北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

第22回羊蹄山麓塾

2009年07月25日 | まちづくり
 月尾嘉男東大名誉教授を塾長とする22回目の羊蹄山麓塾が開催されました。



 今回は、久々のゲスト講師を迎えての塾ということで、いつもより広い会場での開催となっていました。最近では、倶知安町民だけではなく、道内の他の塾(釧路湿原塾・知床半島塾・北広島塾など)からもわざわざ参加していくれているようです。
ゲストは、TBSのニュースバードのキャスターとして活躍している黒木奈々さんでした。番組の中の「ドクター月尾 地球の方程式」で、教授のお相手役をされており、今回TVのロケで来道したのが、きっかけのようです。この番組は、朝の4時45分頃に放送されているので、聞いたことも見たこともありませんでしたが、インターネットで話されている内容が分かるようになっています。
 黒木キャスターは、「放送業界の真実」と題した講演をしてくれました。



 演題から想像していた内容とは違って、報道番組の制作の苦労話でした。最近は、朝の番組なので、夜の6時過ぎに寝て、夜中の2時に出社するそうです。華やかそうなTV業界ですが、実情は過酷なようです。

 月尾教授は、「ガラパゴス日本からの脱却」と題した講演です。
ガラパゴスに行って帰ってきた話(柏谷運営委員長のギャグ?)ではなくて、日本のこれからの進むべき道のお話でした。ガラパゴス諸島は、島にしかいない動植物が隔離された世界で独特の生態系を維持している島です。島国の日本も同じで、日本国内で主権争いをして、シェアーを独占しているように見える企業でも、世界に視野を広げると、世界標準からは遅れをとっているようです(携帯電話など)。少子化が進む日本では、国内のシェアーだけではジリ貧になるのが目に見えてきます。世界に目を向けた戦略が不可欠のようです。数字やデータを具体的に提示して日本の現状を説明してくれました。いつも、具体的で分かりやすく話してくれます。男女格差、情報化の遅れなど課題が山積みのようです。
 ヒントとして、全体を最適にする目標の発見。変化に対応できる多様性の確保。など目先に捕らわれない長期的な視野が望まれているようです。



 新刊本も手に入れました。