第4章 いい汗かいてデトックス
プチ断食ダイエットを、より効果的にする方法
【ヨーガは「緊張」と「弛緩」のくり返し】
ヨーガの意味は「結ぶ」です。
呼吸法と「アーサナ」という前屈、反り、ねじりを組み合わせたポーズとによって、肉体と心、心と魂、小宇宙である人間と大宇宙、人間と自然、天と地、一人と全体を結んでいくのです。
呼吸法では、吐く息と吸う息を整えることで、自律神経のバランスを調整することができます。
「アーサナ」は、「緊張」と「弛緩」のリズムをくり返すことを基本としています。
「緊張」は交感神経を優位にさせ、「弛緩」は副交感神経を優位にさせますが、この対極にある二つが融合することにより、陰陽調和のハーモニーを体を通じて奏でていこうという、心と体の改善法だと思います。
ギターの弦は、張りすぎると耳ざわりな高くてかたい音しか出なくなります。
反対にゆるめすぎると聞き心地のよくない、低く鈍い音が発せられます。
ほどよい美しい音を出すためには、弦を張りすぎず、またゆるめすぎない絶妙の調律が必要です。
人間も同じで、いつも緊張しているストレス状態にある人は、
筋肉も硬直している傾向にあります。
張りすぎた弦はいつか切れてしまいます。
反対に、ゆるみすぎているのも問題です。
ほどよい緊張感や刺激がないと、体もしまりがなくなって、ダラダラと惰性で生きることになります。
生きる目的が感じられないと、うつ的な状態になって心が閉じて動けなくなったりもします。
このようなバランスの悪い状態のときに、「緊張」と「弛緩」のリズムを、強制的に体に与えることで、美しい音色が発せられる心と体に改善していこうというのが、ヨーガのアプローチのしかたなのです。
【プチ断食+ヨーガ体操で、デトックスがスムーズに】
ヨーガのメリットは、リンパの流れがよくなることです。
血管と違ってリンパ管には心臓のような動力源がなく、筋肉の収縮運動によってリンパ液が流れるようになっています。
リンパのなかに汚れがたまると、コリやハリ、痛みなどの症状が出てきます。
ヨーガによる「アーサナ」でリンパ液の流れがよくなり、たまっていた汚れが浄化されると、体液の循環が整っていきます。
プチ断食と合わせてヨーガをすることで、デトックスがスムーズに行われるでしょう。
「アーサナ」にはまた、人間の進化の歴史が組み込まれています。
胎児のポーズで胎内記憶をよみがえらせ、寝たりはったりする
ポーズでライオンや猫の四足動物時代を体験し、その次に座のポーズになって背骨が進化をし、立ちのポーズで直立する人間となり、最後にシャバアーサナという死骸のポーズで人間の生死のリズムを体験するのです。
人間の成長や進化の歴史を追体験することで、生や死の意味がわかり、すべてが循環していることに気づいていくのです。
そして、生かされていることに感謝がもてるようになります。
多くの人のご縁で生かされ、大宇宙とつながっていることがわかるようになります。
そうすると孤独感や寂しさや不安感がなくなり、岩や木や水や空気や食べ物や動物や人間、すべてが一つの生命共同体であること、一つのイノチから枝分かれしたものであることに気づくのです。
【プチ断食日には、1~2時間ウォーキングを】
歩くときの体の重心の移動をみてみると、左足が後ろだった場合、まず後ろ足の左足のかかとから左足小指のつけ根、左足の親指と重心が移動し、次に前足の右足のかかと、右足の小指のつけ根、右足の親指に移っていきます。
この重心の移動を線でつなぐとスパイラル運動(らせん運動)になっています。
このらせん運動によって骨盤が左右に揺れることで、骨盤への血液の供給がよくなり、左右の足の長さのズレからくる体のゆがみや不調を整えることができるのです。
歩くことは、簡単にできる骨盤調整法といってもよいでしょう。
妊婦さんが自然出産をするためには、「一日に2時間くらい歩きなさい、」という指導を助産師さんからよく受けるのですが、歩くことで骨盤が開きやすくなるそうです。
そして、腸腰筋の収縮がよくなることで、安産になりやすい体に調整されるのだそうです。
とくに婦人科系のトラブルがあり、腰痛や痔などの持病で悩んでいる場合は、1日30分くらい歩くことにチャレンジしてみてください。
体じゅうのリンパの流れや血液の流れがよくなり、体質改善をしやすくなります。
