもまたちょっと危険な香りもします

一番大事なのは、元気なうちに家族と自分の最期について、具体的にしっかり話し合っておく事のようです

この辺りは日本にも当てはまりそうです。

元気なうちに自分の最期を家族で話し合っておきましょう!

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