酵素生活~リバースエイジングの秘訣~

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『天寿をまっとうする生き方』

2017-04-17 09:52:13 | 病気にならない生き方②実践編
第1章 天寿をまっとうする生き方

【「うちはガンの家系」は運命ではない】

たばこの吸いすぎが原因で肺ガンになる、お酒の飲みすぎが原因で肝臓ガンになる、肉食のしすぎで大腸ガンになるとよくいわれます。
このこと自体は事実ですが、ではどのくらいの量をどのくらいの頻度で摂ると「摂りすぎ」になり発病に至るのかというと、個人差がとても大きく、一概に量や頻度を明言することはできません。

たとえば、現在は原因不明の難病とされている潰瘍性大腸炎やクローン病も、私は臨床データから牛乳や乳製品が原因だと考えています。
しかし実際には、比較的少量の牛乳や乳製品で発病してしまう人もいれば、毎日牛乳を飲んでいても発病しない人がいるのも事実です。

また、日本とアメリカのデータを比べてみると、乳製品の摂取量の多いアメリカのほうが、日本よりも潰瘍性大腸炎やクローン病の患者数は多いのですが、個人の食歴を比べると、乳製品を常食する歴史の浅い日本のほうが歴史の古いアメリカよりも、少ない摂取量でも発病しやすいという結果も出ています。
これは日本人のほうが、歴史が浅いため、牛乳や乳製品に対する「耐性」が少ないからだと思われます。

こうした病気に対する抵抗力の民族ごとの違い、個人ごとの違いは、何に由来しているのでしょうか。

現在の西洋医学では、親がなった病気と同じ病気を子供が発病する確率が高いことから、民族差、個人差を作り出している最大の要因は、「体質遺伝」だと考えられています。
みなさんも健康診断で、「ご家族にガンになられた方はいますか?」「ご家族に糖尿病になられた方はいますか?」といった質問をされた経験があると思いますが、これは遺伝が発病に大きく関与しているとされているからなのです。

もちろん、遺伝による影響も絶対に無視することはできないでしょう。
しかし「遺伝」よりも、食生活・生活習慣の「継承」のほうが、要因としてははるかに大きいと私は思っています。
つまり、民族としての食歴、その個人が属する家の食歴が、発病率に大きく関わっているということです。
そして、このことを立証するために、私はいま、さまざまなデータの収集に取り組んでいます。

もし本当に「体質遺伝」が発病の最大要因であるならば、まったく同じ遺伝子をもつ一卵性双生児が同じ病気を発病する確率は、親子以上に高いはずです。
そこで、異なる生活環境で暮らす一卵性双生児がどのくらいの頻度で同じ病気を発病するかというデータがあったので調べてみました。

条件に合う人の絶対数が少ないため、まだデータとしては不完全ですが、約1600人ほどのデータを集計した結果、まったく同じ病気(同質の病気を含む)を発症する確率はわずか2.5%しかなかったという研究発表があります。

現在、私が調査・研究を始めているのが、同じライフスタイルをもつ夫婦が同じ病気(同質の病気)を発病する確率です。
夫婦は他人ですから、同じ遺伝要素はもちません。
にもかかわらず、生活を共にしていない一卵性双生児よりも生活を共にする夫婦のほうが、はるかに高い確率で同質の病気を発病しているという傾向が出ているのです。

とくに、仲のよい夫婦で30年近く生活を共にしているという夫婦では、一人が大腸ガンになったので調べてみると、もう一人は大腸ポリープになっていたり、妻が乳ガンになったら、夫は前立腺ガンになるといったケースがとても多いのです。

もちろん、こちらもまだデータとしては収集途中なので、明確な確率を提示するにはもう少しデータを集めることが必要ですが、遺伝的要因よりも、食生活と生活習慣から生じる要因のほうが、同じ病気を発病するリスクは高いということだけは明らかです。

これまでは親子・兄弟で同じ病気の人が出ると、その多くが「遺伝」のひと言で片づけられてきました。
そのため、一般の人々も、「うちはガンの家系だから」「うちは卒中の家系だから」といって、「仕方のない運命」として病を受け入れてきました。

でも、そうではないのです。

たしかに色覚障害や血友病などもって生まれた遺伝子によって発病が決定づけられる病気もありますが、私たちが日常問題にしているガン、脳卒中、心筋梗塞といった主原因の明確ではないシリアスな病気のほとんどは、遺伝によってリスクが高まるものではありません。
たとえ親兄弟に発病した人がいたとしても、あきらめる必要はありません。
そうした病気は、自らの努力によって、いくらでも避けることができるのです。