またプチ断食をしているときには、1日に1~2時間ほど歩くことをおすすめします。
そうすることで、体内に滞っていた毒素が動き始めて、排泄されやすい状態になります。
森林や里山、川べり、公園などの緑や水の流れのある場所には
マイナスイオンや新鮮な酸素が満ちているので、ウォーキングやハイキングにピッタリの場所となります。
マイナスイオンには、血液をサラサラにして血の流れをよくする働きがあります。
また生体電気(生命エネルギー)の発電にかかわるATPアーゼという酵素を活性化させることで発電量を増やし、その結果、気力に満ちたイキイキとした体にしてくれるのもマイナスイオンの働きです。
【ゆっくり歩くことで、効率中心の価値観も変わる】
人間の筋肉の80%は下半身にあるため、筋肉が動くことで熱が生まれます。
歩くことで発熱を促し、体内に滞った汚れや冷気を、発汗によって体外に出してくれます。
その結果、手足の冷えや冷え性や、冷えからくるほてりなどの症状にも抜群の改善効果が期待できます。
また、車で走っていると見すごしてしまう風景が、歩く速さだとよく目にとまるようになります。
それまで見すごしていた太陽や風、空の青さや夕焼けの美しさに感動し、鳥の声や野に咲く花々の四季折々の移り行く変化に気づくようになるでしょう。
ゆったりしているときほど、情報量は増えるのです。
みそでもしょうゆでもワインでも、「長期熟成」といって、ゆっくり熟成したもののほうが風味もよくなり、うまみも増しますよね。
それと同じように、人間も「大器晩成」がよいのです。
「忙」という字は「心をなくす」と書きますが、忙しくしていると自分が見えなくなるということでしょう。
効率中心で、「なんでも手っ取り早くすることがよい」としてきた価値観も、ゆっくりと歩くことで変わっていきます。
そうすると、効率中心の社会のなかで切り捨てられてきたもの、切り捨てられてきた人たちの価値に気づき始めるでしょう。
そして、失われていた感覚が目覚め始めて、目に見えない本当に大切なものを見極める感性を取り戻すことができるようになります。
その結果、真の人間らしい生き方、型にはまらない多様性を
認め合う生き方ができるようになるでしょう。
【意識して呼吸をすることで、体を整えられる】
海の波が1分間に浜に打ち寄せる回数は、18回といわれています。
人間が日々刻んでいる18回という回数は、波のリズムと波動共鳴する1分間の呼吸のリズムです。
波のリズムに呼吸のリズムを重ねると、36のリズムが生まれます。
人間が刻む36にのリズムは、体温です。
体温の熱のリズムが倍増すると、72の圧力のリズムが生まれます。
人間が刻む72のリズムは、心臓が波打つリズム、つまり脈拍です。
72のリズムが倍増すると、144のリズムが生まれます。
144のリズムは、最高血圧のリズムです。
体温や脈のリズムに私たちの意思を介入させることはできませんが、呼吸だけは自分で意識して速くしたり、遅くしたりすることができます。
血圧が高かったり、低かったり、動悸がしたり、体温が高すぎたり、低すぎたりしたときには、呼吸を吐く息中心にして、ゆっくり出すように意識すると、体温や脈のリズムが整っていきます。
呼吸は、ただ一つ人間の意思を通して自律神経にアプローチできるリズムなのです。
【プチ断食中の呼吸法で、自律神経が整う】
赤ちゃんは、吐く息でオギャーと生まれてきます。
人間が亡くなるときは、「息をひきとる」というように、吸う息で亡くなります。
ということは、自分で息を出せる間は生きられるということです。
つまり、日頃からできるだけ長く息を吐くように心がけるとよいということでしょう。
「呼吸」という字は、初めに「呼」(=吐く)という字がきます。
「出入り口」という表現がありますが、何事も出すことが先なのです。
息を吸うと交感神経が緊張し、反対に息を吐くと副交感神経が緊張します。
副交感神経が優位になると、筋肉や血管がゆるんで血液の流れがよくなります。
血液の流れが改善されると、体温が上昇し、同時に白血球のなかのリンパ球が活性化するので、免疫力も上がります。
「息抜き」という言葉があるように、息を抜くとリラックスできるのです。
反対に息を詰めて仕事をすると、ストレスがたまります。
