日本の「食」の在り方

益々、グローバル化する日本の食卓を通じ、未来の日本の食の在り方を模索していきたいと思います。

ニュー・ジパング~長野県・穀類編~

2008-10-26 22:33:12 | 郷土料理

長野県といえば、
まずは信州そば、おやき、りんごあたりが
頭に思い浮かびます。


おやきなどは、
ヘルシーなスナックだと思うのですが、
簡単につくる方法がないかどうか調べたところ、
ありました。⇒「おやきの作り方


個人的には、味噌味のなすと野菜ミックスが好きです。



山梨県編で取り上げた「かつ丼」ですが、
長野県の駒ヶ根市周辺では「駒ヶ根ソースかつ丼」が有名です。
来るB-1グランプリに出場決定しているB級ご当地グルメ。
カツ丼の元祖?かも知れないという逸話と
なんてったって、ひっくりかえりそうになったのは、
イメージソングの「恋するソースかつ丼
おこちゃま番組か、スーパーの売り場で流れてそうな感じの歌です。


それから、やはり売られていた、
「ソースカツ丼用のソース」
明治亭オリジナルソース(ソースカツ どんまん。今はもう無理)と
駒ヶ根ソースかつ丼会の旨みソースのみが
駒ヶ根ソースかつ丼に使用が正式に認められているとのことです。



「かつ丼」のつぎは「みそ天丼」です。


長野県諏訪市の町おこし丼で、
諏訪または信州の旬の具材を一品以上つかった
天丼に諏訪産のみそを使った「みそだれ」をかけたものです。


川えび、わかさぎ、信州の山菜等の天ぷらが乗っており、
各店、工夫を凝らしているところが面白いなあと思います。
(ラーメン店のみそ天丼のチャーシューの天ぷらにはオドロキ)


また、下諏訪には「元祖 塩天丼」なるものがあり、
これは、天丼にたれではなく、
塩のふりかけのようなものが乗っている天丼との話。


長野県人って天丼が好きなのかしら?


旅先で食べたい長野県の「ご当地丼」でした。


ニュー・ジパング ~静岡県・穀類編~ 

2008-10-21 22:57:32 | 郷土料理

静岡県というところは、
ご当地グルメの宝庫の県のひとつ。

頭に浮かぶだけで、
静岡おでん富士宮やきそば、「丁子屋」のとろろ汁。
もちろん、浜名湖のうなぎはやはり一目置くものがあります。

常々思うのが、静岡県人はかつおの粉をトッピングするのがお好き?
本当に不思議です。

来たる11/1・2日に福岡県久留米市で開催される
B級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」に
静岡県から、5団体出展しています。

そのうち、驚いたのは、
餃子のご当地メニューの
静岡県裾野市の「すその水餃子
モロヘイヤを練りこんだ皮に地元産の茶葉を具材に入れたもの。
「日本一ギョーザ好きなまち」の超ヘルシーなグリーン餃子。
これからの季節、お鍋に入れてもよさそうです。
前回のB-1グランプリ4位の実力。

まだ、餃子があったのという感じで、
静岡県浜松市の「浜松餃子」。
どんな餃子と見てみると、
キャベツ、玉ねぎ、豚肉入りの野菜多めの餃子で
なぜか、もやしが添えられており、
一緒に食べるものらしい。
浜松市は餃子の年間消費額が日本一とのこと。

餃子といえば、宇都宮と思っていましたが、
認識を変えました。

今、テレビ番組「リンカーン」の
「リストランテ リンカーン」で
餃子店でアルバイトしていたというエドはるみさんが
「餃子カーニバル」(カレー餃子、梅餃子、ハンバーグ餃子、
アイスクリーム揚げ餃子)を作って披露。
アイスクリーム揚げ餃子をちょっと試してみたい。

売れっ子になったエドはるみさんを見るたび、
同じキャンパスライフを過ごした者として励まされ、
また、応援してしまいます。

もうひとつ、B-1グランプリには出場していないが、
静岡県・稲取り温泉にある「肉チャーハン
元祖は「かっぱ食堂」という店で
そこの先代が考案したあんかけチャーハンです。

シンプルなたまごチャーハン(塩味)に
肉・キャベツ・ほうれん草の醤油ベースのあんかけ。

元気がでそうなチャーハンですね~。


ニュー・ジパング~山梨県・穀類編~

2008-10-17 01:05:19 | 郷土料理

山梨県といえば、
まずはあの「ほうとう」


ご存知、煮干の出汁に、
かぼちゃをはじめとする野菜を入れた味噌仕立ての汁に
うどんよりやや薄い幅広い生麺を入れて煮込んだ料理です。


冷やしほうとうとよばれる「おざら」
お汁粉にいれたほうとう「小豆ほうとう」など。


その他の小麦粉系の郷土麺料理は
漫画「美味しんぼ 日本全県味巡り山梨編」80巻に
詳しくは掲載されています。



山梨県にちなんだ
ご飯料理をここで紹介すると、
1988年のNHK大河ドラマ「武田信玄」放送に先駆け発売された、
小渕沢駅の駅弁「風林火山」の武田信玄にちなむ4種のご飯

