樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

総長カレー

2009年08月06日 | 木と飲食
カレーマニアの間ではよく知られた存在のようですが、京都大学の前総長はカレーが大好きで自らオリジナルカレーをプロデュースしました。その名も「総長カレー」。
小麦粉を使わずに香味野菜と9種類の香料とトマトで仕上げたソースに、リンゴとバナナで甘みを、ココナッツミルクでコクを加えたビーフカレーです。
学生食堂で名物になったため、レトルトパックを発売したところ2年たらずの間に10万食が売れたとか。私も以前いただいたことがあり、知り合いのカレーマニアにプレゼントしたら絶賛していました。
前回ご紹介した火起こしイベントの会場が京大だったので、オリジナルの「総長カレー」を食べに学生食堂に行ってきました。注文したのはステーキカレー。

       
              (総長カレーを使ったステーキカレー)

トマトを使っているせいかハヤシっぽい酸味があり、しかもスパイシーという独創的な味です。ステーキカレーは787円。レトルトパックの値段(630円)に比べると割安です。
私の学生時代の学食と違って店内もおしゃれで、白衣のウェイターがサービスしてくれますが、全てのメニューが昔の学食並みに大変リーズナブルでした。
この学生食堂の名前は「カンフォーラ」。クスノキの学名です。クスノキは京大のシンボルになっていて、ロゴマークにも描かれ、学歌にも「緑吹く 楠の葉風に 時の鐘 つぎて響けば…」と歌われています。その歌詞どおり、京大を象徴する時計台の前にクスノキの大木が立っています。


       
                  (時計台とクスノキ)

「カンフォーラ」はラテン語ですが、オランダ語では「カンフル」。ダメになりかけたものを回復させるとき比喩的に「カンフル剤を打つ」と言いますが、クスノキから採取した樟脳から強心剤を精製したのでこう呼ばれるようになったそうです。
また、クスノキ科の樹木は香りがいいので料理によく使われます。肉料理に葉を使うゲッケイジュも、香り付けに使うシナモンやニッキも、爪楊枝の材料クロモジもクスノキの仲間。総長カレーにもゲッケイジュの葉が使われているのではないでしょうか。
カレーマニアはぜひ総長カレーをお試しください。通販サイトはこちら
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2 コメント

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カレー (guitarbird)
2009-08-08 10:19:29
これはおいしそうですね。
でも私が食べるなら、最初はステーキがないほうが
カレーの味がよく分かっていいかな、と思いました(笑)。
カンフル剤の意味はそういうことなのですね。
いつも勉強になります、ありがとうございます。
ちなみに北大のシンボルはエルム=ハルニレで、
構内に巨樹くらすの大木もたくさんありますが、
旧帝大はみなそういうものがあるのかな、とちょっと思ったり。
返信する
元のカレーは (fagus06)
2009-08-09 10:02:21
レトルトで食べたことがあったので、食堂ではステーキカレーにしましたが、おっしゃるようにカレーのままにしておくべきでした。(笑)
北大のシンボルはポプラかなと思っていましたが、ハルニレでしたか、なるほど。
東京大学はイチョウがシンボルになっているようで、校章もイチョウの葉がモチーフになっていますね。
返信する

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