樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ラーメンと野鳥

2016年09月08日 | 野鳥
前回の記事「TPPと野鳥」で、干拓地の休耕田がネギ畑に変わって鳥がいなくなったと書きました。それは事実ですが、「京都府ではネギが転作奨励作物になっているようです」という記述は間違いでした。
実際は、地元のある農業法人がネギの新しい事業モデルを成功させたので、ネギの契約栽培に切り替える農家が増えたということのようです。その事業の中心が、ラーメン用のネギ。
この農業法人の社長が前職(アパレルの営業)の経験を生かして、ラーメン店を全国展開する企業にネギをセールス。収穫したまま供給するのではなく、店の要望に合わせてカットし、クール便で全国配送するという事業を立ち上げたのです。
白ネギを使っていた関東のラーメンチェーンにも京都特産の九条ネギ(青ネギ)として売り込み、今や年商6億円。干拓地の横には、新工場が建ちました。
農家にしてみれば、休耕田にして国から7,500円(/反)もらうよりも、ネギを栽培した方が高収益。しかも、ネギは周年栽培できる。こうして、ネギ畑が増える→休耕田がなくなる→シギやチドリが来なくなる、というわけです。
下のネギ畑も、去年はセイタカシギ、ツルシギ、コアオアシシギの3種が同時に入った広い休耕田でした。



ラーメン店が繁盛すればするほど、この干拓地のシギやチドリは減るわけです。それでも、時間があれば干拓地に出向いて鳥を探しています。
鳥の姿が少ない中、ムナグロはいつもどおり立ち寄ってくれました。湿った休耕田でも乾いた休耕田でも採餌できるので影響が少ないのでしょう。



湿った休耕田がなくなって影響を受けるのは、セイタカシギ、オグロシギ、ツルシギなど大型のシギ、トウネン、ヒバリシギなどの小型のシギのようで、今シーズン私はまだ出会っていません。
ラーメンは大好きだけど、鳥も大好きだし、困ったな~。
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2 コメント

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Unknown (guitarbird)
2016-09-14 23:50:05
こんばんわ
このように具体的な流れが分かる例を見るといろいろと考えさせられますね。
ラーメンが日本人の米消費量の減少の一役を担っているかもしれないし。
シギチは今年は一度はどこかに見に行きたいと考えています。
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そういえば (fagus06)
2016-09-15 09:43:38
私自身もラーメンを食べる頻度が、昔に比べると増えています。
基本的にはご飯が好きですが、朝はパン、昼は麺のことが多く、ご飯は夜だけです。
シギ・チドリのために、ラーメンを減らそうかな?(笑)
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