「風の信玄笹寿司」ことアワビ煮貝添え笹寿司、
「林の里村炊き込み御飯」ことアワビとシメジの炊込飯、
「火の甲州鉄火味噌おにぎり」こと鉄火味噌載り笹御飯、
「山の栗おこわ」こと山栗おこわ
です。


「アワビの煮貝」は 山梨県名物ですが、
その由来は、駿河湾で獲れたアワビを加工し、
醤油漬けにして木の樽に入れ、馬の背に乗せて甲州に運んだところ、
馬の体温と振動によって醤油がアワビに程良く染み込んで、
甲府に着く頃にはちょうど良い味に仕上がったといわれ、
珍重されたことにあります。


武田信玄もこの「アワビの煮貝」を好み、
激戦時の武田軍の栄養補給の保存食でした。



私自身は食べたことがないのですが、
山梨県には、同県市川三郷町の大塚地区で作られている
「大塚にんじん」という伝統野菜があります。


大塚にんじんは根長70cmから1mある長人参の一種です。
また、「大塚にんじん」は通常のニンジンとくらべ、
ビタミンA群のカロチンは1,5倍
レチノール当量は1800倍、
ビタミンB2は240倍、
ナイアシンは228倍やビタミンCは2,3倍と
非常に栄養価が高く色鮮やかで、甘いニンジンです。
大塚小学校HPより)


毎年12月下旬に収穫祭も行われており、
にんじん飯や大塚にんじん入りの味噌汁などが無料で食べられます。


「大塚にんじん飯」
大塚にんじん、油揚げ、干ししいたけを使った炊き込みごはんで
学校給食にも出されているとのこと。


こういう栄養価の高く美味しい伝統野菜が
地元の人々の生活に根付いているということはいいことです。



また、山梨県甲府付近の食堂で
「カツ丼」をオーダーすると、
一般的に認識している卵でとじたカツ丼ではなく、
トンカツの下に敷かれた千切りキャベツや生野菜がトッピングされた
トンカツ定食の皿をそのまま丼ご飯に乗せたものが出てくるそうです。
(写真は超デカ盛で山梨県甲斐市にある有名な「お食事処 ぼんち」のカツ丼)


さすが・・・・風林火山の国


なお、通常のカツ丼は、「煮カツ丼」といいます。


ご当地ならではの話ですね。


ニュー・ジパング ~神奈川県・穀類編~

2008-10-08 12:41:10 | 郷土料理

神奈川県といえば、
イメージとして、横浜、横須賀の港町、箱根の温泉、湘南・江ノ島、
サザンオールスターズの世界・・・ハイカラな海辺の街といった感じ。


まずは、横浜にいくと
皆さん必ずお昼は中華街という人も少なくないはず。


「サンマーメン」が神奈川県の郷土料理ときいて、
日本のラーメン発祥の地ということを考えると納得です。


サンマーメンは、細麺を使った、塩もしくは多くの場合醤油味のスープの
ラーメンの上に、歯ごたえが残る程度に炒めたモヤシを片栗粉を溶いたあんで
絡めて乗せた麺料理です。


サンマーメンは「生碼(馬)麺」と書き、
「生」はシャキシャキとした食感を意味し、
「馬」については上に乗せるという意味で、
「碼」という字は具材を意味します。

発祥は横浜の老舗の中華料理店「聘珍樓」といわれ、
安価なまかない食から生まれたとのこと。
その割には、同店の「聘珍樓」のサンマーメンは値段が高いですが・・・・

サンマーメンは、
中国から海を越えて日本に渡ってきた
新鮮で安価な材料で作る滋養の高い食べ物といった印象。

いまや、日本の国民食である「ラーメン」のありかたを考えさせられます。



もうひとつ、意外と知られていないのが、
横浜が、「ドリア」の発祥の地だということ。


ドリアとはもともとはイタリアの貴族・ドリア一族のために
パリのレストランが創作した料理を指します。
イタリア国旗の三色にちなんだ、トマト、キュウリ、鶏卵などの材料を
使って作られた料理と伝えられています。


今、日本で「ドリア」といわれている食べ物は、
1925年、山下公園前の老舗ホテルニューグランド初代料理長サリー・ワイル氏が
体調を崩したお客様のために即興で作ったメニューで、
米飯に小エビのクリーム煮をのせてベシャメルソースをかけ、
オーブンで焼き上げたものがその始まりといわれています。