【「アンチエイジング」には気をつけたほうがいい】

いつまでも若々しくありたい。

男性でも女性でも、私たちは誰もがそう願っています。

とくに自らの肉体に衰えを感じはじめると、人は必死になって「老い」をくい止めようとします。
こうした老いに抵抗するためのさまざまな方法を総称して「アンチエイジング(抗老化)」といいます。

日本でもアンチエイジングは大変なブームになっていますが、正直な感想をいうと、なかにはお勧めできない方法もたくさんあります。
とくに外見を若々しく見せることを目的としたアンチエイジングには危険なものがたくさんあります。
たとえば、美しい肌を取り戻す方法として、多くの女性の注目を集めているケミカルピーリングは、肌の大切なバリア機能を壊し、かえって深刻な肌トラブルを招く危険性があります。

私たちの皮膚というのは、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」という三層構造をしています。
そのなかで水分の蒸発を防ぐとともに、異物の侵入を防ぐという「バリア」の役目を果たしているのは、わずか20ミクロン(1ミクロンは千分の1ミリ)の厚さしかない、表皮の「角層」部分です。
角層はとても薄いので、爪でひっかいただけでもバリアは損なわれてしまいます。
爪でひっかいた傷が赤くはれたりするのは、バリアが壊れたところから雑菌が入り炎症を起こすからです。

この大切な「バリア」である角層は、古くなった表皮が薄い膜のようになったもので、私たちが普段「垢」と呼んでいるものです。
ですから、「垢があるなんて汚い」といって、毎日アカスリでゴシゴシこする人がいますが、垢は皮膚のバリアとして必要だからそこに存在しているのです。
皮膚に必要以上に強い刺激を与えつづけていると、炎症や色素沈着を起こしやすくなるので、必要以上に垢を落とすことは避けたほうがいいのです。
アカスリなどしなくても不要な角層は自然とはがれ落ちるようになっています。

生物にはそれぞれ与えられた寿命があり、細胞にはその生物の寿命にとって理想的な新陳代謝のサイクル・スピードがあるのですから、そのスピードを狂わすようなことは必ず弊害を生みます。

しかも、ケミカルピーリングは、薬品を使い、角層はもちろん表皮までもはがして、強制的に表皮細胞の新陳代謝を促すのです。
たしかに、施術後すぐは美しくなったように見えますが、それはバリア機能ももたない未成熟な皮膚です。
水分を保持することも、異物の侵入を防ぐ力ももちません。
そんな未成熟な皮膚がいきなり外気にさらされるのですから、トラブルが起きてもおかしくはありません。
紫外線などの刺激にも弱く、かえってシミのできやすい肌になってしまうのです。

もう一つ、アンチエイジングで私が危惧しているのは、ヒト成長ホルモンを投与する方法です。
成長ホルモンとは、骨や筋肉の形成、新陳代謝などに関わる重要なホルモンですが、成人を過ぎたころからその分泌量は減少していきます。
分泌量のピークは10代で、40代になると約半分、80代ではピークの20分の1にまで減少します。

成長ホルモンの減少は、体にさまざまな老化現象をもたらします。
肌の張りがなくなるのも、運動能力が低下するのも、白髪が生えるのも、性機能が低下するのも、成長ホルモンの減少から来ています。

老化が成長ホルモンの減少から来ているのであれば、成長ホルモンを投与すれば老化をくい止めることができると考えたのが、ヒト成長ホルモンを投与するアンチエイジング法です。
実際、この方法を行うと体にはさまざまな変化が現れます。
脂肪分解作用が高まることによるダイエット効果、女性では肌の張りが回復するだけでなくバストアップも望めます。
そのほかにも身長が伸びたり、発毛育毛効果も現れます。

それほど大きな効果があるならいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、効果が大きいということは、それだけ大きな変化が体内で起きているということです。

では何が危険なのでしょう。

最大の懸念は、自然の摂理に反するということです。
本来なら成長ホルモンというのは、10代をピークに減少していくものなのです。
それを人工的に投与するということは、無理に成長期と同じ環境を体内に作り出しているということです。
新陳代謝が成長期のように活発になれば、たしかに肌に張りが生まれ、食べてもあまり太らなくなるでしょう。
ヒト成長ホルモンの投与を続けているあいだは、見た目は若々しいかもしれませんが、それによって遺伝子に仕組まれた細胞分裂の限界数が変わるわけではないのです。

もう一つ、私が問題視しているのは、現在使われている「ヒト成長ホルモン製剤」というのは、遺伝子組み換え技術によって人工的に作られたものだということです。
もちろん、ヒト成長ホルモン製剤も、きちんと認可を受け安全性が確認されているといわれているものが使用されるのですが、その安全性は動物実験によって確認されたものであり、実際に人間に何十年も投与した結果が検討されたわけではありまん。

