レオナルド・ダ・ヴィンチが現在の飛行機やヘリコプターに相当する装置を考案していたことはよく知られています。しかし、そのために鳥を詳しく観察し、「鳥の飛翔に関する手稿」という研究ノートを遺していることはあまり知られていません。
そのノートの復刻版を岩波書店が出版しています。トリノ王立図書館所蔵の原本を忠実に、紙のサイズ、綴じ方、切り口の不揃い、汚れまで実物そのままに再現した貴重な資料です。ダ・ヴィンチが鳥をどう見ていたのかを知りたくて、図書館で閲覧してきました(もちろん帯出不可)。
その解説によると、ダ・ヴィンチは1503年~1506年のフィレンツェ時代に鳥を集中的に観察していたようです。ノートに登場する鳥はワシ、タカ、トビ、ミミズク。コウモリも出てきます。図にはツバメとおぼしき鳥も登場します。
ノートの余白に描かれた鳥の絵。ツバメかな?
ダ・ヴィンチは自然を力学的に再現すれば人間も空を飛べると信じ、鳥の飛行を詳しく観察することでその原理を解明しようと考えました。「鳥(人工の鳥)は数学的法則に従って働く機械である。人間はこの機械が鳥の運動のすべてを再現するように作ることができる」と書いています。
そして、鳥の飛行力学について、例えば次のように記しています。
「鳥が両翼を羽ばたきながら、右か左に曲がろうとする時には、曲がろうとする側の翼をより深く打つだろう」
「鳥が上昇しようとする時には、両翼の先端を自分の方に打ち、両翼の先端と鳥の胸の間にある空気を圧縮する、この空気の圧縮が鳥を高く上昇させるのである」
ダ・ヴィンチは鳥と同じように翼を羽ばたかせて飛ぶ機械を作ろうと考えていたようですが、やはり無理があったようで途中で断念。ネジ式のヘリコプターのような飛行装置に方向転換します。
こっちはタカでしょうか?
ダ・ヴィンチの研究から約500年後の1903年にライト兄弟によって飛行機が開発されます。しかし、現代の科学技術を以ってしても、鳥のように羽ばたいて飛ぶ装置はまだ実現できていません。人間はまだ鳥の域に及んでいないわけです。
ま~、「その必要はない。固定翼の飛行機で十分」と言われればそれまでですが…。
そのノートの復刻版を岩波書店が出版しています。トリノ王立図書館所蔵の原本を忠実に、紙のサイズ、綴じ方、切り口の不揃い、汚れまで実物そのままに再現した貴重な資料です。ダ・ヴィンチが鳥をどう見ていたのかを知りたくて、図書館で閲覧してきました(もちろん帯出不可)。
その解説によると、ダ・ヴィンチは1503年~1506年のフィレンツェ時代に鳥を集中的に観察していたようです。ノートに登場する鳥はワシ、タカ、トビ、ミミズク。コウモリも出てきます。図にはツバメとおぼしき鳥も登場します。
ノートの余白に描かれた鳥の絵。ツバメかな?
ダ・ヴィンチは自然を力学的に再現すれば人間も空を飛べると信じ、鳥の飛行を詳しく観察することでその原理を解明しようと考えました。「鳥(人工の鳥)は数学的法則に従って働く機械である。人間はこの機械が鳥の運動のすべてを再現するように作ることができる」と書いています。
そして、鳥の飛行力学について、例えば次のように記しています。
「鳥が両翼を羽ばたきながら、右か左に曲がろうとする時には、曲がろうとする側の翼をより深く打つだろう」
「鳥が上昇しようとする時には、両翼の先端を自分の方に打ち、両翼の先端と鳥の胸の間にある空気を圧縮する、この空気の圧縮が鳥を高く上昇させるのである」
ダ・ヴィンチは鳥と同じように翼を羽ばたかせて飛ぶ機械を作ろうと考えていたようですが、やはり無理があったようで途中で断念。ネジ式のヘリコプターのような飛行装置に方向転換します。
こっちはタカでしょうか?
ダ・ヴィンチの研究から約500年後の1903年にライト兄弟によって飛行機が開発されます。しかし、現代の科学技術を以ってしても、鳥のように羽ばたいて飛ぶ装置はまだ実現できていません。人間はまだ鳥の域に及んでいないわけです。
ま~、「その必要はない。固定翼の飛行機で十分」と言われればそれまでですが…。
図書館に本を見に行かれたのですね。
ダ・ヴィンチでも人間は鳥のように飛べると考えていたのは、ある意味人間のそういう面が科学を発展させたのでしょうけど、一方、ダ・ヴィンチのような人でも自然には追いつかなかった、ということなのでしょうね。
ただ、無理だと気づいて人間でもできる別の方法を考えたのはさすがと思いました。
ただ、人間が作るものの場合、羽ばたく飛行機よりも今の固定翼の飛行機のほうが消費エネルギーがはるかに少なそうで、それはそれで理に適っていると思います。
でも、遊び用の小さなもので、羽ばたいて飛べるロボットが作られると面白そうですが。
羽ばたくということは、ものすごいエネルギー消費のようですね。小鳥もそうですが、ハクチョウなど大きくて重い鳥が羽ばたいて渡って行くというのは、いかに重労働かが分かります。
日本にも、鳥を観察して飛行機を作ろうとした人物がいます。そのこともいずれ記事にしようと思っています。