怒りや悲しみなどのマイナスの感情は、吸う息中心の感情です。
泣きじゃくったりすすり泣いたりするときは、息を吸っています。
怒ってふくれっ面のときは、やはり吐いていませんね。
一方、笑いは吐く息中心です。
笑いは緊張をゆるめて、体に活力を与える最高の呼吸法なのです。
笑いを感情の中心にすえると、五臓の働きがよくなり、自律神経が安定します。
吐く息中心の呼吸法が東洋の健康法の基本ですが、古い息を出すと、自然にエネルギー(気)に満ちた空気が体内を循環します。
プチ断食中には、吐く息中心のヨーガや太極拳、気功法、禅などを実践するとよいでしょう。
歌を歌うのもよいですね。
呼吸法により、体の浄化作用が活性化して、心身ともに元気になれます。
【笑うと免疫力が高まる】
「笑う門には福来る」とか「笑いは人の薬」などといわれますが、
いま、「笑い」が健康にもたらす効果が注目されています。
「楽観と笑いが健康によい」。
こんなテーマに医学会が取り組むきっかけをつくったのは、ノーマン・カズンズというアメリカを代表する編集者でした。
カズンズは1964年に膠原病を発症し、全快の可能性は500分の1だと医師に宣告されました。
ところが、病気の原因がハードな仕事に由来するストレスなら、「愛や、希望や、信仰や、笑いや、信頼や、生への意欲が治療的価値をもつこともありえる」のではないかと考えました(『笑いと治療力』〈岩波書店〉より)。
そこで、喜劇映画やユーモア本に接して徹底的に笑うことを
自分に課した結果、なんと数か月後には膠原病が全快。
カズンズの体験は、医学界の注目を集めることになったのです。
その後、アメリカでは「笑い健康法学会」が結成され、その研究発表を受けて、気持ちのもち方で病気を改善する「精神神経免疫学」が、いま医療の最先端となっています。
笑いの研究のなかで注目されるのは、がん細胞を退治するナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性化です。
笑うことで、免疫細胞であるNK細胞の働きが通常免疫力の5~6倍にも高まり、ウイルスや病原菌、がん細胞などから体を守ってくれます。
逆に慢性のストレス状態はNK細胞の働きを悪くし、免疫力を低下させてしまうのです。
ウィスコンシン大学の研究でも、「前向きで明るい人ほど風邪にかかりにくい」ということが発表されています。
また、つくられた笑顔にも免疫活性効果があるようで、笑顔をつくることで、楽しい気持ちになれるのです。
これは「顔面フィードバック効果」と呼ばれていますが、アメリカでは、1時間に2回、鏡を見てニッコリし、痛みを緩和しようと試みて効果をあげている医師もいるようです。
実際、笑っているときは横隔膜が振動し、胃腸が活発に動きます。
そうすると、腸で作られた血液や免疫物質が全身に行き渡るのです。
【プチ断食中はおおいに笑おう】
スサノオの乱行を悲しみ、心を閉ざして天の岩戸に隠れてしまったアマテラスが、岩戸から顔をのぞかせたきっかけは、アメノウズメの踊りを見た神々の笑い声だったのです。
このよく知られた日本の神話は、現代人の光をなくした心の状態をたとえているようです。
恐怖や不安、怒りなどのマイナスの感情で閉じてしまった心の光を、笑いによってふたたび取り戻そうと暗示しているのです。
前出の村上和雄教授も『生命の暗号』(小社刊)のなかで、「人間の使っていない、98%もの遺伝子のスイッチをONにするのが笑いだ」といっています。
「腹をかかえて笑う」という表現がありますが、笑ったときには横隔膜が上下に振動するため、ポンプのようになり、おなかに蓄えられた血液が全身に循環を始めます。
血液の流れがよくなると、細胞に酸素や栄養分が提供され、内臓も皮膚も頭もすべてがイキイキと息づき始めます。
滞った汚れも吐き出されるため、デトックス効果もあがるのです。
心臓のポンプだけでは循環しにくかった血液や体液が、笑いによって全身をくまなく巡るようになるのです。
そうすると血色がよくなり、皮膚にツヤやうるおい、ハリが戻って、若々しくなります。
まさに若返りの秘訣が笑いなのです。
断食しているときに笑いを取り入れると、浄化や若返りの力が格段によくなります。
笑うと呼吸も吐く息中心となって、体内の気、血、水のすべての循環が整います。