私は、本当に健康的な生活を送っていれば、無理にアンチエイジングを心がける必要はないと考えています。

それが自然の摂理に合ったスピードであれば、「老化」に抵抗する必要はないと思うからです。
生き物にはそれぞれ与えられた「寿命」というものがあり、生物の体というのはそれをきちんとまっとうするためにもっともよいスピードで変化していくようになっています。
「老化」も寿命をまっとうするために必要なプロセスだということです。

【最高のアンチエイジングとは、健康に生きること】

現在、これほどまでにアンチエイジングがブームになっているのは、実年齢にふさわしくない老化スピードに悩んでいる人が増えているからだと思います。
実年齢は20代なのに、肉体年齢は40代、実年齢は40代なのに肉体年齢は70代という人も、いまや珍しくありません。

私の髪に白髪が交じりはじめたのは65歳を過ぎたころからですが、最近は40代でも白髪のほうが多くなってしまっている人がいます。

また、私は日々多くの人の胃腸を診ていますが、胃相・腸相の衰えは外見以上に深刻です。
胃腸は体の変化がもっとも早く現れる場所であるとともに、外見のようにお化粧や美容整形でごまかすことができないからです。

実年齢以上に体の老化が進んでしまうのには、さまざまな原因が考えられます。
動物食の過剰摂取、喫煙・飲酒という悪習慣、そしてストレスや電磁波などによるフリーラジカルの大量発生。
食品添加物や農薬なども老化を進める一因といえるでしょう。

日本人はよく「健康・長寿の秘訣を一つ挙げてください」という質問をしますが、実際には健康の秘訣を一つに絞ることなど不可能です。
食事や水、生活習慣や精神的なものなど、さまざまな要因によって、その人の「健康状態」は形づくられているからです。

どれほどよい食事をしていても、不健康な生活をしていたのでは、健康を維持することはむずかしいでしょう。
逆に規則正しく健康的な生活を送っていても、体に悪い食事をしていれば、老化はハイスピードで進んでいきます。
さらに、同じ食物でも、調理する水や食物そのものに含まれる成分によっても、体に与える影響は違ってきます。

日本人は、何かが「体によい」というと、それ一つを大量に摂りつづけることで健康を維持しようと考える人が多いのですが、人間の体というのはそんな単純なものではありません。

カテキンにしても乳酸菌にしてもポリフェノールにしても、たしかに「体によい」面はあります。
しかし、カテキンを多く含む緑茶も大量に飲みつづければ萎縮性胃炎から胃ガンになりやすくなり、乳酸菌を含むヨーグルトを大量に食べつづければ、腸相は悪くなっていきます。
一時期、赤ワインに含まれるポリフェノールが体にいいからといって赤ワインを毎日のようにがぶ飲みする人もいましたが、
そんなことをしていると毎日のアルコール分解に大量のエンザイムが消費されてしまい、ポリフェノール摂取のメリットよりもエンザイム消耗によるダメージのほうがはるかに大きくなってしまいます。

運動も、適度な運動は健康維持に欠かせないものですが、過激な運動はエンザイムを消耗するので、かえって体には毒です。
体を清潔に保つことは健康維持に必要ですが、ゴシゴシこすりすぎて角層を損なえば、皮膚のバリア機能を壊し、免疫力を低下させることになってしまいます。

何度もいうように、私たち人間の体は、何か一つよいものを摂ればいいというような単純なものではありません。
むしろ、どんなによいといわれるものでも、一つのものに固執しそればかりを摂りつづけることは、全体のバランスを崩す原因になりかねません。
体を健康に保つうえでは、必要なものの不足と同じくらい、過剰摂取や偏りも害となるのです。

多くの人は見た目を若々しく、美しくすることばかりを求めますが、本当の美しさというのは、健康な肉体からにじみ出てくるものです。
美容整形や間違ったアンチエイジング法で外見だけ美しくしても、体の中が変わらなければ、問題は何一つ解決しません。

健康に長生きするために必要なのは、自然の摂理に従った体によいもの、体によいことを、体のバランスを考えながら適度に取り入れていくことです。

ですから私は、患者さんたちには健康に生きるための方法として、次に挙げる「七つの健康法」をバランスよく行うことを指導しています。

①正しい食事
②よい水
③正しい排泄
④正しい呼吸
⑤適度な運動
⑥上手な休息・睡眠
⑦笑いと幸福感

この「七つの健康法」は、新谷食事健康法の基本であり、エンザイム・セラピーの具体的な実践項目となるものです。

健康な状態というのは、その生物にとってもっとも理想的なスピードで新陳代謝が行われている状態でもあります。
ですから、健康に生きることこそが、じつは最高のアンチエイジング法なのです。

