酵素生活~リバースエイジングの秘訣~

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体も心もキレイに「腸内デトックス」

2017-10-14 10:31:39 | 細胞から若返る生き方/30日間で腸から美人になる
第五章 体も心もキレイに「腸内デトックス」

【腸内の健康はそのまま細胞の健康に】

朝断食をベースにした新谷式ファスティング法は、主に細胞内のデトックスをうながすことを目的に考案されたものです。

しかし、これまでお話ししてきたように、細胞は体中の各器官、組織を構成している基本単位です。
細胞内デトックスが進めば、当然のことながら、各器官・組織の働きも活性化されることになります。

なかでも腸は、食べたものを消化吸収し、こうした全身の細胞に栄養を送っているという点で、細胞とはとりわけ深い関係にあります。

腸内に生ゴミがたまり、有害ガスが発生しているような劣悪な状況では、細胞とのコミュニケーションもうまくいくはずはありません。
生ゴミからは硫化水素やアンモニア、インドール、スカトールといった有害物質が発生し、これが血液を汚し、最終的には細胞の働きにも支障が出てしまいます。

腸内の健康はそのまま細胞の健康にも反映されるのです。

つまり、細胞内デトックスの効果を高めるためには、腸内デトックスにも取り組む必要があるということ。
両者をセットでとらえたほうが、健康レベルが相乗効果でアップすることがわかるでしょう。

この章では、こうした点をふまえながら、腸内デトックスをうながすいくつかの方法に焦点を絞って解説したいと思います。

新谷式ファスティング法が大前提にあり、そこに解説した食事の改善が加味されるという点は変わりありません。
まずはこれらの方法に取り組んでみてください。
その際に何を改善したいのか、自分なりの課題を把握しておくことです。

あまり大上段に構えず、「慢性疲労をとりたい」「スッキリとした朝を迎えたい」・・・・・・こうしたささやかな課題でもいいのです。

多少でも手応えが得られるようになってくると、「もっと変わりたい」「体調コントロールを万全にしたい」といった欲も出てきます。

ここで新たにお話しするのは、そうしたあなたの変化を後押しし、細胞内デトックスにも好影響を与える方法です。
多くの患者さんに関わってきた私の経験のなかから、体に大きな負担をかけることなく確実に効果を見込めるものを紹介しています。

できることから一つ一つ実践してみてください。

【お通じの際に確認する四つのポイント】

まず、腸内デトックスを進めていくうえで最大の関門となる、お通じの問題から考えていきましょう。

私自身、日々多くの患者さんに接しながら驚かされるのは、老若男女問わず、現代人の多くが、慢性的な便秘に悩まされているという点です。

本書でお話ししているような食の改善に取り組んでいない人は、ほぼ例外なく、便秘のトラブルを抱えているといって間違いありません。

「4~5日お通じがないのは当たり前」と悩んでいる女性を見て「自分は大丈夫、毎日出ているから」と思っている人も、日によって便の量が少なかったり、硬かったりすることはありませんか?
ただ出ていればいいわけではないのです。
できればお通じがあった際に、毎回、次のことを確認するようにしてください。

①便の硬さ⇒硬すぎず柔らかすぎず、いわゆる「バナナ状のウンチ」が理想。
②便の量⇒前日の食べた量と比較する。
極端に少ない場合は、お通じがあったとしても自分は便秘なのだと考える。
③便の臭い⇒鼻を突くような悪臭がする場合は、腸相が乱れてしまっている証拠。
便はすべてが臭いわけではない。
特に、トイレの後もオナラがよく出る人は、大腸の上部にかなりの便が残っている。
④残便感⇒スーッと気持ちよく便が出ているかどうか。
この気持ちよさが感じられない場合も、便秘であると考える。

いわゆる「快便」のレベルというのは、この1~4をクリアーし、「ほとんど臭いのないバナナ状のウンチが、一定量スーッと出る」状態を指します。

その日の体調や精神状態によっても変化しますから、あまり神経質になりすぎる必要はありませんが、これに近い便にお目にかかることが少ないとしたら、それは先にコメントしているように、立派な便秘症なのです。

ただちに病気につながることがないとしても、こんな状態が当たり前であったとしたら、細胞のデトックスが進むはずもありません。
慢性的な疲れ、精神的な倦怠感、イライラなどを感じることが多くはないでしょうか?

