Elevenses Laboratory

爬虫類・蟲系ぺっとぶろぐ

Elevenses Laboratory流、ヤスデのダニ取り術

2007-05-28 | 多足類
 今日はヤスデに寄生するダニの取り方を紹介してみる。
まぁ、正直言って「○○流」などと大げさに銘打つ程の物でもないのだが、参考までに見てやって下され。

因みに、ここで取り扱うダニとはビッシリと集団でこびり付くタイプの小さいダニではなく、歩き回るタイプの大型のダニの事なのであしからず。こびり付くタイプの方は、脱皮の時に抜け殻からこそぎ落としてしまうか、カブクワ用の活性炭を床材に混ぜる事で対処して頂きたい。
また、この方法はダニを完全に殲滅できる手段ではないので、その点も御了承願いたい。




 まずは利き手にダニ取り用のブラシを持ち、もう片方の手のひらにヤスデを乗せる。
ヤスデの脚は体の真下から左右に広がる形で生えている。ダニが潜みやすい箇所はこの足の付け根と体の側面に生じる隙間となる。(赤いラインの箇所)
ヤスデは手に持つと丸まってしまい、問題の箇所が少し隠れてしまうが、ブラッシング中に歩き回られるよりはやり易いのでこれで問題無い。
取れたダニがそこら中に散らばってしまってはマズイので、作業は洗面所か浴室で行おう。




 因みに、ダニ取り用のブラシは某100均ショップで売っている。
ピンセットも付属する優れものなので、飼い始めの頃に買っておけば重宝するだろう。



 隙間が小さくてダニ取り用のブラシが届かない場合や、ヤスデの体格が小さい場合は、模型塗装用の面相筆を使うとよい。
面相筆は写真の通り毛束が大変細く造られている為、細かい作業に適した筆なのだ。大抵の模型屋で売っているので、なるべく硬い毛の物を選んで導入してみてはいかがだろうか。
もちろん、塗装用として使用した事のある筆を用いるのはお勧めしない。模型用の塗料なんて、恐らくヤスデにとって体にいい物ではないだろう。




 では、実際にブラッシング工程を説明していこう。
ダニは先述した箇所に集団で潜んでいるので、やはりここを重点的に攻める事になる。
まずはブラシを脚と体側部の隙間にあて、そのままヤスデが傷付く事の無いようブラシをゆっくりと沿わせる。
(この段階では隙間が狭い為、ダニを落とす効果は期待できない)




 するとヤスデは脚を守ろうとし、丸まったまま体を捻らせ、歩脚を手のひら側に隠そうとする。




 ここで裏返しにする。
ご覧の通り、この状態なら脚と体側部の隙間も広がっており、ブラシが非常に入りやすい。隙間からダニをブラシで掻き出し、体表へ逃れてきたらすかさず払い落としてやろう。
やがてヤスデは再び体を捻って歩脚を下に隠そうとするので、こちらも再びヤスデを裏返しにして反対側を掃除する。
あとはこれを何回か繰り返していくだけで、ダニを効率的に落とす事が出来るだろう。
ただし、ヤスデを弱らせない為にも、あまり時間をかけるのは避けたいところだ。



このとき留意すべき注意点として、ブラッシングの力加減が挙げられる。
あまり力みすぎるとヤスデの脚を傷付ける恐れがあるし、逆に弱すぎるとダニが取れないのだ。
丁度良いさじ加減を己の目で見極めて欲しい。
また、なるべく脚を傷付けないようにする為にも、ブラッシングは脚の生える方向と同じ様に、頭側から末尾側の方向へかけて行った方が好ましいかなと個人的に考えている。




 おまけ。
これだけ大きいヤスデだと、ヤスデ汁による被害も甚大だ。
まぁ、手の色が変色するだけで臭いはそのうち消えるので私は気にしない事にしているのだが、薄手のゴム手袋(手術の際に医師が使っているようなヤツ)があればこの問題もクリアできるだろう。




ポエキロタワー増設

2007-05-27 | クモガタ類

 レガリスを追加購入。
二世帯住宅から三世帯住宅になった。



 今度こそメスに当たるように厳選して購入したつもりだが、元からウチに居たレガリス(オスっぽい)よりも一回り小さいため、性成熟した状態で二匹が揃う事は無いかもしれない…。

 まぁ、オスだけ飼ってても仕方ないし、やっぱりタランチュラは長く楽しみたい。メスが出るまで意地でも買い続ける覚悟だ。






モサモサ歩脚を16本追加

2007-05-21 | クモガタ類
 なんか最近クモガタ類を更新する頻度が高いなぁ…。
よし、これもいい機会だから、ついでに最近購入したクモ2匹も紹介してしまおう。




 まずはパラグアイホワイトヘアード(Grammostola sp. "Formosa")。
以前から何となく気になってはいたのだが、同じグラモのpulchraとキャラが被っている気がして今までは回避していた。
しかし、コイツを買った日は他に目当てのクモもいなかったため、折角だからこの機会に買ってみようと思い立ち購入に踏み切ったのだった。




 で、結論から言うと、コイツは大正解だったかもしれない。
ショップの暗い照明では聊か地味に見えた本種だったが、いざ自宅の室内灯の元で見てみると、その毛並みはなんとも上品に輝くではないか。黒い地色から白銀の繊毛が密に生えた風貌は、どちらかというとG. pulchraよりもG. mollicomaに近いかもしれない。かといって決してキャラが被っているなどという印象では無く、他のグラモより短い繊毛が本種の個性を確固として特徴付けている。
さらに、このクモは非常に貪欲で、無尽蔵かと思わせるくらいに餌を食べまくる。
捕食の動作も寸分の無駄無くシュピッと機敏なため、このクモを飼うにあたって給餌はかなり大きなイベントと言えるだろう。

 因みに、この個体の性格は大人しめなようだ。
ショップではカップ越しに牙をむいてくるような個体もいたため、恐らく個体差が大きいのだろう。








 お次はバイーアスカーレット(Lasiodora klugi)。



ねんがんの ラッシーをてにいれたぞ!





