ムカデを飼う上で最も難しい点は、湿度保持と衛生管理を両立させる事だと考えている。
ムカデという生き物はどいつもこいつも多湿な環境を好むが、大型になるとピンクマウスのようなダニ沸出率の高い餌を好んで食べる。その反面、ムカデ自身はダニに対して非常に弱く、一度ダニに食われたら、脱皮前でもない限り遠からず逝ってしまう。
では、ダニが付いたらカブクワ用のブラシで落としてやればいいのかというとそういう訳にもいかず、高い運動性と強力な毒牙を持つこの虫にブラッシングを施すのは不可能に近い。ゴム手袋などを用いて無理矢理押さえる事もできるだろうが、そんな事をすれば柔軟なムカデの身体にダメージを与えかねないだろう。
ダニ取り用の炭を床材に混ぜるという手段もあるが、これも完璧と言えるものではないと感じている。確かに炭を用いれば体表に付着したダニは殲滅できるが、体節の間にこびり付いたダニはその限りではないのだ。体節の間にダニが大量に詰まった個体は食欲を失っていくので、この場合も時間を経て結局死んでしまう可能性が高い。
つまり、一度ダニが発生してしまったら、ムカデ自身が脱皮する以外に完全なる駆逐法は無いのだ。
…で、今回私がこんな事を書きつらねた理由だが、上の写真(因みにベトナミーズレッドレッグ)を見てほしい。少々解りづらいかもしれないが、胴節の第一節と第二節の後ろに、白いダニが付着してしまっているのだ。活性炭入りの床材で飼っていても、ちょっと目を離した隙にこのザマだ。まったく夏場は油断できない。
実は、この第一節から第二節あたりのダニは最も手ごわい。ムカデの化粧行動が行き届かない箇所だからだ。さらに、ムカデは頭部が弱点なので、万が一このままダニが頭まで登ってくると状況は最悪である。
幸いにもこの程度ならムカデもすぐには状態を崩さないだろうから、衛生面に気を配りつつ脱皮を待てば問題無いだろう。だが、保温した多湿環境でムカデを飼う限り、このような事態に陥る可能性は常に付き纏う。ムカデ飼育とは、ダニとの戦いなのだ。
ムカデ飼育はヤスデ飼育と比較される機会が多く、その際の総評は「ヤスデよりムカデの方が飼育難度は低い」といったものが多い。確かに、一般的に比較すれば、ムカデはヤスデより遥かに長期飼育が楽だ。しかし、だからといってムカデの長期飼育=簡単というわけではないなぁ…と、私は常々感じている。
タランチュラは飼った事あるけどムカデはない、という人は結構居るのではないかと思うが、そういう方はちょっと心に留めておいてほしい。ムカデはタランチュラと比べて、咬傷や脱走に対してより一層の配慮が必要になるのは言うまでもないが、それに加えて奴等は若干デリケートな生き物なんですぜ。
ムカデという生き物はどいつもこいつも多湿な環境を好むが、大型になるとピンクマウスのようなダニ沸出率の高い餌を好んで食べる。その反面、ムカデ自身はダニに対して非常に弱く、一度ダニに食われたら、脱皮前でもない限り遠からず逝ってしまう。
では、ダニが付いたらカブクワ用のブラシで落としてやればいいのかというとそういう訳にもいかず、高い運動性と強力な毒牙を持つこの虫にブラッシングを施すのは不可能に近い。ゴム手袋などを用いて無理矢理押さえる事もできるだろうが、そんな事をすれば柔軟なムカデの身体にダメージを与えかねないだろう。
ダニ取り用の炭を床材に混ぜるという手段もあるが、これも完璧と言えるものではないと感じている。確かに炭を用いれば体表に付着したダニは殲滅できるが、体節の間にこびり付いたダニはその限りではないのだ。体節の間にダニが大量に詰まった個体は食欲を失っていくので、この場合も時間を経て結局死んでしまう可能性が高い。
つまり、一度ダニが発生してしまったら、ムカデ自身が脱皮する以外に完全なる駆逐法は無いのだ。
…で、今回私がこんな事を書きつらねた理由だが、上の写真(因みにベトナミーズレッドレッグ)を見てほしい。少々解りづらいかもしれないが、胴節の第一節と第二節の後ろに、白いダニが付着してしまっているのだ。活性炭入りの床材で飼っていても、ちょっと目を離した隙にこのザマだ。まったく夏場は油断できない。
実は、この第一節から第二節あたりのダニは最も手ごわい。ムカデの化粧行動が行き届かない箇所だからだ。さらに、ムカデは頭部が弱点なので、万が一このままダニが頭まで登ってくると状況は最悪である。
幸いにもこの程度ならムカデもすぐには状態を崩さないだろうから、衛生面に気を配りつつ脱皮を待てば問題無いだろう。だが、保温した多湿環境でムカデを飼う限り、このような事態に陥る可能性は常に付き纏う。ムカデ飼育とは、ダニとの戦いなのだ。
ムカデ飼育はヤスデ飼育と比較される機会が多く、その際の総評は「ヤスデよりムカデの方が飼育難度は低い」といったものが多い。確かに、一般的に比較すれば、ムカデはヤスデより遥かに長期飼育が楽だ。しかし、だからといってムカデの長期飼育=簡単というわけではないなぁ…と、私は常々感じている。
タランチュラは飼った事あるけどムカデはない、という人は結構居るのではないかと思うが、そういう方はちょっと心に留めておいてほしい。ムカデはタランチュラと比べて、咬傷や脱走に対してより一層の配慮が必要になるのは言うまでもないが、それに加えて奴等は若干デリケートな生き物なんですぜ。