ことばを鍛え、思考を磨く 

長野市の小さな「私塾」発信。要約力、思考力、説明力など「学ぶ力」を伸ばすことを目指しています。

教科書が読めない

2005年07月05日 | ことば・国語
中学生を見ていると、特に社会や理科で、教科書や参考書に書いてあることの意味が分かっていない子がチラホラといます。説明を読んでもさっぱり理解できないのです。

それぞれの教科のいわゆる「用語」を知らないだけなら、前のページに戻れば当然解説があるはずですから、そこで解決できます。しかしそれだけではなく、文章を読む上で、中学生としての基本的な語彙が不足している子が少なくないのです。

どんな言葉がわからないのか、歴史の教科書(東京書籍版)から例を拾ってみます。
各文中の赤字の部分が該当個所です。「用語」は除いてあります。

「中大兄皇子は、西日本の守りを固めるとともに、全国の戸籍をつくるなど、改新の政治を進め、 やがて即位して天智天皇となりました。」
栄華をほこった平氏でしたが、朝廷の政治を思うままに動かし始めたため、貴族や寺社の反感を招き...。」
「新政府は、欧米の強国に対抗するため、経済を発展させて国力をつけ、軍隊を強くすることをめざしました。」

この他にも開墾、諸藩、迫害、布教、風俗、鎮圧、普及...さらにはたな上げ、なかだちなどに至るまで、数え上げていけばキリがありません。

こんな状態ではいくら勉強しても、内容をしっかり理解することは不可能に近いでしょう。
これらの言葉の多くは、小学校で当然身につけていなければならないもの...。教科書執筆者もそれを前提に書いているはずです。仕方がないので、あまりにもひどい子には小学校生用の問題集をさせています。内容的にもこれで十分役に立ちますよ。

やはり、まずは語彙力、国語力です。これなしでは先に進めません。
意味もわからず暗記するだけなら必要ありませんが...。

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