樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

口にしてはいけない樹

2006年06月30日 | 木と医薬
そろそろ夾竹桃が花を咲かせ始めました。うちの近所にも、赤と白の夾竹桃を植えた生垣があります。

      

この樹が有毒であることをご存知の方は多いと思います。明治初期の西南戦争で、官軍の兵士がキョウチクトウの枝を折って箸がわりに使ったところ中毒になったという記録があるそうです。
よく似た話がヨーロッパにも残っています。西仏戦争の際、フランス兵がマドリードでセイヨウキョウチクトウの枝に肉を刺して焼いて食べたら、11人の中毒者が出て内7人が死亡したといいます。

      

イタリアでは別名「ロバ殺し」、インドでも「馬殺し」という名前があるそうです。また、日本の博物学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)は、「ヨーロッパでは不幸を招く不吉な樹として忌み嫌われている」と書いています。

      

日本には江戸時代に渡来したようです。花が桃に、葉が竹に似ているので「夾竹桃」と名づけられましたが、その花も葉も、枝も根も有毒です。目にするだけで、決して口にしてはいけませんよ。
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