レッドダスト

レッドダスト

もし眠くならな

2016-03-14 10:42:15 | 王賜豪總裁


「前にあげたお薬は? かなり室內設計 まとめて出したはずだけど?」
「ああ。あんまり効かないんだ。体重が増えたせいかもしれないけど。あまり、強い薬じゃなかったんじゃないかな?」
「そんなはずはないけど」
 早苗は、少し考えた。
「わかったわ。じゃあ、一回に一錠じゃなくて、二錠のむようにして。だけど、くても、絶対に、それ以上のんだらダメよ?」
 高梨はうなずいた。目は子供のようにきらきらと輝いていたが、視線に落ち着きがなく、焦点が定まっていない感じだった。ちゃんと指示が伝わっているのかどうか心配になる。
「あと、これからしばらくの間、カウンセリングに通うようにしてくれる?」
「カウンセリング? 薬をのめば、寝られると思うけど」
「うん。それもあ鑽石能量水るけど、やっぱり、少し食べすぎだと思うのよ。このままだと、健康に悪いし。時間があれば、私がカウンセリングできるし、手が放せないときは、ほかの先生に頼んどくから」
「ああ、わかった」
 高梨は、思いの外あっさりと承知した。
「じゃあ、お薬をもらってくるから、ちょっと待ってて」
 早苗は部屋を出て、薬局へ向かった。処方箋《しよほうせん》を書き、薬を受け取って部屋に帰ると、高梨の姿はなかった。時間にすれば、ほんの四、五分のことだっただろう。
 あわてて部屋を出て周囲を探してみたが、やはり彼はいなかった。近くにいたホスピスの入院患者に聞いてみると、ついさっき、異様に太った男が、エレベーターで下へ行ったという。
 妙な胸騒ぎを感じる。高梨はなぜ、逃げるように姿を消したのか。
 だが、早苗には、いつまで室內設計も彼にばかりかかずらっている暇はない。今日は、ホスピスへの入院を希望する何組かの患者やその家族と面談を行うことになっていた。


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