カトリック高円寺教会(教会堂名:聖ヨハネ・マリア・ビアンネ)
創立:1928年 ◇ 住所:東京都杉並区高円寺南2-33-32
創立:1928年 ◇ 住所:東京都杉並区高円寺南2-33-32
JR中央線の高円寺駅で降りる。南口を出て、閑静な住宅街を歩く。この辺りは各宗派の寺院が密集した「寺町」となっている。明治から大正にかけて、都心からの移転を余儀なくされたという。その読経が聞こえる一角に、高円寺教会の十字架が立っている。さらに、この教会を中心としたエリアのみが、寺町の中で“カトリックの出島”を形成している。ベリス・メルセス宣教修道女会、光塩女子学院(初等・中等・高等科)などのカトリック諸団体が集まっているからだ。
高円寺教会の歴史は古く、昭和初期にパリ外国宣教会の協力によって創立された。 東京郊外と呼ばれた地域で、戦前からの伝統を有する数少ない教会である。その敷地を見渡すと、広場の中心部が凹んでおり、周縁部に建物が配置されている。何とも不思議な地形だ。聖堂の扉を開けると、太陽の光が満遍なく注がれている。木の温もりも素晴らしい。なお、先日訪れた吉祥寺教会は、高円寺の分教会だったことを追記しておく。どちらも「寺」と付く名の教会である。
高円寺教会と隣接して、光塩女子学院の校舎がある。ここは、1931年創立のカトリック系ミッション・スクールだ。校名の「光塩」とは、聖書の言葉「世の光、地の塩」に由来するという。学園の経営母体は、ベリス・メルセス宣教修道女会(本部スペイン)。その日野修道院の敷地内に、高幡教会があることは既に述べた。ふと時計を見ると、聖イグナチオ教会の正午ミサが迫っているではないか。学院前の聖母子像に見送られながら、私は中央線の高円寺駅へと急いだ。
現聖堂献堂:1949年