ドリアというものが、
料理長の優しい思いやりから生まれた料理ということを
知って嬉しく思いました。


確かに、あつあつのホワイトソースと白いご飯を絡めて食べると
芯から本当に温まります。


今も、ホテルニューグランドの「The Cafe」で
その名残である「シーフードドリア」を食べることができます。


ニュー・ジパング ~東京都・穀類編~

2008-10-05 00:36:49 | 郷土料理

埼玉県の次は東京都です。

農業水産省の「郷土料理100選」で取り上げられた
東京都の郷土料理は「深谷丼」、「くさや」、「もんじゃ」です。

それ以外に、穀類を使った郷土料理として、
まず、「元祖 亀戸大根まんじゅう 福わけ」です。
この福わけはよく味のしみ込んだ大根の入った饅頭です。

この福わけの包みには
「お江戸で人気「お多福大根」
誰が言ったか、食べて「福」来る
その大根も、今じゃめったに食べられない。
それもそのはず、
今は改名「亀戸大根」(大正時代)
時代は変わるが、変わらないのは、
人の心「福」願う気持ち。
食べて「福」来い、
さあ、召し上がれ」

亀戸大根とは、
幻の大根と言われる「亀戸大根」。
江戸末期の文久年間(1861~64)に栽培が始まり
香取神社周辺が栽培の中心地となっておりました。
この大根はにんじんを
少し大きくしたぐらいの大きさで
きめ細かく葉も柔らかい江戸野菜です。
根も葉もともに浅漬けにして美味しいことから、
江戸っ子に大変な人気だったということです。

この亀戸大根まんじゅう「福わけ」は
割烹 升本 すずしろ庵で販売されています。


さて、10月といえば、
東京都神代植物園の薔薇を思い出します。


神代植物園の近くにある「深大寺」は
深大寺そば」でも有名です。


古来、そば種は八世紀頃原産地である
北方大陸から朝鮮半島を経由して我が国に伝わりました。

我が国のそば作りは、
武蔵野台地を開拓した高麗帰化人によって栽培され広がりました。

深大寺そばが有名になったのは
元禄年間、天台宗関東総本山東叡山寛永寺御門主第五世公弁法親王に
蕎麦切りを献上して賞賛を得てからと言われています。


つまり、東京が日本においてはじめて
「そば作り」を行ったといってもいいかもしれません。


深大寺そばの特徴は
挽きぐるみを使用し、
風味が良く、甘く、腰が強いのだそうです。


新そばの季節、
休日の散歩がてら、
深大寺そばを食するのもいいですね~

 


 


 



 

 


 



 

 


ニュー・ジパング~埼玉県・穀類編~

2008-10-02 17:59:15 | 郷土料理

すっかりご無沙汰している「本ブログ」です。


今回から、本ブログで各都道府県の伝統的な郷土食、ご当地料理、お菓子等々を
取り上げて「ニュー・ジパング」と銘打ってご紹介したいと思います。


新米が美味しい季節になり、まずは各都道府県の美味しいお米・小麦粉等の穀類を
使った料理をテーマにはじめます。


まずは、縁起のいいところで、埼玉県秩父の「黄金めし」

昔、秩父で銅がとれ、都へ遠くの旅路に難をしのぐ食べ物が、
アワ、ヒエ、キビ、クリなどでした。

それを食べていたところ、時の帝がみて
「その黄金に輝く食べ物は何じゃ!おいしい黄金のめしじゃのう」と
言ったのがきっかけだそうです。 

まあ、今でいうところの雑穀ごはんの一種なのでしょう。

秩父温泉 満願の湯で「秩父元祖黄金(こがね)めし」として食べることができます。


紅葉のドライブがてら、温泉と黄金めしを楽しむのもいいですね~


栗も季節なので、
応用して新米を使って
うちで「アワ、ヒエ、キビの雑穀入り栗ごはん」の炊き込みご飯なら
私でも作れそうです。



また、埼玉県は米作の裏作として、
昔から小麦栽培が盛んらしく、
けっこう小麦粉系のご当地ものが見受けられます。


そこで、注目したのが、埼玉県行田市の「フライ」
「行田にんにくのカツ?」なんて
わけわからないものが脳裏に浮かびそうですが、
実は、フライは小麦粉を溶いたものに
ねぎや肉、卵などの具を入れ鉄板で焼いた行田周辺だけの珍しい食べ物です。
お好みでソース味と醤油味がオーダーできます。

また、「ゼリーフライ」(写真)というものも行田にあるとのこと。
名前だけだと、ひきまくりですが、
豆腐のオカラにジャガイモや野菜のみじん切りなどを混ぜたものを
油で揚げソースにくぐらせたものです。


いずれも、足袋産業が盛んな頃に
女工さんが好んで食べた「ファーストフード」のはしりとか。。。

私自身はこの系統の粉ものはOKです。


フライは「富来」とも書くそうです。

行田市観光協会では、
フライを扱う食堂の一覧を示した「行田フライマップ」を作成しています。


行田にいった際は、是非、お試しあれ!!