明日を夢見て~神様と筋ジストロフィーと共に生きる~

クリスチャン。デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者で電動車椅子と人工呼吸器を使っている。

2010~今日までそして明日から~

2010年12月31日 19時38分58秒 | 日常
♫BGM♫ 
今日までそして明日から/吉田拓郎 
「私は今日まで生きてみました 
時には誰かの力を借りて 
時には誰かにしがみついて 
私は今日まで生きてみました 

そして今私は思っています 
明日からもこうして生きてゆくだろうと」 

2010年が終わるぅー! 
年を重ねる度に時間の流れが早くなるって本当なんだな。(笑 

~2010年を振り返る~ 

今年は苦難の年だった。 

まず去年の3月から今年の3月まで、慢性的な頭痛・胃痛・嘔吐・息苦しさ・夜中の覚醒・倦怠感・記憶力低下などの症状が続き、5回も体調不良で入院した。 
でも主治医には原因が分からなかった。 

だから受験も上手くいかなかったんだよね。 
1月・2月の受験本番も↑の症状で苦しんでいたから、簡単な問題さえも間違えてしまうし、散々な結果に。。 
なんとか一つだけ合格したけれど。 

そして受験が終わり、徳島病院で、3月に検査してもらい、↑の慢性的な症状は全て呼吸状態の悪化と嚥下障害によるものだと分かったので、治療した。 

そして非侵襲の人工呼吸器(NPPV)を使用するようになり、食事はペースト食を摂取するようになったら、↑の慢性的な症状は一切無くなった。 

4月になって、地元の大学に進学したけれど、大学や学部は希望のとこではなかったし、毎日大学に通う体力がなくなったので、8月で退学した。 

次に、9月に参加したNPPVネットワークという団体の活動で、筋ジストロフィー病院の悲惨な現状を伝えたり、非侵襲の人工呼吸器(NPPV)に関する病院の格差を無くすため、厚労省で陳情をした。 

2010年の活動はこんなところかな。 
今年はこれまでの人生の中で、かけがえのない経験をしたから、今なら次のように思える。 

挫折したり、死にかけた経験をした人間は強くなると。 

もちろん苦しかった時は生きていることが嫌になりました。 
でもたくさんの人の支えで、その苦しみを乗り越えた。 
リアルの友人がいない僕だけど、気にかけてくれる人がいたから、いま生きているんだなぁ。 

おかげで難病という苦しみの人生に、「肉体は弱くなっていっても、苦しみを通じて精神的に豊かになる」という意味を見出すことができ、死ぬ瞬間まで人生を諦めず、希望を持って生きていこうと思えるようになったんだよね。 

人間は苦しい時、「自分は孤独だ、自分は不幸だ」とよく言ってしまいます。 
でも言葉にしている時点では、まだ大丈夫なんですよね。 
本当に孤独や不幸だったら、生きることは不可能だし、言葉になんて出来ないですから。。 

まだ僕は生きている、いま僕は生かされている。 
だから2011年も生きていきます。 

これからやりたいこと、やらなければならないことは、今のところ分かりません。 
2011年はその人生の目標を見つけたいな☆ 

たとえ目標を叶えることができなくても、死ぬ瞬間まで生きることに意味があるのだと思う。 


「人生はクローズアップで見れば悲劇 ロングショットで見れば喜劇」 by チャーリー・チャップリン 

「迷ったらダメなんだな。 人生の答えなんて、考えたって分かるものじゃない。 ただ、そのときそのときを、 ぎりぎり一杯生きている奴だけにその答えは見えてくるんじゃないだろうか。」 by 藤本義一 


「人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。」  by リチャード・M・ニクソン 

「人生が終わってしまうことを恐れてはいけません。 人生がいつまでも始まらない事が怖いのです。」 by グレース・ハンセン 

「我々の人生が素晴らしく、またうまく生きられるには、 我々がそれをはっきりと理解していたかどうかが重要なのではない。 ともすれば、我々が軽蔑しがちな方面から生活が豊かになることが多いのである。」 by テイヤール・ド・シャルダン

「まなビュッフェ フォーラム」

2010年12月28日 12時56分05秒 | 日常
先週の木曜日は、福岡県春日市にある男女共同参画センター「あすばる」で行われた「まなビュッフェ フォーラム」という勉強会に行って来た。

まず最初に2名の講演会があった。
僕は株式会社ウンゴロウンゴロ 代表取締役の城ノ石ゆかりさんのお話が印象に残った。

どんな時間も人生の本番だから無駄にしてはいけない。
だから環境に左右されない自主性を持ち、自分自身にコミットしていく。
そのためには気持ちをリセットする方法を持つとよい。
そうすれば人生が豊かになっていく。

こんなことを語っていた。

ちなみに城ノ石さんは、生き方に悩んでいた時期に、インドのカルカッタでマザーテレサと出会い、人生観が変わったらしい。
確かにマザーテレサに影響を受けているなと感じた。

例えば仕事でコピーなどの雑用をしている時、楽しくするか、つまらなくするかで人生が変わるということを語っていた。

マザーテレサの言葉にも「誰にでもできることを自分にしかできないやり方でする」というものがある。

小さなことに忠実な人は大きなことにも忠実なんだね。
まずやってみることが大事。
誰にでもできる仕事も、試行錯誤を重ねることで、自分にしかできないやり方を見つけることができるのかな。

