小学校低学年の頃
父親に連れられて 三社祭に行った
父は若い頃から
毎年神田明神のお神輿を担いでいたそうで
何度か連れられてきたことのある
周りに大人の足しか見えないごった返す視界に
子供ながらクラクラと目眩を感じたことを覚えている
そんな中でお神輿は始まった
見た事もない様な大きな金の飾りの付いた神輿
それを法被や裸の肩に乗せ 汗を流して歩くおとなの人たち
まるでどんな気持ちでそうしてるのか検討もつかず
只々呆然と熱気が移動するのを見つめるばかりだった
そこへふいに子供の声が聞こえる
まだ弱いけど懸命に踏みならす足袋の足音も
子供神輿だった
自分より少し大きいお兄さんお姉さん
おでこでねじれた豆絞りの角度も
必死に前を向き遠くを見つめる視線も
特別に今日だけひいてもらったと分かる口紅の濃いピンク色も
全部に視線をもっていかれた
その一人一人を必死で見つめた先に その子がいた
今でも忘れない
その中で一番小さく自分と歳が近い 黒い法被の男の子
一番後ろで誰よりも強く涼しく高らかに声をあげる
空気が違うのが分かる
ハッとしてから目が離せなくなって もう瞬きもできなかった
ああいうのを、、、一目惚れって言うんだろうな笑
それから 行くよ!と親に手をひかれ
見えなくなるまで後ろを向いて歩いた
脳裏に焼き付いた事はいつでも鮮明によみがえる
心を燃やし打ち込んでいる様は
子供も大人もとても素敵なんだ
スーさんはこないだ初めてお神輿を担いだ
というか引いて歩いた
子供用に縄をつけてくれた神輿を
必死でわっしょい汗流しながら引く姿 カッコ良かった
30分程度歩いて 本人も大満足だったみたい
もう少し大きくなったら
ねじりはちまきも見てみたいな
初神輿 小さな記憶に残るといいけど