こうした体調不良の原因になっているのが便秘なのであり、その多くは、これまでお話ししてきたように、毎日の食事によって引き起こされるものなのです。

まずは動物性食品の摂取を減らすか、2~3日食べないようにして、よい水や紹介した酵素生ジュースを毎日とるようにしてください。

デトックスを助ける食物繊維の補給には、キャベツや小松菜などの野菜もいいですが、玄米のような未精製の穀類のほうがおすすめです。
朝断食をベースにした新谷式ファスティング法にも、ぜひ取り組むといいでしょう。

これだけでもお通じの状態は十分に変化しますが、多くの人は誤った食事のとり方や日常のストレスなどによって、腸相をひどく悪化させてしまっているのが現状です。
数日便が出ないというひどい便秘症やむくみ体質に悩んでいる人はもちろん、「自分は大丈夫」と思っている(思い込んでいる)人も、日々の体調管理の一環として、腸内クリーニングをさらに進めていく努力をしてください。

そこでぜひトライしてほしいのが、家で簡単にできるため、私が患者さんや身近な方に数十年来すすめて大きな効果を見ている「コーヒーエネマ」なのです。

【腸をキレイにする「コーヒーエネマ」とは何か】

初めて耳にする人もいるかもしれませんが、コーヒーエネマのエネマとは、「浣腸」という意味です。
つまりは、コーヒーを使った浣腸法。
ただ、これだけではなかなかイメージできないでしょうから、もう少し解説しましょう。

コーヒーエネマは、いまから80年ほど前の1920年代、ドイツ人医師のマックス・ゲルソン博士によって確立された腸内クリーニング法で、豆から挽いたコーヒーの原液を専用の器具を使って肛門から腸に流し入れることで、大腸の下部にたまっている便を一緒に排泄させる方法として知られています。

浣腸というと抵抗をおぼえる人がいるかもしれませんが、ご自宅で手軽にできる簡単なもの。
慣れてしまえば、準備と片付けを含めても15分もかかりません。
そのやり方をざっと紹介しましょう。

①エネマ用のコーヒーの原液に水を加え、0,7~1リットル程度、専用の容器のなかに入れる。
体温程度(36~40度台)の温かさにするのが目安。
②専用の容器を浴室などの高い場所に吊るし、容器についているホースの先端を3~4センチ程度、肛門に挿入する。
③ホースについていた液止めのクリップを外し、コーヒー液を腸内に入れていく。
④容器のなかが空になったところで、トイレで排泄する。

コーヒー液は天然のコーヒー豆を原料にしたものであり、下剤のように腸に強い刺激を与える成分が入っているわけではありません。
おなかに入れても腹痛を起こすようなことはなく、思いのほかスーッと入っていくのが感じられるでしょう。

また、排泄の際も腸に残ることなく、大腸の下部にたまった便と一緒に自然に排泄されます。
その日の体調によって違いはありますが、コロコロした硬い便が一緒に排出された時など、思いのほかスッキリ感が得られるはずです。
この排出後の心地よさが体感できれば、多少の準備も苦にはならなくなります。

もちろん、心地よいからといってそれが依存症につながることはありません。
生活が乱れて、お通じが滞ってしまえば、誰もが不快感をおぼえます。
それを取り除くためにコーヒーエネマを利用することと、薬剤やアルコール、タバコなどに依存することを、そもそも一緒にすることはできないでしょう。

これまで浣腸というと、グリセリンという薬剤を使ったもののように薬の力で腸を強く刺激し、無理やり蠕動をうながすものが一般的でした。
しかし、無理やりに腸を働かせている以上、こちらには下剤や便秘薬と同じようなリスクがあります。
使い続けるほどに腸は疲弊し、汚れていき、文字通り依存症になります。

「薬で病気を治す」という発想から離れ、こうしたその場しのぎの対処法から少しずつ抜け出していきましょう。
便秘薬が手放せない人でもコーヒーエネマの利用を並行していけば、腸内の善玉菌の働きが活発になり、腸の蠕動も回復していきます。
すると、薬は自然といらなくなっていくはずです。

【便秘、頭痛、肩こり、イライラが解消】

では、腸のクリーニングにエネマ(浣腸)が必要であるとしても、その溶液になぜコーヒーを用いているのでしょう?

この点については、コーヒーエネマが開発された1920年代に、ドイツのゲッティンゲン大学医学部のO・A・メイヤーとマーチン・ヒューブナーという二人の医師の研究によって、すでに確認されています。

それは、コーヒーに含まれるカフェインが胆管を拡張して胆汁を流れやすくし、肝臓の働きを助けるというもの。

人体で最大の臓器として知られる肝臓には、腸の生ゴミから発生した有害物質を取り込んで分解し、無毒化する働きがあります。
胆管が拡張するということは、この腸ー肝臓によるデトックスをスムーズにする効果が期待できるのです。

もちろん、そうはいってもコーヒーをがぶ飲みすれば、カフェインの覚醒作用により興奮状態が高まり、自律神経の働きが乱れてしまうほか、胸やけや食欲不振の原因にもなり、ここでお話しするようなプラス効果を活かすことができません。