「わっはっは」と大きな声を出して、吐く息とともに、4~5回「大げさ笑い」をくり返しましょう。
毎日続けると、心も体も元気ハツラツ状態になりますよ。
【ほほえみは、まわりも自分も癒す】
「ほほえみ」は動物のなかで、人間特有のしぐさですが、だれかにほほえまれて悪い気がする人はいないと思います。
どんな嫌なことでもすべて消し去ってくれる波動が、「ほほえみ」なのです。
ほほえんでいる人の脳からは、人間の心の状態を安定させる
α(アルファ)波やθ(シータ)波が出ています。
α波が脳に出てくると、副交感神経が優位になり、筋肉がゆるんで、血流がよくなります。
そうすると、内臓に血液が供給されて消化吸収能力が高まり、
体温や血圧が安定し、リラックス状態になります。
またθ波は瞑想によって生まれるので瞑想波とも呼ばれ、人間に癒しのエネルギーをもたらす覚醒波です。
これを受けると、脳内では「β(ベータ)エンドルフィン」という、「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンが分泌され、ストレスや痛みがやわらぎます。
この「βエンドルフィン」は脳内麻薬ともいわれ、モルヒネの50倍以上の鎮痛効果があることがわかっています。
これが脳内に増えることで、痛みが消えたり、気分が爽快になったりするのです。
「ほほえみ」は、脳ストレスを取り去る天然の精神安定剤といってもよいでしょう。
「ほほえみ」は神の扉を開く鍵であり、ストレス(不安や恐怖)でこりかたまった心をほぐして、宇宙エネルギー(気)を体内に循環させてくれます。
「ほほえみ」によって人の心がなごむだけでなく、ほほえむ人もまたθ波が出て、自分の内なる心が輝いてきます。
「ほほえみ」はまた、世界共通の言葉といってもよいでしょう。
一家の中心である母親が笑顔でいるだけで、家族全員が落ち着くのです。
プチ断食ダイエットや穀物菜食を実践し、笑う人が世界に増えることで、戦争やテロがなくなり、心と心が結ばれて、平和な世界が実現できるといいですね。
岡部賢二氏 著
『月のリズムでダイエット』 より抜粋
プチ断食ダイエットを、より効果的にする方法
【ヨーガは「緊張」と「弛緩」のくり返し】
ヨーガの意味は「結ぶ」です。
呼吸法と「アーサナ」という前屈、反り、ねじりを組み合わせたポーズとによって、肉体と心、心と魂、小宇宙である人間と大宇宙、人間と自然、天と地、一人と全体を結んでいくのです。
呼吸法では、吐く息と吸う息を整えることで、自律神経のバランスを調整することができます。
「アーサナ」は、「緊張」と「弛緩」のリズムをくり返すことを基本としています。
「緊張」は交感神経を優位にさせ、「弛緩」は副交感神経を優位にさせますが、この対極にある二つが融合することにより、陰陽調和のハーモニーを体を通じて奏でていこうという、心と体の改善法だと思います。
ギターの弦は、張りすぎると耳ざわりな高くてかたい音しか出なくなります。
反対にゆるめすぎると聞き心地のよくない、低く鈍い音が発せられます。
ほどよい美しい音を出すためには、弦を張りすぎず、またゆるめすぎない絶妙の調律が必要です。
人間も同じで、いつも緊張しているストレス状態にある人は、
筋肉も硬直している傾向にあります。
張りすぎた弦はいつか切れてしまいます。
反対に、ゆるみすぎているのも問題です。
ほどよい緊張感や刺激がないと、体もしまりがなくなって、ダラダラと惰性で生きることになります。
生きる目的が感じられないと、うつ的な状態になって心が閉じて動けなくなったりもします。
このようなバランスの悪い状態のときに、「緊張」と「弛緩」のリズムを、強制的に体に与えることで、美しい音色が発せられる心と体に改善していこうというのが、ヨーガのアプローチのしかたなのです。
【プチ断食+ヨーガ体操で、デトックスがスムーズに】
ヨーガのメリットは、リンパの流れがよくなることです。
血管と違ってリンパ管には心臓のような動力源がなく、筋肉の収縮運動によってリンパ液が流れるようになっています。
リンパのなかに汚れがたまると、コリやハリ、痛みなどの症状が出てきます。
ヨーガによる「アーサナ」でリンパ液の流れがよくなり、たまっていた汚れが浄化されると、体液の循環が整っていきます。
