樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

病気と樹

2008年10月24日 | 木と医薬
O.ヘンリーの短編小説『最後の一葉』は、病室から見えるツタの葉に生きる勇気をもらって、瀕死の女性が回復するというストーリー。以前、当ブログでもご紹介しました。その話を科学的に実証するようなデータが『サイエンス』誌に発表されたことがあります。

       
      (近くの大病院の植え込み。サクラ、ナンキンハゼ、クスノキなど)

アメリカのある病院で、胆のう摘出手術を受けた患者を、窓から庭の樹木が見える病室と、建物の壁しか見えない病室に分けて比較したところ、前者の患者の退院までの日数が平均7.9日であったのに対し、後者は8.7日。わずかな差のようですが、統計学的には有意な数字だそうです。
また、術後の痛み止めや精神安定剤の使用量にも差が出たとのこと。調査した研究者は、「単調な壁よりも緑色の自然な景色が手術後の不安を鎮めるのではないか」と話しているそうです。

       
             (この病院にはバラ園も設けてあります)

私も足の骨折で4ヶ月入院したことがありますが、その病室からは隣のビルしか見えませんでした。病気とケガでは効果が違うかも知れませんが、樹木が見えていたらもっと早く退院できたかも…。
みなさんも、もし入院するようなことになったら、樹木の見える病室を希望した方がいいですよ。
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2 コメント

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そう考えます (guitarbird)
2008-10-26 11:00:16
私もやっぱり入院する時の最大条件は眺めにしたいです。
そういえば昨年父が死んだ時、その病院に行って、窓から外を眺めて、
これが父が見た最後の景色だったんだと思うと感慨深くなりました。
ちなみに10階で、東京の都会ですが、眺めは悪くなくて、
その点では父もよかったのかなと思いましたが、
そこはまだ建てられて10年経ってない新しいビルのせいか、
樹木は植樹されたものがはるか下のほうに見えるだけでした。
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そうでしたか (fagus06)
2008-10-27 07:05:54
病院で亡くなる場合は、その窓の景色が最後の眺めになるわけですね。
自分自身に置き換えると、やっぱり自分の家からの眺めを見ながら死にたいです。
入院するなら、事前に樹木の見える病室があるかないか調べておかないと…。
お父様が最後に見られた景色が、いい眺めで良かったですね。
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