また、品質の問題もあります。
いうまでもありませんが、市販のインスタントコーヒーを使っては、ここに挙げた効果を求めることはできません。

極端のように思われるかもしれませんが、こうしたコーヒーのプラス効果を最大限に活かすためには、質の高いコーヒー豆を原料にしたコーヒー液を用い、これを飲料としてではなく、肛門から腸に直接入れてしまう発想が必要なのです。

現に、先の二人の医師の研究を通じてコーヒーエネマの有効性を知ったゲルソン博士は、自らの食事療法のプログラムに取り入れ、薬剤を用いないガン治療に大きな成果を上げています。

導入した当初は「コーヒーにクリームや砂糖は入れないのですか?」といった皮肉をいう医師もいたようですが、その手法は今日まで継承され、いまでは欧米のみならず日本でも実践する人が増えています。

特にアメリカでは、1980年代にコーヒーに含まれる有効成分が酵素の働きをサポートし、血液中の毒素の分解をうながすことが新たに確認されて以降、コーヒーエネマが医療現場に導入されるケースが目立つようになりました。

私自身、30年ほど前からコーヒーエネマを実践し、クリニックに来院された患者さんにもすすめていますが、「おかげで長年の便秘症が解消された」「頭痛や肩こり、精神的なイライラに悩まされなくなった」という声を数多くいただいています。

もちろん、私自身に関しては、便秘解消のために行ってきたわけではありません。
排泄がスムーズになることは確かですが、そればかりでなく、腸をたえずクリーニングしておくことは、日常の体調管理につながるからです。

コーヒーエネマは決して特殊なものではなく、社会の第一線で自分の実力を発揮するためにも不可欠なことなのです。
自宅でできる方法なので、女性ならば、手軽なエステの一つとしてトライしてみるといいでしょう。

【大腸の下部を重点的にクリーニングする方法】

コーヒーエネマが腸のクリーニングになぜ必要なのか?
徐々におわかりになってきたかと思いますが、私が皆さんにおすすめしているのは、ゲルソン博士が考案したコーヒーエネマそのものではありません。

なにしろ彼が活躍していた時代から、もう80年近く経っています。
その間に、私たちを取り巻く環境は大きく変化しました。

いま、特に注意を払わなければならないのは、その原料です。
自宅で手軽に行えるといっても、基本的には医療用に開発したものですから、原料のコーヒー豆については安心できる良質のものを選ぶ必要があります。

一般的にコーヒー豆は、害虫がつきやすいといわれ、「コーヒー豆ほど大量の農薬が用いられている農産物は他にない」という指摘もあります。
腸に直接入れるわけですから、こうした悪い豆を使うわけにはいきません。
残留農薬のないオーガニックのコーヒー豆を用いることは最低条件でしょう。

また、ゲルソン博士の時代に比べて、私たちの食事の内容も大きく変化しました。
特に日本人は、この60年ほどの間に、「腸を汚す食事」をこれでもかというくらいに続けてきました。
私はその実態を内視鏡でずっと見てきましたから、オーガニックコーヒーに、腸のクリーニングをスムーズにする乳酸菌エキスやオリゴ糖、酵素、ミネラルが豊富な海塩などをプラスすることも必要だと考えるようになりました。

こうして開発された独自のコーヒー原液を用いて行う腸内クリーニング法が、新谷式のコーヒーエネマです。

もちろん、パワーアップさせたコーヒー原液を用いる以上、この原液に加える水も浄水器などで不純物を濾過した「よい水」を使用することが基本。
あまり神経質になっても続かないので、最初のうちは市販のミネラルウォーターを用いるだけでも構いません。
あまり冷えた状態ではかえって腸内の免疫機能を低下させてしまうため、常温の水を用い、できれば体温程度に調整したほうがいいでしょう。

なお、こうした自宅でできるコーヒーエネマとは別に、機械で腸内クリーニングを行っているクリニックなどもありますが、こちらはあまり推奨できません。
機械で温水などの洗浄液を流し込むと腸内が高圧になり、腸壁を傷つけてしまったり、憩室の炎症を悪化させてしまったりする恐れがあるからです。

また、時間をかけて腸全体を繰り返し洗浄するため、腸内のミネラルが一緒に排出されてしまう危険性もあります。

腸内をキレイにしてしまえばそれで健康になれるというわけではありません。
腸内クリーニング法の基本は、あくまでも毎日の食事です。
食事が不規則になったり、肉食に偏ったりしてたまった便を取り除く手段として、大腸の下部を重点的にクリーニングするコーヒーエネマがあると理解すればいいでしょう。

新谷弘実先生 著
『細胞から若返る生き方』 より抜粋