プチ断食と合わせてヨーガをすることで、デトックスがスムーズに行われるでしょう。
「アーサナ」にはまた、人間の進化の歴史が組み込まれています。
胎児のポーズで胎内記憶をよみがえらせ、寝たりはったりする
ポーズでライオンや猫の四足動物時代を体験し、その次に座のポーズになって背骨が進化をし、立ちのポーズで直立する人間となり、最後にシャバアーサナという死骸のポーズで人間の生死のリズムを体験するのです。
人間の成長や進化の歴史を追体験することで、生や死の意味がわかり、すべてが循環していることに気づいていくのです。
そして、生かされていることに感謝がもてるようになります。
多くの人のご縁で生かされ、大宇宙とつながっていることがわかるようになります。
そうすると孤独感や寂しさや不安感がなくなり、岩や木や水や空気や食べ物や動物や人間、すべてが一つの生命共同体であること、一つのイノチから枝分かれしたものであることに気づくのです。
【プチ断食日には、1~2時間ウォーキングを】
歩くときの体の重心の移動をみてみると、左足が後ろだった場合、まず後ろ足の左足のかかとから左足小指のつけ根、左足の親指と重心が移動し、次に前足の右足のかかと、右足の小指のつけ根、右足の親指に移っていきます。
この重心の移動を線でつなぐとスパイラル運動(らせん運動)になっています。
このらせん運動によって骨盤が左右に揺れることで、骨盤への血液の供給がよくなり、左右の足の長さのズレからくる体のゆがみや不調を整えることができるのです。
歩くことは、簡単にできる骨盤調整法といってもよいでしょう。
妊婦さんが自然出産をするためには、「一日に2時間くらい歩きなさい、」という指導を助産師さんからよく受けるのですが、歩くことで骨盤が開きやすくなるそうです。
そして、腸腰筋の収縮がよくなることで、安産になりやすい体に調整されるのだそうです。
とくに婦人科系のトラブルがあり、腰痛や痔などの持病で悩んでいる場合は、1日30分くらい歩くことにチャレンジしてみてください。
体じゅうのリンパの流れや血液の流れがよくなり、体質改善をしやすくなります。
またプチ断食をしているときには、1日に1~2時間ほど歩くことをおすすめします。
そうすることで、体内に滞っていた毒素が動き始めて、排泄されやすい状態になります。
森林や里山、川べり、公園などの緑や水の流れのある場所には
マイナスイオンや新鮮な酸素が満ちているので、ウォーキングやハイキングにピッタリの場所となります。
マイナスイオンには、血液をサラサラにして血の流れをよくする働きがあります。
また生体電気(生命エネルギー)の発電にかかわるATPアーゼという酵素を活性化させることで発電量を増やし、その結果、気力に満ちたイキイキとした体にしてくれるのもマイナスイオンの働きです。
【ゆっくり歩くことで、効率中心の価値観も変わる】
人間の筋肉の80%は下半身にあるため、筋肉が動くことで熱が生まれます。
歩くことで発熱を促し、体内に滞った汚れや冷気を、発汗によって体外に出してくれます。
その結果、手足の冷えや冷え性や、冷えからくるほてりなどの症状にも抜群の改善効果が期待できます。
また、車で走っていると見すごしてしまう風景が、歩く速さだとよく目にとまるようになります。
それまで見すごしていた太陽や風、空の青さや夕焼けの美しさに感動し、鳥の声や野に咲く花々の四季折々の移り行く変化に気づくようになるでしょう。
ゆったりしているときほど、情報量は増えるのです。
みそでもしょうゆでもワインでも、「長期熟成」といって、ゆっくり熟成したもののほうが風味もよくなり、うまみも増しますよね。
それと同じように、人間も「大器晩成」がよいのです。
「忙」という字は「心をなくす」と書きますが、忙しくしていると自分が見えなくなるということでしょう。
効率中心で、「なんでも手っ取り早くすることがよい」としてきた価値観も、ゆっくりと歩くことで変わっていきます。
そうすると、効率中心の社会のなかで切り捨てられてきたもの、切り捨てられてきた人たちの価値に気づき始めるでしょう。
そして、失われていた感覚が目覚め始めて、目に見えない本当に大切なものを見極める感性を取り戻すことができるようになります。
