★ New!Kimmy's Diary ★

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妙法院の清浄歓喜団

2012年09月18日 | 日本文化
妙法院へ行ってきました。
青蓮院、三千院と並んで天台宗の三大門跡寺院のひとつで、後白河上皇の居所となっていたこともあり、日本の宗教史や政治史には欠かせない大寺院です。

ここの庫裏(台所)は豊臣秀吉が先祖のために行った千僧供養が執り行われた時に使われた台所。見事な国宝建築ですが、通常は非公開。そうとはわかっていても、あの立派な妙法院の塀や門を見てしまうと、どうしても敷地内に足を踏み入れたくなります。あの庫裏の、入母屋造りの屋根の反りや重層を見ると本当にうっとりします。最上階の部分は台所で煮炊きするものの煙や湯気を出す煙突の役目をする小棟部分ですが、デザイン的にもアクセントになっていて実に美しく、感動します。

象に乗っていらっしゃる普賢菩薩(重要文化財)は、本堂で拝観することができました。この寺院の歴史こそまさに日本の歴史の体幹なのではないだろうかとも感じました。蓮華王院(三十三間堂)や方広寺(秀吉が建立した寺)などもその傘下にあり、このあたりは日本の歴史の中心地で、平清盛や後白河上皇の活躍した歴史の舞台の一部はまさにこの近辺。考えるだけでなんだかワクワクします。

お寺のスタンプ「御朱印」をいただくために事務所へ立ち寄り、誰もいない玄関で「すみませーん」とお声をおかけしたところ、まだ若い僧侶がひとり応対に出てきてくださいましたので御朱印をお願いしました。しばらくして御朱印帳を私に渡してくださると同時に「良いお参りでした。これ、お下がりですけど。」と言って何かをくださいました。

私「あ、清浄歓喜団ですね!」
僧侶「はい。そうです。ご存知ですか。」
私「は、はい!存じ上げております。遣唐使が持って帰ってきたお菓子ですよね。」
僧侶「そうですね。お供えでいただくものですから。」
考えてみれば、清浄歓喜団を作っている亀屋清永はすぐそこ。なるほど・・・。

その後、非公開部分の説明を写真集を使って詳しく教えていただき、とても勉強になりました。この妙法院には、海外からの信書「ポルトガル国印度副王信書」(国宝)が収められています。豊臣秀吉の天下統一のお祝いとキリスト教弾圧に対する緩和の依頼の内容だそうです。

公開期間での再訪を告げて、ありがたいお下がりをいただき、京都の奥深さを再認識しました。「一期一会」の出来事でした。

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