カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

シアヌークビル港コンテナターミナル拡張工事完成 100万TEUに

2024年09月19日 | 経済
 9月12日、日本からの円借款を活用して工事が進められていたシアヌークビル港の既存コンテナターミナルの拡張工事が完工し、記念式典が開催されました。式典には、フン・マネット首相、植野篤志大使他関係者多数が参加しました。式典で、フン・マネット首相は、日本の支援に対する感謝の意を表するとともに、今後の継続的な支援を要請しました。
 今回完成した事業は、カンボジア唯一の大水深港であるシアヌークビル港において、既存のコンテナバースを253メートル延長し、コンテナターミナルを拡張するものです。現在、約70万TEU/年の取扱能力を有するシアヌークビル港ですが、2023年には取扱量が約80万TEUとなっていました。取扱能力がほぼ限界に達しつつあるため、今回の拡張工事が行われたもので、拡張によって100万TEU/年に能力が拡大します。
 日本は、これまでも多額の円借款や無償資金協力で、シアヌークビル港の整備に協力してきました。シアヌークビル港の新コンテナターミナルについても、第1フェーズ向けに2017年8月に235億200万円の円借款を供与したのに続き、2022年8月に第2・第3フェーズ向けに413億8800万円の円借款を供与して、その建設を支援しています。
 日本の円借款を活用して現在工事中の新コンテナターミナル第1期は、350メートルのコンテナバースを有し、取扱能力は145万TEUとなる予定で、2026年の完工を目指しています。その後も第2期・第3期の工事が実施される計画となっています。
 シアヌークビル近郊のリアム海軍基地には中国海軍の艦艇が常駐する等、米国等を刺激する状況も続いています。カンボジアで最も重要なコンテナ港であるシアヌークビル港は、日本の継続的な支援によって、特定国の影響下に置かれないようにしていくことも重要な課題となっているものと見られます。
(写真は、シアヌークビル港湾公社のフェイスブックより)

シアヌークビル港湾公社のフェイスブック(クメール語と英語)
https://web.facebook.com/pas.gov.kh/posts/pfbid0BBGeKUJGdKB3csLiRvtrSvTqi6i4hMQCYgXaHkFwQ9J7WbsEVP5HtBm2ujZzGA96l


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米国 カンボジアの財閥に制裁 特殊詐欺関連で

2024年09月18日 | 経済
 9月12日、米国財務省の外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control: OFAC)は、カンボジアの財閥グループであるLYPグループ(L.Y.P. Group Co., LTD)及びその総帥であるLy Yong Phat上院議員(オクニャ)、関連会社のO-Smach Resortに対し、人身売買・強制労働・特殊詐欺に関わっているとして制裁を科すと発表しました。なお、ガーデンシティホテル・コッコンリゾート・プノンペンホテルも関連企業として指定しています。
 OFACは、O-Smach Resortにおいて組織的な特殊詐欺が実行され、そのために集められた被害者は暴行を受ける等して犯行を強要され、逃げようとした2名が死亡しているとしています。
 OFACでは、「本日の行動は、人身売買やその他の虐待に関与した人々の責任を問うという厳格な方針に則ったものであり、アメリカ人を含む無数の無防備な個人を標的とする投資詐欺スキームを運営する能力を弱体化させるためのものである」としています。
 制裁は、米国内にある指定者のすべての資産凍結、指定者との米国人または米国内(または通過)によるすべての取引禁止等となっています。
 カンボジア外務省は、9月13日に今回の制裁措置について遺憾であるとする声明を発表しています。
 なお、OFACによる制裁措置の実施は、原則として米国人・米国企業に義務付けられるものですが、特定の場合には非米国人も制裁を遵守しないと罰則の対象となるケースもあるとのことです。2022年にはオーストラリアの企業が罰金刑を受けたケースもある模様です。日系企業においても米国から疑念を持たれないよう、専門家に相談する等の慎重な対応が求められるものと見られますので、十分ご留意ください。
(写真は、コッコンリゾート。2008年撮影)

