三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

明治学院礼拝堂(白金キャンパス)

2014年05月25日 | プロテスタント
1916年竣工の明治学院礼拝堂
(住所:東京都港区白金台1-2-37)

青山学院の大学礼拝に参列した後、私は白金台の明治学院を訪ねた。明治学院は、「ヘボン式ローマ字」で知られるヘボン博士(1815-1911年)の創立。「1859年に、アメリカ長老教会から日本に派遣されたヘボンは、病に悩む人々に医師として医療を施し、日本で最初の本格的な和英・英和辞典を編纂し、明治学院の起源となるヘボン塾を1863年に創設しました。帰国するまでの33年間、日本人のために計り知れない貢献をしています」(明治学院「白金キャンパスガイド」を要約)。

都営バスの明治学院前停留所で下車。キャンパスは新緑の季節で、アンネのバラも咲いていた(ホロコースト記念館から移植)。その中心にそびえる英国ゴシック様式の明治学院礼拝堂(1916年竣工)はヴォーリズ(注)の設計で、彼自身も一柳満喜子嬢との結婚式をここで挙げた。そして、毎日のチャペル・アワー(大学礼拝)が行われているのもここ。それは「オルガンの前奏、聖書に基づくメッセージ(奨励)を聞いて、心を落ち着かせる時間」という。機会があれば、ぜひ参列したい。

島崎藤村と明治学院」の記事でも触れたが、白金キャンパスは歴史的建造物の宝庫である。煉瓦と木造の二重構造が美しい明治学院記念館(1890年竣工)の新築当時の情景は、藤村の小説『桜の実の熟する時』に描かれている。現在、館内には小チャペル、歴史資料館などがあり、この日は特別展「聖書和訳と明治学院」が開催されていた。さて、白金台の歴史散策を終えた私は学食で休憩。ここで、ヘボン博士が愛したカレーを再現したという「ヘボンカレー」を食することにしよう。


礼拝堂内観


1889年頃竣工の明治学院インブリー館
<都内における最古の宣教師館。国重要文化財>

(注):ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories:1880-1964年)。アメリカ出身の建築家。日本に於けるプロテスタント教会の礼拝堂を多数設計(日本福音ルーテル市川教会、日本基督教団・武蔵豊岡教会など)。その傍ら、メンソレータム(メンターム)でおなじみの近江兄弟社を創立。

◆主な参考文献など:
・「明治学院の歴史と想いを訪ねて」 明治学院歴史資料館編(同資料館・2010年?)
・「明治学院文化財ガイドブック」 明治学院編(明治学院・2013年)
・「桜の実の熟する時」 島崎藤村著(岩波文庫・1969年)
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