江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

2016-10-23 23:44:46 | 日記
その手に出会ったのは、私がまだ小学校に上がる前
祖母に連れられて行った遠い親戚の家
そこは稲作農家
おじさんは私を納屋に連れて行き、
精米したばかりの新米を左手で掬うと
右手の親指の爪で固さを確かめ
一粒を口に放り込んで噛みしめ、
とても満足した顔になった。
旭川は極寒の地
稲作には相当苦労しただろうし、
作れるようになっても不味くて不評だった。

味はさておき、
幼い私はおじさんのその手に目が釘点けになった。
節くれだった太い指、
親指の爪は幅広くて短く、しかも厚さがある。
ああ、これがお百姓さんの指なんだ、
その手の感じが今も忘れられない。

喜多方のフェスティバルの委員長は稲作農家、
たまたま昼食をご一緒した時に
ふと閃いて手を見せてもらった。

同じ手だった。
しかも味のある良い手だった。

先日見ていた「座頭市」の最初のタイトルロールのところで
いくつものしわくちゃな手が白黒で写されていた。
その素敵なこと!

自分の手を眺める。
還暦を過ぎて随分年を取った手になったと思うが、
まだまだ中途半端であろうか。
あと10年も経つと、少しは味のある手になるのだろうか。
何となく自分の手が気になるのである。
コメント
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