日本の「食」の在り方

益々、グローバル化する日本の食卓を通じ、未来の日本の食の在り方を模索していきたいと思います。

ニュー・ジパング ~神奈川県・穀類編~

2008-10-08 12:41:10 | 郷土料理

神奈川県といえば、
イメージとして、横浜、横須賀の港町、箱根の温泉、湘南・江ノ島、
サザンオールスターズの世界・・・ハイカラな海辺の街といった感じ。


まずは、横浜にいくと
皆さん必ずお昼は中華街という人も少なくないはず。


「サンマーメン」が神奈川県の郷土料理ときいて、
日本のラーメン発祥の地ということを考えると納得です。


サンマーメンは、細麺を使った、塩もしくは多くの場合醤油味のスープの
ラーメンの上に、歯ごたえが残る程度に炒めたモヤシを片栗粉を溶いたあんで
絡めて乗せた麺料理です。


サンマーメンは「生碼(馬)麺」と書き、
「生」はシャキシャキとした食感を意味し、
「馬」については上に乗せるという意味で、
「碼」という字は具材を意味します。

発祥は横浜の老舗の中華料理店「聘珍樓」といわれ、
安価なまかない食から生まれたとのこと。
その割には、同店の「聘珍樓」のサンマーメンは値段が高いですが・・・・

サンマーメンは、
中国から海を越えて日本に渡ってきた
新鮮で安価な材料で作る滋養の高い食べ物といった印象。

いまや、日本の国民食である「ラーメン」のありかたを考えさせられます。



もうひとつ、意外と知られていないのが、
横浜が、「ドリア」の発祥の地だということ。


ドリアとはもともとはイタリアの貴族・ドリア一族のために
パリのレストランが創作した料理を指します。
イタリア国旗の三色にちなんだ、トマト、キュウリ、鶏卵などの材料を
使って作られた料理と伝えられています。


今、日本で「ドリア」といわれている食べ物は、
1925年、山下公園前の老舗ホテルニューグランド初代料理長サリー・ワイル氏が
体調を崩したお客様のために即興で作ったメニューで、
米飯に小エビのクリーム煮をのせてベシャメルソースをかけ、
オーブンで焼き上げたものがその始まりといわれています。

ドリアというものが、
料理長の優しい思いやりから生まれた料理ということを
知って嬉しく思いました。


確かに、あつあつのホワイトソースと白いご飯を絡めて食べると
芯から本当に温まります。


今も、ホテルニューグランドの「The Cafe」で
その名残である「シーフードドリア」を食べることができます。