その結果、真の人間らしい生き方、型にはまらない多様性を
認め合う生き方ができるようになるでしょう。
【意識して呼吸をすることで、体を整えられる】
海の波が1分間に浜に打ち寄せる回数は、18回といわれています。
人間が日々刻んでいる18回という回数は、波のリズムと波動共鳴する1分間の呼吸のリズムです。
波のリズムに呼吸のリズムを重ねると、36のリズムが生まれます。
人間が刻む36にのリズムは、体温です。
体温の熱のリズムが倍増すると、72の圧力のリズムが生まれます。
人間が刻む72のリズムは、心臓が波打つリズム、つまり脈拍です。
72のリズムが倍増すると、144のリズムが生まれます。
144のリズムは、最高血圧のリズムです。
体温や脈のリズムに私たちの意思を介入させることはできませんが、呼吸だけは自分で意識して速くしたり、遅くしたりすることができます。
血圧が高かったり、低かったり、動悸がしたり、体温が高すぎたり、低すぎたりしたときには、呼吸を吐く息中心にして、ゆっくり出すように意識すると、体温や脈のリズムが整っていきます。
呼吸は、ただ一つ人間の意思を通して自律神経にアプローチできるリズムなのです。
【プチ断食中の呼吸法で、自律神経が整う】
赤ちゃんは、吐く息でオギャーと生まれてきます。
人間が亡くなるときは、「息をひきとる」というように、吸う息で亡くなります。
ということは、自分で息を出せる間は生きられるということです。
つまり、日頃からできるだけ長く息を吐くように心がけるとよいということでしょう。
「呼吸」という字は、初めに「呼」(=吐く)という字がきます。
「出入り口」という表現がありますが、何事も出すことが先なのです。
息を吸うと交感神経が緊張し、反対に息を吐くと副交感神経が緊張します。
副交感神経が優位になると、筋肉や血管がゆるんで血液の流れがよくなります。
血液の流れが改善されると、体温が上昇し、同時に白血球のなかのリンパ球が活性化するので、免疫力も上がります。
「息抜き」という言葉があるように、息を抜くとリラックスできるのです。
反対に息を詰めて仕事をすると、ストレスがたまります。
怒りや悲しみなどのマイナスの感情は、吸う息中心の感情です。
泣きじゃくったりすすり泣いたりするときは、息を吸っています。
怒ってふくれっ面のときは、やはり吐いていませんね。
一方、笑いは吐く息中心です。
笑いは緊張をゆるめて、体に活力を与える最高の呼吸法なのです。
笑いを感情の中心にすえると、五臓の働きがよくなり、自律神経が安定します。
吐く息中心の呼吸法が東洋の健康法の基本ですが、古い息を出すと、自然にエネルギー(気)に満ちた空気が体内を循環します。
プチ断食中には、吐く息中心のヨーガや太極拳、気功法、禅などを実践するとよいでしょう。
歌を歌うのもよいですね。
呼吸法により、体の浄化作用が活性化して、心身ともに元気になれます。
【笑うと免疫力が高まる】
「笑う門には福来る」とか「笑いは人の薬」などといわれますが、
いま、「笑い」が健康にもたらす効果が注目されています。
「楽観と笑いが健康によい」。
こんなテーマに医学会が取り組むきっかけをつくったのは、ノーマン・カズンズというアメリカを代表する編集者でした。
カズンズは1964年に膠原病を発症し、全快の可能性は500分の1だと医師に宣告されました。
ところが、病気の原因がハードな仕事に由来するストレスなら、「愛や、希望や、信仰や、笑いや、信頼や、生への意欲が治療的価値をもつこともありえる」のではないかと考えました(『笑いと治療力』〈岩波書店〉より)。
そこで、喜劇映画やユーモア本に接して徹底的に笑うことを
自分に課した結果、なんと数か月後には膠原病が全快。
カズンズの体験は、医学界の注目を集めることになったのです。
その後、アメリカでは「笑い健康法学会」が結成され、その研究発表を受けて、気持ちのもち方で病気を改善する「精神神経免疫学」が、いま医療の最先端となっています。
笑いの研究のなかで注目されるのは、がん細胞を退治するナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性化です。
笑うことで、免疫細胞であるNK細胞の働きが通常免疫力の5~6倍にも高まり、ウイルスや病原菌、がん細胞などから体を守ってくれます。