米国財務省の外国資産管理局(OFAC)の発表
https://home.treasury.gov/news/press-releases/jy2576


免責事項
(1)「カンボジア経済」は、カンボジア総合研究所(以下「弊研究所」)が発行するブログです。本ブログの著作権は弊研究所に属し弊研究所の事前の許可なく複製・再配信等を行うことはできません。
(2)本ブログに掲載された内容は、執筆時における筆者の見解・予測であり、情報の正確性や完全性について保証するものではありません。また過去の実績は将来の結果を保証するものでもありません。
(3)本ブログは情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。
(4)弊研究所は有価証券価格や為替レート等の上昇または下落について断定的判断を提供することはありません。
(5)弊研究所は本ブログの内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではありません。投資にあたってはお客さまご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。

   カンボジア総合研究所 CEO/チーフエコノミスト 鈴木 博


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公的債務統計報告書2024年第2四半期 債務状況は問題なし

2024年09月17日 | 経済
 9月12日、カンボジア経済財政省は、公的債務統計報告書(Cambodia Public Debt Statistical Bulletin)第23号を公表しました。2024年6月末現在のカンボジア政府の債務状況について詳細な統計により報告しています。
 2024年6月末の公的対外債務残高は、111億5748万ドル(約1兆5732億円)と2023年12月末の111億8662万ドルから0.3%の減少となっています。国別では、中国が最大で40億5724万ドル(全体の36.4%)、以下、アジア開発銀行24億2182万ドル(21.7%)、世界銀行13億5988万ドル(12.2%)、日本11億8311万ドル(10.6%)、韓国5億8117万ドル(5.2%)等となっています。
 債務持続性分析を見てみると、2024年末予測で公的対外債務の現在価値の対GDP比率は19.0%(基準値40%)、同対輸出比率29.1%(同180%)、債務返済比率(債務返済の対輸出比率)1.8%(同15%)、債務返済の対歳入比率7.8%(同18%)と、いずれも健全とされる基準値を大きく下回っており、全く問題ありません。ストレステストでも基準値を超えることは全くなく、対外債務については、カンボジアは大変な優等生ということができます。世界銀行・国際通貨基金の判定でも「低リスク国(青信号国)」に分類されています。
 新型コロナ対策や世界的インフレで多額の財政支出を余儀なくされ、また、経済状況も悪化する中で、対外債務に苦しむ途上国も見られます。また、米国の金融緩和終了に伴うドル金利上昇やドル高によって、いくつかの新興国で懸念が高まっています。既に、スリランカが破たんし、パキスタンやラオス等も厳しい状況です。しかし、カンボジアは、債務の過半が日本や世界銀行・アジア開発銀行からの譲許的借款であることに加え、債務マネジメントをしっかり行ってきたため、対外債務については概ね問題なく、急激な為替レートの変動や外貨危機の可能性も低いと言えます。いわゆる「債務の罠」に陥る可能性は現状では低いものの、特定国に偏り過ぎないようにバランスを取りつつ、引き続き公的債務を管理していくことが必要と見られます。

経済財政省のサイト(英文及びクメール語です)
https://mef.gov.kh/documents-category/publication/public-debt-bulletin/


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カンボジア 2024年8月の物価上昇率

2024年09月16日 | 経済
 国家統計庁から発表された2024年8月の消費者物価上昇率(対前年同月比)は、0.3%でした。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しており、2018年1月以降は概ね3%未満で推移していました。2021年9月からは久しぶりの大幅上昇となっていましたが、2022年7月以降は低下傾向となっていました。2023年7月以降、若干の上昇に転じていましたが、今年に入り低い水準で推移しています(2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%、10月3.7%、11月3.7%、12月2.9%、2021年1月2.6%、2月1.7%、3月2.1%、4月2.7%、5月3.0%、6月2.7%、7月3.3%、8月3.4%、9月5.9%、10月6.8%、11月7.9%、12月6.7%、2022年1月4.1%、2月6.3%、3月7.2%、4月7.3%、5月7.2%、6月7.8%、7月5.4%、8月4.9%、9月4.4%、10月3.6%、11月3.2%、12月2.9%、2023年1月3.0%、2月2.2%、3月0.7%、4月1.1%、5月0.5%、6月0.0%、7月1.9%、8月3.2%、9月3.8%、10月3.9%、11月2.7%、12月2.7%、2024年1月マイナス0.5%、2月マイナス0.3%、3月0.0%、4月0.5%、5月1.1%、6月0.7%、7月0.6%)。なお、7月と比べると8月は0.5%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズムにより国際価格に概ね連動して動いています。7月の4300エル/リットルから、8月は4182リエル/リットルに下落しました。ディーゼルは、7月の4184リエル/リットルから、8月は3971リエル/リットルに下落しました。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、ロシアのウクライナ侵略の影響を受けて急激に上昇し2022年3月初めに130ドル台にまで上昇した後、足元は70ドル前後で推移しています。カンボジアはガソリン類を全量輸入に頼っているため、カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動しています。2023年中盤に上昇した後、最近落ち着いてきています。
 国際機関は、2024年のカンボジアの物価上昇率については安定的と予測しています。アジア開発銀行は2.0%、世界銀行は2.8%、IMFは2.3%、AMROは2.2%と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。8月28日撮影)  


