今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

道草大好き人間

2007-12-14 01:46:19 | Weblog
ようやく試験が全部終わって、少し時間の余裕ができました

さあ何かしよう

以前は、渡米する前に小児科と産科にちょっと慣れておかなければ・・・ と思っていましたが、考えなおしました

在宅をやるしかない!

今日から、三つ葉在宅クリニック で非常勤としてお世話になっています

若手医師数名が立ち上げた、エネルギッシュな集団です

何故、いま在宅かというと

「来年できないから」

以前から「在宅診療」は大好きなのですが、あまり診療機会に恵まれませんでした

意外かもれしれませんが、アメリカの家庭医は在宅をほとんどやりません

保険の関係等もあり、ほとんどnurse practitioner がやっているようです


「今は、今しかできない事をやる」

思えば、昔から私の思考回路はそうでした

自分の将来を見据えて、あえて道草、回り道、地固めを優先させるのです

医学生のときは、
「医療は医者になったら好きなだけできるから、今は医療と関係のないディベートをしよう」

卒後の研修では、
「専門の循環器は一生できるからその前の専門外のローテーションを少しでも長くしたい」
とわがままを言って、ローテーションを変更してもらいました

家庭医での渡米を決意してからは
「小児、産科の研修はアメリカでもできるから、身体診察、医学教育、研究、EBMなどで地固めをしよう」

そして今回も
「渡米後に在宅ができないから今しよう」


「少しでも早く専門研修をすませて一人前になりたい、余分な研修をしたくない」

という考えは自分の志向とは対極です

悪く言えば「モラトリアムを抜け出せない」と解釈されるかもしれませんが、

「あれもこれも、幅広く、なにをやっても無駄にはならない」

という自分はジェネラル向きなのかなと思った次第です

TFCの故 田坂先生の「万年研修医です」という言葉を思い出しました

すごく共感の持てる言葉です