届かない
ここ最近のスーさんの耳には
私の言葉なんて聞こえてないかのようで
動かない 譲らない
ナイナイモンスターになっちゃったの？
もしもーし？聞こえてますかー？
それはそれは頑なに
何かでっかいヤツと戦っているかのようだった
はじまりには終わりがついてくる
今回は ずっと一緒にいたことの終わり
ずっと考えてたんだ
楽しみと寂しさと両方の気持ちで
二人で一緒に過ごす最後の日には
何をしようか どこへ行こうか
どんな話をしようか どんな物語を読もうか
そんな最後の日に 私は…
高熱を出してしまった
寒気と喉の痛みに襲われて
とても娘の事をまともにかまっていられない
そして一日色んなことを頼みまくり
時には鬱陶しがって
夜には 小さい身体が爆発した
最後の日の彼女にとってのボスキャラは
私になってしまった
最悪の一日
カレンダーに◯をつけながら
明日が入園式だと楽しみにしてたから尚
心はきっと沢山甘えたかったんだろう
そうやって今はわかるんだけどな
戦ってしまった 私も子供になって
目の前の小さなモンスターと
二人で泣いて 少し落ち着いて
お風呂に入ってから ようやく
予定のひとつだけを叶えられた
今まで一番沢山読み聞かせた本を２冊
静かに丁寧に 一緒に読んだ
正確には 読んで聞かせてくれた
この本 ひとりで読めるようになったんだね
すごいなあ
雨男と雨女の沢山いる 入園式
スーさん 入園おめでとう
これからもっと 楽しくなるよ
今までよりもっと ずっとね