【エンザイムが教える「長寿」と「健康」の秘訣】

私たちの健康のカギを握っているのは、エンザイム(酵素)の体内保有量だと、私は考えています。

エンザイムの体内保有量が多ければ、新陳代謝が正常に行われるのはもちろん、体内の解毒作用や免疫システムも正常に働くので、病気を防ぐことができます。

私が提唱している「七つの健康法」は、この大切なエンザイムの「補充」「活性化」「消耗防止」に効果があるものばかりです。

体に起きるトラブルは一つひとつの現象を見ているとじつにさまざまですが、その根本原因を突き詰めていくと、すべてエンザイムの不足に行きつくと私は考えています。
もちろんトラブルによって不足しているエンザイムの種類は異なりますが、どのエンザイムもミラクル・エンザイムから作られると考えれば、ミラクル・エンザイムの体内保有量を減少させないことが健康維持につながるということができます。

エンザイムの不足が、さまざまな病気の発生・悪化に関わっていることは、現代医学でも認められつつある事実です。
さまざまな分野でエンザイムの研究が進められているのも、そのためです。

現在はガンの治療法というと、外科手術と抗ガン剤治療が中心で、そのほかにレントゲン照射法、免疫療法等があります。
しかし、抗ガン剤治療は大きな苦しみを伴うにもかかわらず、それほど大きな効果が望めないのも事実です。
抗ガン剤治療が期待されるほどの成果をあげていないことは、日本人の死亡原因の第1位が「悪性新生物」、つまりガンであることを見ても明らかです。

ガンが完治できるか否かは、早期発見にかかっているともいえます。
ガンのステージが進行して手術によって病巣を取り除けないケースや、転移が進んでいるケースなど、抗ガン剤治療のみに頼らなければならない場合の治癒率は、まだけっして高くはありません。

アメリカでは、患者の負担が大きいうえ、あまり効果の高くない抗ガン剤治療に代わるさまざまなガン治療法が研究されています。
そのなかで、とくに注目されているものの一つに、パンクレアチンというエンザイムを投与することで膵臓ガンを治療するというエンザイム・セラピーがあります。
のちにデトックスの項で詳しく述べますが、このパンクレアチンを用いたエンザイム・セラピーでは、パンクレアチンの効果を高めるには、体内の毒素を素早く排泄し、肝臓の解毒機能を助ける「コーヒー・エネマ(コーヒー浣腸)」を行うことが有効だというデータが報告されています。

コーヒー・エネマは、私の「七つの健康法」の一つ「正しい排泄」でも提唱しているものですが、毒素を体内に長くとどめず排出するということは、解毒で消耗されるはずのエンザイムを温存することにつながるので、膵臓ガンに限らず病気の人にはお勧めの健康法の一つです。

本書でご紹介する「七つの健康法」は、さまざまなエンザイム・セラピーのなかでも、もっともリスクの少ない安全なものだと自負しています。
それは、この七つの方法がすべて「自然の摂理」にもとづく健康法だからです。
先ほどのパンクレアチンを使ったエンザイム・セラピーも、一般の抗ガン剤治療と比べればリスクははるかに少ないのですが、投与するパンクレアチン自体が人工的に作られたものを使用するうえ、人間の判断で投与する量を決めることになるので、多少のリスクは残ります。

しかし「七つの健康法」では、外部から取り入れるのは、自然から生まれた食べ物と自然から生まれたよい水か、自然に近いよい水だけです。
あとは体内環境がよくなるよう、自然の摂理に従って体内時計が正確に刻まれるような生活習慣を心がけるだけです。
必要なことは、エンザイムの生成も活性化も、体がその人の健康にとってもっともふさわしいかたちで行ってくれるのでリスクはまったくないといっても過言ではないでしょう。

もし、あえてリスクを挙げるなら、現状では体によい食物と水を手に入れるのに、多少のコストと手間がかかるということぐらいです。
でも、病気になって苦しみながら高い治療費を支払うことを思えば、健康に生きるためによい食物と水を手に入れるコストを惜しむのは愚かなことだとわかるはずです。

長寿の秘訣とは、エンザイムの消耗を防ぐことです。

健康の秘訣とは、エンザイムを活性化させ、体が本来備えている免疫機能とホメオスターシス(恒常性)を維持することです。

でも、それはけっしてむずかしいことではありません。
人間も自然の一部であることを理解し、自然の摂理を学び、自然の摂理に従った生活をすることが「天寿」をまっとうする生き方につながっているのです。

新谷弘実先生 著
     『病気にならない生き方② 実践編』 より抜粋