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年09月16日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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お洒落な中国茶のカフェ CHASHINE

2024年09月15日 | 生活環境
 プノンペン中心部バンケンコンにある中国茶のカフェ「CHASHINE 国色茶香」です。国色とは、その国で最も美しいものを指すそうです。お店は、かなり広く、店内なのに砂利が敷いてあったりします。昔の中国風のインテリアです。メニューには様々な中国茶や中国茶を使ったドリンク類が並んでいます。今回は、カフェラテ、桂花烏龍、老鹽檸檬等を頼んでみました。お客さんは、地元の若い方が多いようでした。店内が映えるので、写真や動画を撮っていました。お値段はプノンペンとしては中堅です。お試しください。

CHASHINE
https://web.facebook.com/profile.php?id=100095104964775

店内は独特の雰囲気です。



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高級韓国料理 Ember

2024年09月14日 | 生活環境
 プノンペン北部ヴァタナックタワーに繋がるヴァタナック・ライフスタイル・パーク地下1階に開店した高級韓国料理「Ember」です。外装・内装ともに高級感が溢れています。個室もいくつもあるようです。メニューは、焼き肉を中心とした韓国料理です。焼き肉には韓牛を使用していて、結構なお値段です。今回は、ランチでしたので、キムチチゲ(12ドル)をお願いしました。辛いものが苦手な人も多いカンボジアに合わせたのか、辛さを抑えた上品な感じでした。日曜の昼に伺ったので、ゆったりでしたが、平日は近くのビルにお勤めの方で賑わうようです。お値段は、プノンペンとしてはかなり高級です。お近くにお出での際は、お試しください。

Ember Korean BBQ
https://web.facebook.com/emberkoreanbbq

キムチチゲはボリュームたっぷりです(これにご飯が付きます)。


内装も高級な感じです。日曜の昼だったのでゆったりです。



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AMRO カンボジアとの年次協議報告書2024を発表 不動産不況を懸念

2024年09月13日 | 経済
 9月5日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、2024年5月2日~13日にカンボジアで実施した年次協議の報告書を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN10か国と日本、中国、韓国による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 カンボジアのGDP成長率については、2023年の5.0%から2024年5.6%、2025年5.9%と回復を続けると見ています。衣料品セクターの回復、非縫製製造業の輸出拡大、観光業の回復が、引き続き景気回復を後押しするとしています。しかし、回復の軌道は、特に不動産セクターの長期にわたる弱含みと信用力の低下というリスクにさらされていると懸念しています。
 物価上昇率は、ウクライナ危機等の影響による国際資源価格・食料価格の高騰を受けて2022年6月には7.8%まで上昇しました。その後は落ち着き、2023年には2.1%にまで下落し、2024年2.2%、2025年2.3%と安定的に推移すると見ています。
 対外収支については、経常収支(対GDP比)は、貿易赤字の大幅な縮小もあって2023年に1.3%の黒字に転じました。引き続き、2024年0.6%、2025年0.1%の黒字となると予測しています。また、2023年の海外直接投資(FDI)流入額はGDPの9.3%と底堅く推移しました。外貨準備も潤沢で、2024年末204億ドル(輸入の7.6か月分)、2025年末209億ドル(同7.1か月分)に達すると予測しています。
 リスクとしては、中国等の主要関係国の経済減速、欧米の貿易政策の転換、世界的な一次産品価格の高騰等を挙げています。また、不動産開発業者の金融危機が深まれば、銀行セクターの信用リスクが高まる可能性があると指摘しています。
 政策提言としては、財政健全化を進めつつ、開発に必要な資金を確保するための歳入を増やすことが重要であるとしています。中央銀行(NBC)の金融政策については、引き続き正常化の方向を継続すべきとしています。特に、不動産関係等の不良債権を注意深く監視し、銀行の健全性維持を図る必要があるとしています。中央銀行の規制・監視が十分に浸透していないノンバンク等による不動産向け融資については、監督を強化する必要があると提言しています。
 長期的課題として、成長を確保するために、人的資本を育成し、海外直接投資を誘致する必要があるとしています。そのためにも、物流等のハードインフラとデジタルインフラの拡充を促進すべきと提言しています。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施していくことが期待されます。