 正直言って私がこの種に惹かれないわけが無いのだが、悪名高い刺激毛の脅威を警戒して今まで手を出さずにいた。
しかし、コイツを目の前にした日はちょうど私の誕生日…。しかも、何となくメスっぽい雰囲気を漂わせる個体が手の届く値段で一匹だけ売られていたのだ。この機を逃したら次はいつになるというのか…!
というわけで、自分への誕生日プレゼントという名目でスパッと購入。家に帰って一人で狂喜乱舞しましたよ。フフフ…。




 飼い始めてそろそろ半月が経つが、その性質はいい意味でも悪い意味でも『噂に違わず』といったところだろうか。

まずは、とにかく食う。イエコ程度ならあげればあげるだけ食ってしまうので、見ていて実に爽快だ。
PFが効きやすいといわれる本種。現在の体長は4cm前後だが、その風貌は「こいつはデカくなる」と予感させる何かを秘めている。
これは将来が実に楽しみだ…(*´∀`)

それと、やはり刺激毛を飛ばす頻度は高いようだ。
しかし、タランチュラの基本的な扱い方さえ知っていれば、無闇に毛を浴びまくる事も無いようなので、これはそれ程深刻な障害には成りえないかな…と今のところは思っているw
今回の場合も、ポエキロの時と同様にビビり過ぎていたって事なのか…(´・ω・`)


 大体、タランチュラなんてものは程度の差こそあれ、荒い種か刺激毛を持つ種かの二通りしかいないのだ。(バードイーターは刺激毛を持ち、刺激毛を持たないアースタイガーやバブーンスパイダーは皆荒い。南米産だが例外的に刺激毛を持たないPsalmopoeus属も、基本的に性質は荒い)
そういった障壁をただ回避し続けるのもいいだろうが、やはりいつかは万全のスキルと設備を以って乗り越えていきたい。
爬虫類や昆虫類と比べてクモ飼育歴の浅い私だが、このクルギーとポエキロ達は絶対にフルサイズまで育てきってやろうと思っている。





虎が牙をむくとき

2007-05-16 | クモガタ類
 続きまして、バーミーズ・アースタイガー(chilobracys burmensis)の近況をば。




 ウチに来たばかりの時は威嚇するよりも逃げ回る事の方が多かったのだが、最近は環境にも慣れてきたのか、積極的に威嚇してくれるようになった。
いやはや、これが荒いクモを飼う醍醐味か!現在ウチにはアグレッシヴなクモが少ないので、この行動にはかなり心躍らされる。もう最高だ。
もちろん威嚇するだけでなく、ちょっかいを出せばバンバン咬んでくるのだが、これがまた非常にカッコイイ!何度も見たくなって、ついついちょっかいを出しすぎてしまう。
とはいえ、あんまり悪戯し過ぎると、何だかんだで逃げ出してしまうのだが…。






 さて、このクモが結局どんな感じの巣を作ったのかと言うと…これが実に大した事の無いものだったw
当初は鉢の中にL字型の穴を掘り出したのだが、何が気に食わなかったのか途中で放棄。鉢の横に同じような巣を堀り、現在はそこに落ち着いている。
他のchilobracys属と同様にこの種も半樹上・半地中といった具合の巣を形成すると予想していたのだが、巣穴の上に向けて糸を張らないところを見ると、この種は地中性傾向が強いのだろう。
事実、ケージの上部にクモが留まる事は稀で、夜間でも巣穴から出てくることは滅多に無いようだ。

 まぁ、この手のクモの巣作りは半年くらいして大きく化ける事もあるようなので、これからもゆっくりと観察していくつもりである。




ぽえきろ二世帯住宅

2007-05-14 | クモガタ類



 上がレガリスで下がファッシアータ。
ちょうど二匹とも同じ位置に寄ってくれていたので、パシャリと撮ってみた。




 さて、この二匹の近況だが、育ち盛り故に大変食欲旺盛で、ひたすらイエコをムシャムシャと貪る毎日を送っている。
脱皮回数はファッシアータが1回でレガリスが2回。お陰で当初はレガリスの方が小さかったのが、現在は同じくらいの大きさにまで迫ってきた。
でもまぁ…ファッシアータも丸々と太っているし、こちらも近いうちに脱皮しそうな気配なので、ファッシアータの成長が特に遅いというわけでもなさそうだ。
とりあえず、次の脱皮を無事終えたら、もっと高さのあるパスタケースにでも移してやろうかと考えている。

 で、気になるお二方の性別だが、腹部の裏を見る限り、どうやらファッシアータはメスでレガリスはオスっぽい…。
レガリスの方が成長が早いのも、結局はそういう理由なのだろう。



 というわけで、現在レガリスのお嫁さん導入計画を画策中。
どっかに適度に育ってメスっぽい感じのレガさんはいませんかねぇ…?