逆に慢性のストレス状態はNK細胞の働きを悪くし、免疫力を低下させてしまうのです。
ウィスコンシン大学の研究でも、「前向きで明るい人ほど風邪にかかりにくい」ということが発表されています。
また、つくられた笑顔にも免疫活性効果があるようで、笑顔をつくることで、楽しい気持ちになれるのです。
これは「顔面フィードバック効果」と呼ばれていますが、アメリカでは、1時間に2回、鏡を見てニッコリし、痛みを緩和しようと試みて効果をあげている医師もいるようです。
実際、笑っているときは横隔膜が振動し、胃腸が活発に動きます。
そうすると、腸で作られた血液や免疫物質が全身に行き渡るのです。
【プチ断食中はおおいに笑おう】
スサノオの乱行を悲しみ、心を閉ざして天の岩戸に隠れてしまったアマテラスが、岩戸から顔をのぞかせたきっかけは、アメノウズメの踊りを見た神々の笑い声だったのです。
このよく知られた日本の神話は、現代人の光をなくした心の状態をたとえているようです。
恐怖や不安、怒りなどのマイナスの感情で閉じてしまった心の光を、笑いによってふたたび取り戻そうと暗示しているのです。
前出の村上和雄教授も『生命の暗号』(小社刊)のなかで、「人間の使っていない、98%もの遺伝子のスイッチをONにするのが笑いだ」といっています。
「腹をかかえて笑う」という表現がありますが、笑ったときには横隔膜が上下に振動するため、ポンプのようになり、おなかに蓄えられた血液が全身に循環を始めます。
血液の流れがよくなると、細胞に酸素や栄養分が提供され、内臓も皮膚も頭もすべてがイキイキと息づき始めます。
滞った汚れも吐き出されるため、デトックス効果もあがるのです。
心臓のポンプだけでは循環しにくかった血液や体液が、笑いによって全身をくまなく巡るようになるのです。
そうすると血色がよくなり、皮膚にツヤやうるおい、ハリが戻って、若々しくなります。
まさに若返りの秘訣が笑いなのです。
断食しているときに笑いを取り入れると、浄化や若返りの力が格段によくなります。
笑うと呼吸も吐く息中心となって、体内の気、血、水のすべての循環が整います。
「わっはっは」と大きな声を出して、吐く息とともに、4~5回「大げさ笑い」をくり返しましょう。
毎日続けると、心も体も元気ハツラツ状態になりますよ。
【ほほえみは、まわりも自分も癒す】
「ほほえみ」は動物のなかで、人間特有のしぐさですが、だれかにほほえまれて悪い気がする人はいないと思います。
どんな嫌なことでもすべて消し去ってくれる波動が、「ほほえみ」なのです。
ほほえんでいる人の脳からは、人間の心の状態を安定させる
α(アルファ)波やθ(シータ)波が出ています。
α波が脳に出てくると、副交感神経が優位になり、筋肉がゆるんで、血流がよくなります。
そうすると、内臓に血液が供給されて消化吸収能力が高まり、
体温や血圧が安定し、リラックス状態になります。
またθ波は瞑想によって生まれるので瞑想波とも呼ばれ、人間に癒しのエネルギーをもたらす覚醒波です。
これを受けると、脳内では「β(ベータ)エンドルフィン」という、「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンが分泌され、ストレスや痛みがやわらぎます。
この「βエンドルフィン」は脳内麻薬ともいわれ、モルヒネの50倍以上の鎮痛効果があることがわかっています。
これが脳内に増えることで、痛みが消えたり、気分が爽快になったりするのです。
「ほほえみ」は、脳ストレスを取り去る天然の精神安定剤といってもよいでしょう。
「ほほえみ」は神の扉を開く鍵であり、ストレス(不安や恐怖)でこりかたまった心をほぐして、宇宙エネルギー(気)を体内に循環させてくれます。
「ほほえみ」によって人の心がなごむだけでなく、ほほえむ人もまたθ波が出て、自分の内なる心が輝いてきます。
「ほほえみ」はまた、世界共通の言葉といってもよいでしょう。
一家の中心である母親が笑顔でいるだけで、家族全員が落ち着くのです。
プチ断食ダイエットや穀物菜食を実践し、笑う人が世界に増えることで、戦争やテロがなくなり、心と心が結ばれて、平和な世界が実現できるといいですね。
岡部賢二氏 著
『月のリズムでダイエット』 より抜粋