AMROの新聞発表(英文です)
https://amro-asia.org/amros-2024-annual-consultation-report-on-cambodia


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アジア開発銀行 カンボジアの地方上水・衛生改善を支援

2024年09月12日 | 経済
 8月30日、アジア開発銀行(ADB)は、カンボジアに対し、9360万ドル(約133億円)の支援を供与することを承認しました。対象となるのは、地方上水衛生改善セクター開発プログラムで、対象9州の農村部において安全で管理された手頃な価格の飲料水、衛生サービス、衛生施設へのアクセス改善を目指すとしています。支援の内訳は、アジア開発銀行の借款9000万ドル、日本特別基金(贈与)300万ドル、技術支援60万ドルとなっています。
 カンボジアでは、水供給、衛生、衛生サービスへのアクセスが大きく改善されてきました。改善された水供給へのアクセスが2015年の77%から2020年には85%に、改善された衛生設備へのアクセスが60%から77%に、基本的な衛生サービスへのアクセスが67%から74%に改善しました。
 しかし、農村部と都市部の間には大きな格差があり、カンボジアの農村部の改善は、都市部に遅れをとっています。2020年、水道水へのアクセスは都市部80%に対し、農村部では17%でした。農村部の住民のほとんどは浄化槽とトイレを使用しており(64%)、下水道に接続されているのは6%のみとなっています。都市部の下水接続率は48%でした。
 カンボジアでは、道路や港湾、電力、通信等のインフラの改善が進められています。これと同時に。都市部だけでなく農村部での社会インフラの整備が課題となっています。アジア開発銀行や日本の支援を得つつ、カンボジア政府がこうした課題に取り組んでいくことが期待されます。

アジア開発銀行のサイト
https://www.adb.org/projects/55220-001/main


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中央銀行 不良債権対策を再導入 預金準備率の維持も表明

2024年09月11日 | 経済
 8月21日、中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、金融機関の健全性を維持しつつ貸付を促進する政策に関する通達を発出しました。この通達では、資本保全バッファー比率を2025年末まで1.25%とする、リエル建ての預金準備率を2025年末まで7%で維持する、返済が困難になっている借入人の債務条件緩和を許可するという3政策が通達されました。
 資本保全バッファーは、自己資本の最低所要比率に加算されるもので、国際的なバーゼル規制では2.5%となっていますが、カンボジアでは1.25%となっています。今回の通達では、2025年末までこの比率を引き上げないと表明することにより、金融機関が貸付に回す資金を増やす効果があるものと見られます。
 預金準備は、預金引き出しに備えて預金の一定割合を金融機関が準備しておくものです。カンボジアではリエル建ての預金の準備率は7%ですが、これも2025年末まで引き上げないと表明することで貸付を後押しする効果が期待されます。
 返済が困難になっている借入人の債務条件緩和については、新型コロナ対策として実施されていましたが、2022年6月に終了していました。その再導入を許可したものです。詳細については、8月29日に更に通達が発出され、こちらも2025年末まで規制緩和を継続すると表明されています。
 カンボジア経済のエンジンである縫製品等の輸出は回復しつつありますが、建設・不動産不況は深刻な状況が続いています。観光業も、新型コロナの影響からの立ち直りが遅れています。こうした中で、金融機関では不良債権比率が高まってきており、新規貸し付けが伸び悩んでいました。
 カンボジアは高度にドル化した経済であるため、中央銀行が実施できる金融政策には限りがありますが、金融機関が貸付を伸ばすマインドを後押しする今回のような政策は効果があるものと期待されます。カンボジア国立銀行の地道な努力が継続されることが期待されます。
(写真は、商業銀行最大手のACLEDA銀行本店)

カンボジア国立銀行のフェイスブック(クメール語)
https://web.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial/posts/pfbid0vsNt14QoxNSpKaoy5nC1R3yN7s5diMhZGohVytD5MToTagmCh9SpaN7dHGfNnxNWl


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