講演会が終わったら、次に勉強会があった。

僕は「ふくおか明るい読書会 恒例の1分間・自己紹介力を高めよう」と「福岡の歴史について学ぼう!」に参加しました。

前者は1分間の自己紹介の仕方というものを学びました。

ただ単に自分のことを紹介してもインパクトがない。
すぐに忘れられてしまう。

相手の心を捉えるつかみを大事にしたり、自分の本名と自分のやりたいことをつなげてみたり、過去の自分や未来の自分をしっかりと相手に伝えるなど。

僕は今まで漠然と自己紹介をしてきたけど、それではいけなくて、相手にインパクトをどれだけ与えることができるかが肝心なんだなぁ。

それにしても1分間で自己紹介をするのは難しい。
僕は1分間で終わらせることに意識を集中してしまい、約15秒も時間を余らせてしまった。
これはもったいないよね。
1分間ピッタリで自己紹介ができるように、これから練習していきたい☆

後者は玄洋社という福岡の政治結社についての話だった。
玄洋社の人々は、自分の功績に執着せず、自分の名前を歴史に残そうとせず、命を投げ出して、無私の精神で大きなことをやり遂げた。

もちろん正しいことをしたかどうかの評価は時代によって変わる。
でも自分の信念を貫き通した姿は尊敬する。
やっぱり人生って妥協してはいけないんだなぁ。
悔いなく生きた者だけが悔いなく死を受け入れることができるのかもしれない。

ちょうどいま放送している「坂の上の雲」の人物たちとつながりがある政治結社なので、興味深い内容だった。
インドや中国の組織とも交流があったのは凄いと思った。

自分の功績に執着しないのは強い精神力が必要だと思う。
僕にできるだろうか。
その前に功績すら作ることができないだろうなぁ。
だからまずはやってみることから始めていきたい☆

新しい出会いもあったから、勉強会に参加して良かった!!
これからもこういったイベントに参加していきたいなぁ。

道しるべ

2010年12月27日 23時05分05秒 | 日常
こんばんは♫
久しぶりの日記です。

最近はよく外出しているから、書きたいことがあるんだけど、日記に書けずにいたんだよね。

12月18日は「映画  武士の家計簿」を観に行ったり、23日は福岡県春日市にある男女共同参画センター「あすばる」で行われた「まなビュッフェ フォーラム」に行ったり、24日はキリスト教会のクリスマスイブ礼拝に出席しました。

また一つずつ感想を書いていきたいと思います。

今日はリハビリの帰りに紀伊国屋で「道しるべ/ダグ・ハマーショルド」という本を購入しました。

先月、元国連事務総長のダグ・ハマーショルドの特集がNHK教育で放送されていたんですよね。
その時に「道しるべ」の紹介があったので、気になって購入したわけです。

番組の中で「道しるべ」の内容が読まれていたんだけど、次の言葉が忘れることができない。

「人は端正さを保ち続けながら死ななければならない」

ハマーショルドがここで言う端正さとは、個人が持つアイデンティティの根幹にあるものだと思うんだよね。

じゃ僕の端正さって何だろう?
ずっと考えてみた。
それはきっとキリスト教信仰とQOLを大事にする死生観だ。

僕が信条としている、どれほど困難な人生でも、意味を見出すことができれば、希望を持つことができるということは、まさしくキリスト教信仰があるから実感できたこと。

そして僕の死生観の根幹にあるものは、無意味な延命治療をして心が死んだ状態で生きたくはない。それよりもQOLを大事にして生きたいということ。

このふたつのことは、自分の命に代えても守り抜きたいんだよね。

死を目の前にしても、自分の端正さを保ち続けることができれば、死はマイナスではなくなるし、人間の尊厳を守ることになると感じた。

「道しるべ」を読み終わったら、また感想を書くつもりでいます☆

新しい人工呼吸器

2010年12月12日 16時45分19秒 | 日常


♫BGM♫
GIFT/Mr.Children
「降り注ぐ日差しがあって
だからこそ日陰もあって
そのすべてが意味を持って
互いを讃えているのなら
もうどんな場所にいても
光を感じれるよ」

12月6日から12月11日まで新しい人工呼吸器の導入のため、国立の福岡病院に入院していました。

新しい人工呼吸器はアメリカの会社フィリップスのトリロジーというものです。

設定変更などの操作もタッチパネルで簡単だし、重量も軽く、内蔵バッテリーだけでなく外部バッテリーも2つ付けることができ、呼吸器の使用状態をSDカードに保存して記録できるという優れもの。

僕の体にマッチしたので、これからトリロジーを使用していくことにしました。

それにしてもアメリカの医療機器の進歩は凄まじいね。
さすが宇宙に移住しようと計画している大国だ。
これからますます人工呼吸器などの医療機器は進化していくんだろうなぁ。
難病患者にとってはありがたいことだ。

そして5日間入院して感じたことがある。
小児科病棟で入院したんだけど、5歳くらいの子供や赤ちゃんが夜中泣き叫んでいた。
ぜんそくやアレルギー、小児がんの子供がいたから、おそらく体が苦しかったんだろうね。

幼い時期から病気で苦しむって想像を絶すると思う。
僕はもうすぐ20歳だから多少の痛みや苦しみは耐えることができるけど、小さかったら泣き叫びたくなるよなぁ。。

どうしてこの世界には病気などの不条理があるんだろう。
僕は何ができるんだろう。
泣き叫ぶ声で眠れなかったから、夜中ずっと考えていた。

人間は苦しくなると自分のことしか見ることができなくなる。
僕なんていつもそうだ。
だから苦しい時でも周りのことも見ていきたい。

結局僕ができることはどう生きるかなんだろうなぁ。

三浦綾子の氷点という作品に次の言葉がある。
「自分だけが不幸だと思ってはならない。そうなると自分に出会う全ての人が不幸になる」

でも反対にどんなに苦しい人生でも希望を持ち、諦観しないで生きることができれば、周りの人々にも良い影響を与えられるはず。

今回も良い経験になりました。